羞恥心が消えない?俳優が演技で羞恥心を改善するたったひとつの方法

羞恥心が消えない?俳優が演技で羞恥心を改善するたった1つの方法

こんにちは、演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、久しぶりに俳優業を再開する方などに役立ててもらえたらと考えています。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

今回は、俳優が演技で羞恥心を改善する方法と記載していますが、これは俳優だけにかぎらず、日常から緊張しいだったりする方にも当てはまることになります。

生徒さん

私は、感情を出すのが苦手で、出しているつもりで感情が全然出ていないと言われます。
やっぱり恥ずかしい気持ちもどこかでありますが、どうしたら恥ずかしさってなくなりますか?

時々、俳優は羞恥心がない、羞恥心を捨てている、なんて考えている人がいるようです。
羞恥心を乗り越えて、カメラや舞台の上に立っていると。

アリトさん

はっきり言えば、羞恥心は誰にでもあります。

それは見られたくない気持ちや表情や態度、行動、もの、体一部分が露呈したり、露呈しそうな時、誰にでも出てくる感情です。

さて、これらをどうしたら良いのか?
一緒に紐解いて考えてみたいと思います。

そもそも俳優が人が感じる羞恥心とは何か?

まずは、羞恥心とは何か?について考えてみる。
羞恥心とは、「恥ずかしく感じる気持ち」Goo辞典
驚いたのは、Wikipediaにも「羞恥心」というワードで登録がされているということです。
それぐらい、世の中の人が気になっているワードなんですね。

この羞恥心というのは、自分以外の他者と関わった時に、自分との他者との比較や関わりの中で自己否定が起きて動き出すようです。
特に思春期前から思春期の中で、どんどん膨らんでいく感情。

お腹が鳴ったことで酷く恥ずかしいと動揺してしまったり、ちょっとしたことでもこの羞恥心が作動する人、そうでない人が存在するのです。

多かれ少なかれ、羞恥心を感じる場面は人によって様々ということも認識しておきたいところですね。それって、役を理解すること、「人間理解の旅」に通じることなのですから。

人間理解の旅について、言及した記事になります。ご参照ください。

俳優は、羞恥心は隠すのか?乗り越えるのか?それとも消すのか?

羞恥心を隠して生きている人も多い。
羞恥心を心の奥に押し込めて、その上に立ち乗り越えて頑張っている人もいる。
羞恥心を・・・消すことはできるのか?

アリトさん

心理学的に、消すことはきっとできないでしょう。
消すことは異常なことかも知れません。

しかし、演技トレーニングによって、改善していけるのです。

さて、たくさんのヒントが出ていますが、多くは他者の目、他者との比較、他者との関わりの中で生まれてくる感情ということ。

つまり、自意識が多く働いている状態が原因のひとつ。
ということが見えてきたのではないでしょうか。

俳優の「注意の集中」について

羞恥心は、他者がいて、他者の目を気にして起きてくるもの。
つまり、自分に注意が向いてる状態ということなのです。

生徒さん

そんなに他者を気にしているのに、自分に注意が向いているってどういうことですか?

アリトさん

それは、他者の目を気にして、自分を見ているということです。
他者はあなたのことなど気にしていないかも知れないのに、です。

生徒さん

そっか、私の思い込みということですか?

アリトさん

極論からすると、そういうことです。

お腹が鳴っている、恥ずかしい、という思いは、お腹が鳴っていることに対して笑われた記憶から、他者全員が笑うのではないかと勝手に思い込んでいたりするということです。

つまり、注意の集中が自分に向いている時、そのような羞恥心といった感情が生まれるということ。

演技は「相手に興味を持つ」ことで心が動きだす

羞恥心は持っていても良いですが、注意の集中を自分ではなく、相手に向けていくことで変化します。

相手が自分の恋人や好意を寄せる相手の場合など、きっと心はこのように反応しているのではないでしょうか?

嫌われたらどうしよう、可愛くないと思われたら嫌だ、かっこいいと思われたい、優れていると思われたい、ダサいって思われたくない・・・などなど。

これはつまり相手がどう思っていようが、あなたが勝手に思い込んでいるお話なのです。
無意識に自分に興味が向いてる状態。

それは自意識なのです。

自意識とは、自分に注意の集中が向いている状態なのです。
そう、解決方法はたった1つ。
自分ではなく相手に、関わる他者に、興味を持っていくということ。


相手に注意の集中を向けるということなのです。
私はそれを、自意識の反対、他意識と呼んでいます。

自意識の塊の人と対話はやりやすいですか?

アリトさん

例えばナルシストを想像してください。

ナルシストが自分の髪の毛や容姿を鏡でずっと見ながら、あなたは自分とお話をするのが好きですか?

自分のことを全く見てくれていない人と感じませんか、そんな人とは対話にならないと感じませんか?

生徒さん

そうですね・・・あまり、話したくないかもです・・・。

アリトさん

自意識が大きい人は、それと同じ状況になっているということなんです。

ナルシストとは確かにニュアンスが違いますが、注意の集中が自分にばかり向いていることは同じ。

つまり、その状態では相手と対話できないのです。

生徒さん

なるほど

自分をジャッジしない

俳優によくあるのは、自分をジャッジすること。
演技をしながら自分をジャッジしていませんか?

うまくいっているか?ダメだった、とか。
ちょっと可愛くなかったかも、とか。
バカっぽく思われていないか、とか。
演技が下手だって思われていないか、とか。
監督は満足しているか?とか。
監督は硬い顔している気がするとか。

まず、自分をジャッジしないでください。
それをするのは、監督や演出家の仕事です。
俳優は、今を生きるのが仕事なのですから。
指摘されるのが怖いので、先に自分をジャッジしてしまうのです。

演技をしながら上記のように思ったのであれば、これシーンの中であたなが注意が自分に向いているか、監督に向いてしまっているということ。
それは、その物語に、その世界にいないということを意味します。

シーンの中での想像の相手、或いは目の前に相手がいるのであれば、相手に注意の集中を向けて、相手の反応をしっかりと受け取って返していくようになれば良いのです。

相手がどう思っているのか、あなたが過去の経験や勝手な想像で感じてるのが羞恥心となっている原因です。
勝手な想像より、しっかりと相手を観ること。
言ってしまえば、相手が何を思っているのか、対話しないと分からないのです。

そこに興味を持って対話していくことが、演技であり、自然な他者との関わりであり、リアリズの演技に繋がることなのです。

演技トレーニングのプライヴェートモーメントについて

一人で部屋で過ごしているくらいに、リラックスできればあなたは他者の目を気にすることなく自由になれると思いませんか?

それを磨いていく演技トレーニングが、プライヴェートモーメントです。
日本語で「公開の孤独」と言います。

カメラが回っていても、舞台上でも、極論を言えば、服を抜いてシャワーを浴びたり、トイレに行ける状態にまでなっていくトレーニングです。
注意の集中は考え事や、その先の人生や、関わっている仕事などに向いている状態です。

まして、対話となれば、リラックスして相手に注意の集中を向ければ、羞恥心は薄まり、役が目的に向かっていく中で起きる感情が自然に湧き上がってくるようになります。
あなたの心体がリラックスしていることが当然、前提になりますが。

まとめ

羞恥心の原因が、自意識にあることが分かってきました。
しかしながら、自意識が過剰な人の場合、それを他意識に変えていくことが、難しいのです。

原因は分かっているのに、どうしても他意識に持っていけない、といったこともあるでしょう。
そのために、注意の集中を相手に向けていくトレーニングが必要なのです。
何度も注意の集中が逸れても、相手に戻していく、必要な場所に戻していく、そんなトレーニングが必要不可欠です。

何年、何十年と重ねてきた羞恥心の塊のような自意識が、ほんの数回のトレーニングでクリアになるはずはありません。
だからこそ、練習を重ねていくのです。

リラクゼーショントレーニングは、注意の集中を動かしている体の部分に持っていくというトレーニングでもあります。
自分の意識以外に注意の集中を向けることで、リラックスは生まれますので、リラックスと注意の集中は相対的な関係にあります。
プライヴェートモーメントは、想像の部屋に注意を向けることから始まります。

ある名優が「ロミオとジュリエット」のジュリエット役で、毎回顔を赤るほど初恋をロミオから感じて生き生きと生きた演技をした後、楽屋に戻ると自分がどんな姿を晒していたのかと思うと恥ずかしくて隠れるようにして帰っていったというエピソードがあります。

舞台上では、初恋のドキドキを毎回感じて対話をして、終わった後に羞恥心が襲ってくるといった現象です。
舞台上ではロミオに注意の集中を向け、舞台終演後は自分に注意の集中が向いてしまうといった例です。

恥ずかしいことは悪いことではありません。
ただ、あなたが俳優として、あるいは社会人として困っているのであれば、たった1つの方法、つまり注意の集中を自分以外に向けていくことを試してみてください。

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