この映画とドラマがすごい!長回し撮影と演技が絶品な映画・ドラマ6選!

この映画とドラマがすごい!長回し撮影と演技が絶品な映画・ドラマ6選!

こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。

演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

さて、今回は、今もっとも見て欲しい長回しがすごいドラマ・映画6選。

長回し”という撮影方法はご存知でしょうか。

名前の通り、カメラを止めないで(『カメラを止めないで』のことではありません)、そのままカメラをまわしっぱなしにして長時間撮影する方法です。

別名、ワンカット撮影ともいわれます。

舞台でそのまま時間軸を生きるよりも遥かに多くの段取りが存在しますので、そのれを必然のこととして対応する俳優のスキルは相当なものです。

今回はその長回し撮影を可能にした俳優の演技とスタッフの結晶となる映画とドラマを厳選して6作品と、おまけ2作品をご案内します。

俳優ならきっと多くの共感と圧倒が感じられるはずですね。

映画やドラマの長回し撮影のどこがすごいのか?

映像の現場では、内容にもよりますが、カット割がたくさんあって、そのカット割に合わせて撮影されます。

1日に撮影できるのは、1〜2分程度。
それだけの量で多数のスタッフが動き、俳優が加わる世界。
長回し撮影がいかに困難か想像できますでしょうか。

右側から撮影したら、次は左側から、今度は引いて撮影など、カメラの使用台数にもよりますが、俳優はそのたびにシーンの中で新鮮に経験しなおす必要があります。

その中でも、この長回しという撮影方法は、俳優にとっては極めて演劇的でもあり、現在進行形で時間を生き続けるといううえで、スルーラインやシーンの目的が明確であれば、とても生きやすい環境といえます。

ただし、映像作品は、照明や日中の自然の天候変化、スタッフの行き来の段取り、カメラの動きの段取り、俳優が再登場したりする場合の動線、エキストラの動線など、非常に気を遣う部分が多くあり、失敗したら最後!

その極限の中で撮影されている点がまたすごいといえます。

長回しがすごい!映画とドラマのご紹介!

それでは、長回しがすごいと言われる映画やドラマをご紹介していきます。

ぜひ、ぜひ、見て楽しんでくださいね。

Netflixドラマ『アドレセンス』

Netflix史上、最短で最高の視聴数を叩き出した話題のドラマ。

監督はフィリップ・バランティーニ。
主演は父親役のスティーブン・グラハム(映画『スナッチ』など)

全4話のミニドラマですが、全4話とも全て長回し1時間ドラマという驚異的な撮影で制作されたドラマです。

そして、内容も素晴らしい視点と、カメラワークと俳優たちの息遣いとの絶妙なバランスと揺れ。

どこをとっても凄かったとしか言いようがありません。

演技も、特に第3話の、少年と大人の2人芝居は圧巻です。

心情の変化に無理はなく、どうしたいのかが見てくると同時に、役がぶち当たっている障害に耐えかねている少年の姿が浮き彫りです。

初々しくも素晴らしい演技を感じさせてくれました。

その他、ベテラン勢の演技も逸品です。

Apple TVドラマ『ザ・スタジオ』第2話

Apple TV は本数は制作数が少なくとも素晴らしい作品が多い。

この『ザ・スタジオ』はコメディながら、第2話だけですが、長回しで撮影された回なのです。

車の移動から撮影現場に至るまで、細かい演出も多く、俳優の自由度が狭い中での素晴らしい演技と対応だったと言わざるを得ません。

長回しの撮影方法のドラマの中で、撮影中の現場も長回し撮影中ということでドキドキが生まれる、劇中劇の方法をとった面白い第2話。

このドラマは、著名人が著名人の名前でそのまま出演する面白さもあります。

マーティン・スコセッシ監督も、マーティン・スコセッシ監督として登場するし楽しそうだし、面白いです。

Netflixドラマ モンスターズ:メネンデス兄弟の物語 第5話

実録系の犯罪ドラマ。

実際にあった事件を、ドラマ化したものです。

メネンデス兄弟の弟が、第5話で弁護士と2人で対話するシーン。

父親から受けていた虐待を語っていく中で、徐々に徐々に弟にクロースアップしていくカメラ。

このカメラワークの面白さは、固定されたままのカメラがそのままクロースアップしていくというじわじわと内面を確かめにいくような視点だということ。

他の話よりも短めの回ですが、その演技もさることながら、ブレない演技に感服。

映画『ウトヤ島、7月22日』

2011年7月22日にノルウェーのウトヤ島で起こった無差別銃乱射事件を、生存者の証言に基づき映画化した作品。

97分間の本編のうち、事件の発生から収束までの72分間をワンカットで描いたドキュメンタリー撮影風の本編です。

実際に起きた事件を、そのまま突然の出来事として何が起きたかわからないままのハプニングとして体験していく臨場感のある映画。

著名な俳優が出演しているわけではなく、若手俳優たちが出演している点でも、妙なリアリティを感じてしまいます。

映画『スネーク・アイズ』

巨匠ブライアン・デ・パルマ監督、ニコラス・ケイジ主演のサスペンス映画。

冒頭の10分がまさに長回し撮影で、当時大きな話題となりました。

ボクシングの試合会場で観客となるエキストラが多数いる中での、長回し。

かなりの集中力が必要ですが、ニコラス・ケイジがダイレクトに生き生きとその中を闊歩する姿は圧巻です。

まさに今を体現している演技でした。

紹介作品の中で1番古い映画ではありますが、Amazon primeでレンタル、またはYouTubeレンタルでも見ることができます。

映画『ボイリングポイント 沸騰』

イギリス・ロンドンの人気レストランを舞台に、オーナーシェフの波乱に満ちた一夜を描く人間ドラマ。

クリスマス前の多忙な店内でさまざまなトラブルが巻き起こる様子を、ワンショットで映し出しています。

なんとこれ、『アドレセンス』コンビなのです。
監督はフィリップ・バランティーニ。
主演は父親役のスティーブン・グラハム(映画『スナッチ』など)

俳優たちが「今を生きる」を体現し続けた素晴らしい作品です。

レストランと厨房とぐるぐる動き回りながら、人間模様が見えてきます。

日本とは違い、各々が自分のことを主張できる姿勢があり、オーナーが傷つきながらも、週末にお酒でも飲みながら話しましょうと誘う姿に対話を大切にする人間性が感じられます。

いろいろなストレスを受け続けた人間の姿が集約されていますが、こんなお店では働きたくないですね笑

厳密には長回し撮影ではないが、そう思わせてくれる映画2点

余談ですが、次の2作は長回しではありません。

長回しで撮影されたような映画ですが、実際はうまく繋ぎ合わせて撮影されている映画です。

厳密には長回しとは言えませんが、自然に繋がれたフィルムに違和感なく、あるいは時にどうやって!と思わせてくれるほどの映像に舌を巻きます。

中でも次の2点は素晴らしい作品ですのでご紹介しておきます。

映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

第87回アカデミー賞では同年度最多タイの9部門でノミネートされ、作品賞、監督賞を含む4部門を受賞した巨匠アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品。

この映画は何度も観ていますが、やはり葛藤する主演のマイケル・キートンが素晴らしく、助演のエドワード・ノートンやナオミ・ワッツらの共演も最高です。

元祖映画バットマン役のマイケル・キートンを出演に迎え、それを承諾して出演しているところが、この映画のすごいところ。

あれ、長回しになっている?と一瞬驚くような流れがまた観客を圧倒する、映像魔術です。

映画『1917 命をかけた伝令』

名匠サム・メンデスが、第1次世界大戦を舞台に描く戦争ドラマ。

若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクの2人が、兄を含めた最前線にいる仲間1600人の命を救うべく、重要な命令を一刻も早く伝達するため、さまざまな危険が待ち受ける敵陣に身を投じて駆け抜けていく姿を、全編ワンカット撮影で描いた作品。

これは映画館で観た時に、圧倒される長回し的技法でした。

長回しの凄さは、息をつく暇なく、進行していく「今」を体験できる点ですね。

ぜひ、ご確認ください。

長回し撮影と演技が絶品な映画・ドラマ6選!-まとめ-

長回しで撮影された映画やドラマをご紹介しました。

映像では何よりもスタッフが大変である!
と言えると思います。

まとめ
  • Netflixドラマ『アドレセンス』
  • Apple TVドラマ『スタジオ』第2話
  • Netflixドラマ『モンスターズ:メネンデス兄弟の物語』 第5話
  • 映画『ウトヤ島、7月22日』
  • 映画『スネーク・アイズ』
  • 映画『ボイリングポイント/沸騰』

おまけ

  • 映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
  • 映画『1917 命をかけた伝令』

もちろん、俳優も段取りをふくめ、一歩間違えると大怪我のもと。

一歩間違えば、やり直し。

また大きなプレッシャーも感じることでしょう。

その中で、撮影された秀逸な作品は本当に賞賛に値します。

日本では、三谷幸喜作品で長回しがありますが、視点の変化があまりな分、どちらかというと演劇的な作りだと感じます。

それはそれで面白いですが、カメラワークという演出を駆使した長回しは圧倒的です。

俳優の集中力とスタッフの作り込みの結晶芸術。

とくとご覧ください。

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