脚本の読解からリハーサル・撮影までの3STEPSで学ぶ!実践ワークショップ!

こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。

演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。

演技をしたいのに、地方で学べない、どの養成所や劇団に入ったらいいのかわからない。
演技の方法を教えてくれる場所がない。
その団体独自の演技で、リアリズムの演技を学ぶ場所がない。
ここでは、そんなあなたにお答えしていきます。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

さて、今回は『夏の2日間実践WSプラス』について。

私が開催している演技トレーニングをメインとした演技WS(ワークショップ)の中で、より実践に結びつけた内容の演技WSです。

2025年7月中旬に予約を開始し、4名の俳優が参加しました。
最大6名としています。

俳優の演技とコーチングをするには最大6名が限界です。
もしも、あなたが参加する演技レッスンの人数が8人以上の場合の現場は、演技レッスンという場において内容によってはやや疑問を私は感じています。

もはやひとりひとりを見れないですよね。
それは現実です。

もちろん、演技トレーニング、レッスンの内容にもよりますが。

ビジネスで考えたら多いにこしたことはないのは事実です。
いくら何でも10人以上のレッスン現場は、正直苦しいのは間違いありませんし、俳優も自分を見てもらう時間が短く本音ではやや辛いのではないでしょうか?

そういう意味でも、私の中では向き合える距離感と人数で現在のところ対応しています。

今回のWSが実践的であるのは、既に通常の私の演技WSで演技トレーニングを繰り返している俳優が、どう実践に結びつけていくのかを体験していくからです。

さて、今回WSは、5分の2人芝居(私のオリジナル作品)を事前に配布し、読解から始めてもらいました。

読解から実践まで繋がった演技実習はなかなか時間がかかり大変なので3日に分けて用意した内容なのです。

こういったWSが貴重なのは、色々な演技メソッドを勉強したりしている方はそれがどう実践に繋がるか行動せぬまま終わっているものが多いのではないかと危惧しているからなのです。

これまでのレッスンが繋がる内容で、映像としても記録に残しましたので参考として、ぜひこの機会に動画と合わせてお楽しみください。

実践を想定したアクティングコーチの役割とは?

この問いは非常い重要です。

芝居して、ダメだしをするのが演技レッスンで、実践的だと思われているフシがあるからです。
それは誤解。

日本の演技WSの問題点は、監督や演出家、俳優が生徒に台本をやらせてダメ出しをすることで完結するものが多いところ。

或いは演技トレーニングに特化し、それがシーンにどう結びつくのかを実体験しないまま、感覚的に身体的体験で終わってしまうところ。

監督や演出家は俳優に要求する仕事です。

要求するのは全然良いのですが、結果を求めるあまり結果に対して結果をリクエストすることがダメ出しとなっていることが多いのが問題なのです。(リザルト演出

俳優はそのリクエストに応えるためのプロセスが分からず独自に頑張っていたり、勉強してきた演技メソッドと結びつかないで単路的にイメージで演技を返してしまったりします。

水泳で例えると、そもそも泳ぎ方を教わっていないのに海に落とされてダメだしされるか、海に落とされたにも関わらず習ってきた泳ぎ方を思いだせずに溺れてしまうパターン。

どちらも残念極まりない状況ですね。

あなたの学び場所は大丈夫ですか?

アクティングコーチの仕事は、その監督や演出家がリクエストしてくる内容に対して、プロセスからのアプローチを俳優に促し、結果的に監督や演出家が求める結果を導き出すことなのです。

また、その結果を出すために必要な準備や演技トレーニングを促すもの。
(監督や演出家で一部素晴らしい手腕を発揮できる方もいます)

つまり、そのプロセスとアプローチこそが重要なポイント。

演技トレーニングは、プロセスの準備段階に当たるものや、アプローチの一部。
それだけで完結できない部分でもあるのです。

プロの俳優が役を生きるためには、その演技トレーニングとプロセス、アプローチ、そして実践とを繋いでいくことが大事。

そこを繋ぐためにアクティングコーチというコーチングの仕事があるのです。

夏の2日間実践WSプラスの内容

夏の実践WS2DAYSプラスは合計3日のワークショップです。

3日といっても3日連続ではありません。
間隔を空けた3日間。

夏の実践WS2DAYSプラスの内容

①読解WS
②実践WS_DAY1:読解に基づいてシーン稽古
③実践WS_DAY2:撮影前のリハーサル、長回し撮影、カット割撮影

なぜ連続じゃないのか?
スケジュール的なこともありますが、俳優が準備する時間が必要だからです。

台詞を覚えて、何となくイメージして、家で動いてみてといった準備ではありません。

それは準備を知らない人が陥る準備ですよね。

もしもあなたがそのようなスタンスで取り組んでいるのなら、撮影まで、本番まで何を準備するのかをこのサイトの記事から学んでみてください。(参考記事をリンクしておきます)

STEP1:読解WSの重要性

読解WSを現在、積極的に私はやっています。

このことの重要性が年々高まっているのを感じているからです。

脚本の読解、分析は、俳優にとっての地図。

何を考え、何に向かって、どうすればいいのかを見つけることができるからです。

この地図がないまま始めてしまうと、当然ながら迷子になります。

読解もしないまま、演出家や監督の解釈と擦り合わせ修正していくことはできません。

しばしば監督や演出家は、独自の解釈を膨らませてきます。

そんな中でさえも、あなたは脚本読解からその解釈に結びつける術を持つ必要があるのです。

でなければ結果を見せるために結果を演じてしまいやすいといえます。

それは役を生きないことを意味していますので避けたいですよね。

あなたは役を生きるために、脚本という地図から、どこに向かう必要があるのかを限定的にしていく作業を身につける必要があるということです。

時々開催している読解WSに参加した俳優たちは、その経験の中で今回読解を事前に準備してもらいました。

その準備したものと、アクティングコーチ兼監督(演出家)として、オンラインで読解WSを進めていきました。

役の目的・動機・障害を各自の解釈で話してもらい、私からの解釈とでよりシーンを限定的にしていきました。

その地図を持って、1週間程度、また各自が台詞を覚えたり準備をしてから2日間の実践WSに向かったのです。

STEP2:DAY1の実践レッスン

夏の2日間実践WSプラスの1日目の様子

実践WSというのは、オンラインではなくオフラインで対面してやるレッスンという意味。

読解をした中で、実際に動いてみましょう、ということですね。

この中で、トライ&エラーをしていくことが貴重な稽古といえます。

失敗しながら、仮説を立てた読解が実際に相手と関わりながらシーンを生きてみたときにうまくいっているかどうかを監督やアクティングコーチが見ていきます。

そして、うまくいっていない箇所や曖昧な箇所を明確にしていきます。

既に読解した時間を経験しているため、「役が何をしたいのか?」を見定めることが可能です。

また障害がいかに大きいか、或いは障害を受けとめていないか。

或いは、役が達成したいことへの動機が、絵空事になっていないか?自分にとってリアリティを持てているか(自分ごとにする)を見ていくのです。

それは全て、行動してもらうため。

俳優も想像の刺激を受けながら、自身がリアリティを持って行動することで発見が増えていきます。

これこそが、俳優と監督・演出・アクティングコーチとのクリエイティブな時間といえます。

STEP3:DAY2の撮影リハーサルと撮影

夏の2日間実践WSプラスの2日目のリハーサルの様子と出演者インタビュー

DAY1から3日空け、実践WSの2日目としました。

間で考える時間があることで、前回の稽古で自分で修正できることを修正してきてくださいというメッセージを用意したことになります。

前回リクエストした内容が反映しているのか、或いは現在の状態はどんな様子かを最初の1時間で、各ペア30分ずつ進めました。

役を掴む手伝いをしたり、相手との関わりがうまくいっていない箇所に、いくつかリクエストをしたり、身体的に体験しやすいようにコーチングをしていきます。

役の目線で世界を見る、ということはなかなか難しいですよね。

そして、まるで自分ごとのように生きなければ、シーンは動き出しません。

そうなるようなリクエストを限られた時間内でしていきました。

長回しとカット割りの撮影について

カット割りで撮影し編集した動画:ショートドラマ『ヌマってる』夏の実践WS制作
髙橋マリア_IDAバージョン

長回し撮影は、文字通りカメラを長回しで止まることなく最初から最後まで撮影した映像です。

こちらに関してはメルマガ会員限定公開としています。

この長回しは、演劇的でダイレクトに今その瞬間が流れていく様を見ていけます。

また俳優にとっては、今をつかまえながら生きていられる瞬間を体験していくまたとない機会になります。

ペアによって動線や演技が違いますので、それぞれの個性が出てきます。

また、ダイレクトだからこそ、目の前で起きている機微に反応が起きているのかどうか、或いは相手に何を求めて行動しているのか?あるいは、本当に行動できているのか?が見えてきます。

読解から行動へ、俳優にとって今を生きる良い機会となったと思います。

当初は、長回し撮影で完結する予定でした。。

しかし、ビート解析をしてビートで役の目的を見てきたこともあり、それこそまた実践で生かしたいと考え、急遽カット割りで映像作品のように撮影することにしました。

5分のシーンとはいえ、角度を変え数テイクやっていくという俳優にとっても挑戦でした。

シーンの直前に何が起きていたのかを体験しなおし、ビートで捉えて目的で相手に即時関わる必要があるので、身体的は非常に忙しい時間といえます。

しかも、各ペア、30分で撮影を終えるという目標を掲げ、ザクザク撮影していったからです。

各ペアで20〜30テイク程度撮影していきました。

頭で考えるのではなく、シーンの直前を身体的に体験した状態から本来は始めなければなりません。

とはいえ、演技トレーニングでも伝えていた内容が、生かされていたかといえば、直前の体験がうまくできていないカットが多かったと言わざるを得ません。

急遽、撮影したということもありますが、カットが繋がる、繋がらないは、編集や音楽の力ともいえます。

何テイク撮影しようとも、今そこにいられる準備ができるようこれからも演技トレーニングが必要だと感じています。

急な提案でしたが、俳優たちもよく飛び込んできてくれたと思っています。

映像体験としても実践でしたね。

次回は、カット割りに関してはしっかりと私の方も準備してやっていきたいところ。

参加者の感想

カット割りで撮影し編集した動画:ショートドラマ『ヌマってる』夏の実践WS制作
佐藤俊彦_柊優花バージョン
アリトさん

読解WS(オンライン)で良かった点はなんですか?

IDA

全然できなかったものが分かるようになること

佐藤俊彦

自分と違う人の意見を聞けたり、解釈を目の当たりにできるので、自分の考える幅も広がりました。

佐藤俊彦

これまでも読解WSには参加して来ましたが、いつもの題材は既存映画で、分析した脚本を自分が演じる予定で読解するのは初めてでした。
読解単体でも読解訓練になりとても充実していましたが、いつもの読解WSと異なりとても有意義だったのは、同じビートの目的を複数可能性として持っておいたものが後日、実践WSの際に役に立ったことです。
実践の際に、先生からこのシーンの目的をこう変えてみようか?やこの時の心情や背景にこんなことがあったとしたら?と演技をしながら指摘を受けた時、分析WSで洗い出した可能性たちが引き出しに綺麗に並んでいるような状態で、指摘がまずスムーズに理解・受け取れ、自分がではどの目的に切り替えてトライしてみたら良いかすぐに意思が固まる体験はとても心地よく、脚本分析の意義を実体験として感じられたことが大変嬉しかったです。

アリトさん

実践WS_DAY1とDAY2と合わせて、良かった点はなんですか?

佐藤俊彦

内容の充実度はもちろん、2日間が別日に設定され間に数日あったプログラム設計が良かったです。
私はDAY1では自分自身と役との関係性の中に調整が必要な点が多く不完全燃焼でモヤモヤが残りつつ終えた一日目でしたが、DAY2までの間に自分の中での整理と先生への相談ができ、アドバイスをいただき納得感が持てる程度までは解決してDAY2に望めたため2日目はより具体性を持って挑戦できました。
WSの終わりにDAY1とアプローチを変えたねと言われ内心そうかなと驚きましたが、録画を見たら自分でも想像以上にDAY1とDAY2の演技が違い、役の捉え方や自己受容のでき具体がもたらす演技への影響の大きさに驚きました。
このはざま期間での自己整理とアクティングコーチへの相談体験もまた、良い学びになりました。

佐藤俊彦

読解して仮定したことを試せたことで、ワークショップの質がすごく上がった気がしました。 ただその場で思いついたことをやるのではなく準備した上で湧き出たことをプラスしてシーンに取り組めたことが何よりよかったです。

アリトさん

長回し撮影と、カット割り撮影の感想を教えてください。

佐藤俊彦

自分の演技の反省点がそれぞれ全く異なりました。 長回しは、声の小ささや動きの小ささ、体の硬さ・重さが目立ち、よりリラクゼーションなどで体の巡りとパイプの通りを拡げ開いておく必要性を感じました。
カット割は、カットを細切れで撮影し同じ瞬間も違う角度から何度も繰り返し撮影する過程で、目的意識と集中力の維持が大変難しく、できなかった。
目的意識を持っていても、カメラが回る度の「目的持ち直し」「目的再スタート」では目的意識から生まれていたはずの感情が存在しない状態での再スタートになり、前後の一貫性が失われてしまいました。
私は舞台より映像作品への興味があるため、カット割にも耐えうる技術を鍛えたいと思いました。
ただ、それでも完成した映像を拝見したら編集や音響で一貫性の補填を上手くしてくださっていて想像以上に自然に一連の流れを演出されていたので、それもまた驚きました。

佐藤俊彦

やはり、映像の場合、長回しでもこのあとのカット割との関わりがあったりするので緊張しました。

アリトさん

今回WSで得たことから、今後のあなたの課題はなんですか?

IDA

読解
起きた感情をしっかり使うこと

佐藤俊彦

シーンをより刺激的にするための動機や、目的、そこまでの過程などをより細分化し、はっきりと待つこと、そのバリエーションを増やすことだと思います。

佐藤俊彦

・目的に向かった演技(継続)
・感情も素直に滲み出る柔らかい身体、身体的反応(継続)
・自己信頼
・滑舌、顔下半身の筋肉
・カット割にも対応可能な技術(直前の心理身体的な体験を準備しておく技術
・集中力など

まとめ

今回、一般公開として、カット割りの映像を公開しているのは、演技や作品が素晴らしいからといった理由ではありません。

読解・稽古・リハーサル。撮影して公開するまでが、一連のワークショップだからです。

公開を前提としてやることが、まさに実践。

夏の実践WS2DAYSプラスの内容

①読解WS
②実践WS_DAY1:読解に基づいてシーン稽古
③実践WS_DAY2:撮影前のリハーサル、長回し撮影、カット割撮影

そして、俳優たちがトライしたそのプロセスから生まれたものを、あなたの目で見ながら、分析してほしいと思っています。

役が何をしようとしているのか、役がどんな障害を受け取って反応が起きているのか、役の動機はなんだろうか、想像してながら役立ててほしいと思っています。

メルマガ会員でしたら、長回し映像と脚本(山縣有斗のオリジナル脚本)もダウンロードできるように用意しています。
(10日間の無料講座終了後の11日目から視聴可能です)

学びの場として、Acting Life net をあなた自身生かしてください。
そして、心配や不安、不明点があれば相談してください。
私は20代でこのような環境に出会いたかったと思い、今、作り上げている途中です。

やる理由より、やらない理由を選ぶ、生きるための仕事を選ぶ、ということも多々ある中で、行動に移した現役の俳優と初心者でありながらトライした合計4名に敬意を称したいと思っています。

夏の2日間実践WSプラス、本当にお疲れ様でした。

読解や演技トレーニング、引き続きトライしていきましょう!

最後に

ここまで読み進めてくださり、ありがとうございます。

もし、記事を読み終えて「頭ではわかったけれど、自分の場合はどうなんだろう?」と少しでも感じていらしたら、一度私と話をしてみませんか。

演技の技術、表現の壁、あるいは日常のコミュニケーション。 一人で考え込むよりも、対話(セッション)を通じて今の感覚を言葉にしてみることで、驚くほど道が開けることがあります。

月に10名様という限られた枠ではありますが、あなたとお話しできるのを心から楽しみにしています。