こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、「見せる演技」のお話。
私が20代の頃にお世話になったドラマの監督は、見せる演技にこだわった監督でした。
信じられないかもしれませんが、他の監督も同様に俳優に指示を出す時、やはり見え方の問題を意識したリクエストを俳優にしていました。
など。
この指示に対して、ついつい俳優はその結果をさっと演じてクリアしていきます。

これのどこが悪いの?
絵的に画面に映った映像が、監督がもとめていたものならOKなんです。
そうなんです、監督がOKだしたのなら、それで良いということには変わりません。
しかし、俳優としてはうまくいっていない部分が少なからずあるということ。
形を求められて、形の演技でさっと応えて・・・
で、あなたは生きていたの?
音楽でも流していればそれで成り立ちますが、そこに役の人間らしさ、息遣いはまるで存在しません。
視聴率の問題で、アイドルや主役の方々のアップ以外はそんなにこだわる時間がない、といった現状が民放ドラマには見え隠れしているようです。
絵的に形がハマっていればだいたいOK。
監督が欲しい絵をさっと理解して応えれる人が、需要が上がる俳優となり得ます。
(これが、俳優育成に大きなダメージを与えている一因でもあります)
結果、誰の印象にも残らず、役割をほんのりクリアして帰っていく職人俳優のできあがり。
こんなので良いのだろうか?
と私は感じていました。
そして
どこかで抵抗していました。
だって、10代で観てきた映画「タクシードライバー」「ゴッドファーザー」「カリートの道」「ミッションインポッシブル」も、そんな形だけの役なんてないのですから。
現場でそんなもどかしさを感じている人もきっといるのではないでしょうか?
・舞台でも同様に、演出家から指示されることは結果や段取りばかり。
・感情の流れまで説明されてしまって、その結果を演じてしまったり。
・演出家にお手本をやって見せられて、「同じようにやってくれ」と言われてもどかしくなったり。
それでも俳優はエキストラだろうが、ちょい役だろうが、主役だろうが、【役を生きたうえ】で監督や演出の要求に応えることができれば良いのです。
あなたが役にアプローチしながら、行動したら良いのです。
逆に監督や演出自身が「あ、ありかもそれ」と思ってもらえればさらにベター。
結論をいえば、形や結果(こうなるようにして)を求められても、俳優の演技の調整(目的・動機・障害)から調整して応えれていくこと。
印象に残る脇役やちょい役は、基本的にここができています。
生きているんです。
リザルト演出とリザルト演技とは何?

実際に演技をしっかりと俳優と相談しながらできる監督と、いろいろな理由でできない監督がいます。
当然なら時間がない、余裕がないといった物理的な理由もあります。
また俳優に演技を要求する際に、欲しい絵の結果を「言葉や態度で」求める監督や演出家もいれば、内面から導くような方、或いは俳優に任せている方もいます。
それがまた映画の個性にもつながるのです。
結果を求めるというのは、「彼女は寂しい気持ちなんだ、だから寂しい顔をして」
といったプロセスも結果、着地点も結果の「寂しい顔」を求めるといったことも同じ。
こういう演出方法をリザルト演技といいます。
・リザルト演出=結果や欲しいシーンの絵(形)をそのまま俳優に要求する演出
・リザルト演技=リザルト演出に関して、そのまま結果を表現して応える演技
※英語で「result(リザルト)=結果」
俳優が「寂しい顔」をすればいいんだ、求められているのはそれだ、として「寂しい顔」を演じてしまいがち。
前後文脈を頭で考えたところ、実際は何も体験が起こりません。
さっと寂しい気持ちを黙々と思い出してそこにいる。
役割を果たして、さようなら、となる演技。
リザルト演出に対する俳優の深層心理

形の演技ではなく、自然な演技で応えるのなんて、俳優として当たり前でしょ?
そんなのが当たり前だよ、って思っているかもしれませんが、現場の忙しい中において後乗っかりとしてやってきた俳優の心理状態は以下の状況です。

「迷惑をかけたくない」
「次も呼んでもらいたい」
「1テイクで期待に応えて認められたい」
このような印象を残したいことが優先されてしまう可能性が高いのです。
役を生きる時間というよりは、余裕がないといった方が良いかもしれません。
テレビ業界の映像現場の状況がリザルト演出を横行させている

心理と形が一致して欲しいという意図でいろいろと試行錯誤をしていました。
映像で求められるのはすぐに要求に応える力。
とにかく映像は時間がないので、その場でサクッとできることが重宝されます。
また、実際にそれが良いとされています。
時間が押した分だけ弁当代、タクシー代、拘束代など全体で考えたときの予算の膨らみ方は半端ないため、残業を避けれない世界において、可能なかぎり小さくしたいのです。
そのため、時間がない、のです。
この時間がない中で、そのことを理解したうえで最優先された対応能力が高い演技がどういうわけか良しとされてしまったところがあります。
断っておきますが、主演級俳優やアイドルたちは、含まれませんのであしからず。
とはいえ、時間がないので涙はさっと目薬を使用した著名人や、リハーサルが素晴らしいものの本番でうまくいかなくてスタッフやエキストラを待たせてさらにプレッシャーを感じてしまって苦労している有名俳優もいるのです。
1番良いのは監督と相談しながら作り上げれる環境なんですが、監督を別格のように捉えてしまっていては相談も何もないのが現状ですよね。
またインディーズでもないかぎり、なかなか難しい環境かもしれません。
映画監督などリハーサルをしっかりとやる監督であればクリエイティブな環境なんです。
ですので、良い俳優は単館上映の世界に飛び込み切磋琢磨しています。
そうなりますよね。
そうするとギャラの低い世界で活躍せざるを得ない。
しかも既に活躍しているのに誰も知らない、世間から評価を受けづらいということもあります。
アカデミー賞周りの人は知らない、なんてことなのです。
賞をもらうことが目的でもないですが、生活を支えていくためには俳優にとっても大きな要素。
しかしながら、
映画俳優が単館映画館の支援をしていることも少なくありません。
これは素晴らしいことですよね。
本当はその街の予算・自治体で支援できるが1番良いと思うんですけどね。
映像監督や演出家のワークショップの危険な面

20代で最初にお世話になった事務所では、演技講師の演技トレーニングの日々。
そして時々テレビドラマの監督が事務所に来てはワークショップをしていました。
演技講師の指導は、メソッドアクティングの片鱗があり毎週のように自分を試す時間でした。
しかし、テレビドラマの監督がするワークショップは、全然違うのです。
求めた時に、笑って、怒って、泣いて、悲しんで、といったものや、立ち位置からの見せ方。
その中で、個性を出せ!といったリクエストだったのです。
でましたね。
「必要なのは、個性。」
なので、段取りや形から個性が溢れるパフォーマンスを求めている状況。
これを理解するのに随分時間がかかりました。
それは、お笑い芸人さんがその個性のまま役を演じるような意味。
その個性を形や段取りの練習から時々出てくるようなワークショップに意味は感じません。
そして期待した反応がないと、監督のため息が漏れてくるのです。
私からしたら最高の気分とは真逆。
やがて監督に納得してもらえるようなパフォーマンスに俳優の目線は変わってしまいます。
監督がある種のジャイアン的になってしまって「こうだから」となってしまうと、俳優にとってキャスティング側に当たる監督の発言には忖度せざるを得ないものが生まれてしまいますよね。
これらが気をつけなければならない要素なのです。
俳優が注意を向ける相手は監督やプロデューサーではなく、シーンの相手です。
個性を求める業界について、あなたがとらえてもらいたい内容として以下の記事を書きました。個性についてぜひ一読して考えてみてください。
📎俳優の個性の身につけ方ってある!?演技で個性を求められた時の考え方!
監督や演出家も人間であることを理解して前を向こう

お世話になったテレビドラマの監督は、しかしとても重要な言葉を残してくれました。

監督やプロデューサーなんてもんは、みんなどっかでハッタリかましてんだよ
この言葉は衝撃でした。
つまり、監督や演出家、プロデューサーの前で萎縮するな。
そんな意味に受け取りました。
とても理解できました。
その現れが髭の重圧感やジャイアン的な態度なんだ、という人間という個性が見えてきたのです。
監督だって、実は見抜かれるのが怖いのかもしれない、と。
俳優の方が演技の知識や応える力が大きい場合、きっとリクエストする方法に戸惑うでしょう。
スターに演出する時に遠慮していては立場が揺らぎ、いい撮影ができないかもしれない。
男性に多いかもしれませんが、ナメられたら困るんです。
ナメられたら怖いんです。
ナメられらたら仕事ができなくなると思っている可能性もあるのです。
演技トレーニングで言ってしまえば、余分な力がずっとある社会生活を送っているということ。
製作する側というのは、緊張した状態がそもそもずっと続いてるということ。
ドラマ1本撮影するなら準備の段階からプレッシャーやら飲み込まされることやうまくいかないこと、妥協点との戦いを続けているのです。
きっとたくさんの威圧や抑圧の中で生きながら、テレビ番組で視聴率を背負わされたりしたら、それはもう10円ハゲのレベル。
正直、この言葉が権威ある監督が私にくれた1番大きなメッセージでした。
感謝せずにはいられません。

監督、ありがとうございました。
そうなんです、私はここから演技が変わりました。
リザルト演出に対する対処法

あなたが役として実際に生きれば、あなたの演技が気になる人がでてくる可能性が上がります。
なぜなら、その演技は「相手に関わっている」からです。
独り言は、変ですが、それに近い演技をしたところでまわりに関わらない景色となりますよね。
しかし、目的をもって相手に関わった演技は人を巻き込んでいる状態です。
関われば空気が変わります。
リザルト演出に対処する方法は、俳優脳で考えるのです。
俳優脳で考えるとはどういう意味か?
以下に動画で学ぶことができる無料講座を今すぐ受講してみてください。

演技とは行動すること。
目的を持って行動することの解釈ができれば、あなたは俳優脳を持ったことになります。
そこについてい記述した記事は下記の「演技(Acting)とは、役の目的に向かって行動(Doing)することである!」を一読ください。
📎演技(Acting)とは、役の目的に向かって行動(Doing)することである!
📎演技中に手の動きが不自然になってしまう!?原因を知って改善するたった1つの方法
📎監督や演出家の指示に俳優が対処するための考え方
アクティングコーチは監督や演出家の橋渡しとなる

足りないのは、監督や演出家と俳優の関係の間に入る、アクティングコーチの認識。
自分が求めるシーンの絵を、言語化して俳優から引き出せる人は良いのですが、そうでない場合は、その間となるアクティングコーチが存在すれば、権威に萎縮することなく素晴らしい演技に向かっていけるかもしれません。
役をもらって、監督や演出家に相談し、リザルト演出ばかりの内容がきたときどうするのか?
私は俳優脳を使って解釈しなおす力が必要と日頃からいっていますが、そのツールを俳優自身が身につけていくことが日本の俳優の演技力を向上させることだと思っています。
また、それが難しいようであれば、相談できるアクティングコーチをひとり持っておくと良いですよ。
ということなのです。

「こう言われたのですが、どう対応したらいいのか分からない」
「ここで泣けと言われたのですが、どうしても泣けない」
など、そこに合わせて調整する方法やサジェスチョンを受けながら、俳優脳になっていければと思います。

リザルト演出がリザルト演技を生み出す悪しき習慣!?-まとめ-

監督でも、スタニスラフスキーシステムを学んで、俳優から引き出す方法を勉強されている方もいます。
私の知り合いの俳優で映画「辰巳」に出演していたのですが、その監督の小路紘史さんはスタニスラフスキーシステムの演技の勉強をされていたようです。
俳優との関わりが違いますよね。
結果的にも俳優の生々しい演技を引き出していた映画となっていました。
ドラマ監督や売れっ子演出家はもしかしたら忙しいので演技をゆっくりと学ぶ時間がないかもしれません。
俳優に考えさせたところ、俳優もそのツールを知らないのであれば、間にアクティングコーチが入れば良いのです。
或いは、俳優が演技をしっかりと学んで体現していければ良いのです。
・見せる演技を要求される場所
・テレビ業界のリザルト演出の習慣
・俳優脳で解釈をしなおして対応する力
・リザルト演出に対処する方法
・相談できるアクティングコーチを持つこと
監督や演出家が演技を教える人、と勘違いしている方が非常に多いです。
監督や演出家は作品の中で求めるものを俳優に要求する人、です。
演技を教える人ではありません。
それを本人も自分の意向で世界が動くので、俳優に教えてやるといった目線の方がいるのです。
パワハラやセクハラの温床になりかねません。
俳優が俳優脳で考える力をつけ、できればフェアに対応していける俳優になっていけるようにしましょう!
私をそのスキルをあなたに渡す用意があります。
演技とは行動すること。
目的を持って行動することの解釈ができれば、あなたは俳優脳を持ったことになります。
そこについてい記述した記事は下記の「演技(Acting)とは、役の目的に向かって行動(Doing)することである!」を一読ください。
📎演技(Acting)とは、役の目的に向かって行動(Doing)することである!
📎演技中に手の動きが不自然になってしまう!?原因を知って改善するたった1つの方法
📎監督や演出家の指示に俳優が対処するための考え方























「もうちょっと顔あげて」
「ここで止まってもらっていいですか、で、あっちを見て」
「もう少し怒ってる方がいいかもですね」