こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、「日本のテレビドラマが、演技が下手と言われる」、これは海外ドラマと比較されてしまい言われることかもしれません。
どうして、日本のドラマは演技が下手なの?と。
ネット環境がスマホなどのOA機器が普及し、テレビ以外のコンテンツを観る世代が多く、視聴率も下がっていると言われています。
ドラマの視聴率も5%以下もザラ。
とはいえ、ネット環境が広がった時期から(iphone登場が2007年なのでそれ以降)、テレビ以外の選択肢が増える前から、国産ドラマはOL層(20〜30代)向けに散々つくり続けたがヒットを飛ばしてきたのは「踊る大捜査線」「半沢直樹」など、OL層向け以外のものがほとんど。
90年代の作家性の高いものはどんどん減ってくるといった状況なのではないでしょうか。
「101回目のプロポーズ」「高校教師」「ひとつ屋根の下」「古畑任三郎」「ケイゾク」などなど、面白い作品は今も記憶に残っています。
2015年頃には既に低迷期と言われていますが、それでも私のまわりには第一話だけは予約して一度全部観てから継続して鑑賞するドラマを決めるという習慣を持ち続けている人もいます。
一部の層には習慣化して観ているといったところかもしれません。
国産ドラマを観る層の中には海外ドラマを観る人も少ないのかもしれませんので、言ってしまえば井の中の蛙状態。
海外ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」以降、量産された海外ドラマを観てきた人にとっては、物足りなさや演技の緊迫感や対話においての内面変化の違いなどたくさんの比較をしてしまうのも無理はありません。
そう、「日本の俳優のレベルを底上げする」という私のモットーとしても、演技レベルの基準も上げて、ドラマや映画の俳優のクオリティをあげたいといった気持ちから動いています。
文化も人種も違うから、「こんなもんか」と思いたくないのが私の気持ちです。
今回は「日本のテレビドラマに出演する俳優の演技が下手」と言われる原因を5つに絞って探ってみたいと思います。

演技トレーニングをしていない人が出演するのがトレンディ

第一にお伝えしておきたいのは、私はテレビドラマに出演するタレントや俳優を攻撃したいわけではありません。
システムに飲まれた流れの中の抗えない1エピソードと認識しています。
タレントは、演技トレーニングを付け焼き刃的に指導を受けて、ドラマに挑むか、自力で挑むしかなかったのです。
舞台に立つ人は、演技を磨く時間がしっかりあり、演出家がさらに演技指導などをして演技の土台を少なからず築いてこれたかもしれません。
その演技方法もその演出家独自の解釈だったり、テクニカルな指導だったりもしますので、世界スタンダードなリアリズムの演技からは違ったポジションだったりします。
いざテレビ界で役を得ても、対処するのは個人技に委ねられ、大変なのです。
相談できるアクティングコーチがいない世界なのです。
それでも何かを掴んだりして生き延びてきた人たちは、独自の地位を築いて頑張っているのです。
まず、ここでいうテレビドラマはゴールデン枠のドラマを指しています。
2時間ドラマは芝居くさいベテランが埋め、NHK朝ドラは「ど新人」を抜擢させる話題性で保ち続けているのです。※言い方厳しくてすみませんがざっくりとです。
さてゴールデン枠、この枠の目的は、視聴率であり作品性や演技力ではない、ということ。
お金を出す側(スポンサー:電通が間に入って調整)にとって視聴率が広告を出す理由であり、そこに必要なのはアイドルやイケメン俳優なのです。
クオリティの高い作品を目指すこととは相いれず、タレントとして売り出したい側と電通との蜜月な関係が出演者を限定してきた可能性も大いにあります。
演技が下手な理由トップ5

では、演技が下手な理由トップ5を発表します!
- そのタレントの「好感度アップ」ための出演
- ドラマにチャレンジすることの話題づくり
- 演技を追求したいわけではない
- 出演枠の構図
- 視聴者が素晴らしい演技を求めていない
①そのタレントの「好感度アップ」ための出演
色々なものに出演することで顔を世間に覚えてもらえます。
顔を覚えてもらえると、視聴者にとっては自然とその人に会う回数が増えた感覚になります。
つまり、好きになていくのです。
ドラマもその役割のひとつとして捉えられていて、出演者本人もそんな気概かもしれません。
某アイドルでも密かに演技トレーナーを雇い、講師をお願いするところもあるようです。
フランスのベラレーヌシステムが採用されているケースを耳にしました。
しかし訓練を日々積んだきた俳優と、出演決定後の付け焼き刃的な演技レッスンでは雲泥の差。
レギュラーでもなり、毎週顔を世間に見せれるチャンスは、大きいですよね。
その後のCMへの起用へのステップアップになるに違いありません。
そう、目的は演技ではないのです。
②ドラマにチャレンジすることの話題づくり
タレントの話題づくりのひとつとしてドラマが利用されているということ。
演技を追求する理由はないですよね。
俳優をしたいわけではないのですから。
アナウンサーの出演、芸人さんの出演、アイドルの出演、ジュ◯ンボーイコンテスト優勝者など、ですね。
③演技を追求したいわけではない
①②の中に入ってきますが、演技を追求したいわけではない、ということ。
出演をきっかけに演技を追求したくなってトライした人はいると思いますが、俳優になりたい人の動機が「有名になりたい」だったりするのですから、手段と目的が違うということですね。
④出演枠の構図
出演枠の構図はだいたい下記のような状態ではないでしょうか。
民放のゴールデン枠ドラマは、脇はベテランが支え、メインなどはアイドルや新人、タレント・芸人が埋めていく構図。
さて、ここに演技力が素晴らしい俳優が入り込む要素はどこでしょうか?
⑤視聴者が素晴らしい演技を求めていない
やっぱり可愛い、華がある、かっこいいを観たい層に向けたドラマ制作。
視聴者が観たいものを提供して初めて視聴率はあがっていくわけですが、「可愛い、華がある、かっこいい」が観たい層にベクトルが向けられているのです。
しかも、ファンたちも「〇〇の演技は下手だってわかってるけど好きだから観る」といった感想を直接聞いたりします。
うちの姪っ子も某アイドルのファンだったりしますので💦
演技力を視聴者が求めていないかぎり、制作側もそこに重点をおかないのです。
視聴者側に変化があれば変わるかもしれません。
国民的な有名劇団は演技が重要とは思っていないのかも

某有名歌劇団、某有名劇団も歌やダンスや発声はしますが、演技のレッスンに割かれる時間は各自に委ねられていたり、レッスンを受けていません。
レッスンがあっても、歌やダンスの発声の比重からしてもかなり矮小。
卒業後が大変ですよね。
某有名劇団出身の俳優さんの手記では、ご自身でイヴァナ・チャバックの演技レッスンを受けたりしながら頑張っていたようです。
過去に私も某有名歌劇団を卒業した方を舞台で演出(脚本も出演も兼ね)した過去があります。
その際は形の芝居ではなく、リアリズムの演技、新天地を求めてオーディションに参加され、私は彼女の出演を決定しました。
やはり、やっていた土壌の癖が抜けず大変苦労していました。
舞台稽古は2ヶ月半くらいありましたが、その稽古だけで当然なら大味な形芝居から体験の演技に変わるわけではありません。
たくさんのヒントを用意しながら、セッションしながら頑張ってもらいました。
とても努力されたと思います。
他のOGからも聞きましたが、某有名歌劇団におきましても、比重は小さいですが、ベラレーヌシステムを座学などで学んだようではあります。
業界の演技に対する姿勢や認識レベルが低い

私が知る範囲では、この時代に演技が重要だという認識は確実にひろがっています。
デビュー後も、イケメンで仕事をしている方も、実は演技トレーニングを事務所指定の場所でがんばっている人もいるのです。
それが自主的ではないかもしれませんが、自主性から自分で講師を探す時代になってほしいと思っています。
どういうわけか日本の俳優たち、映像で活躍している人たちは、何となくプロと認識され、演技レッスンを受けていることを隠したいようです。
まだ演技レッスンしないとダメなんだ、と思われるのが嫌な様子。
そして、実際にどんなレッスンしたら良いか分からない人も大勢います。
さて、ハリウッドのスターでさえ、専属のアクティングコーチに相談したり、演技レッスンをしたりしているのが当たり前。
しかも、その学び場所を公開したりさえします。
学び続けること、演技トレーニングをする重要性、感覚を磨くことの大切さを認識しています。
プロ野球選手の大谷翔平選手がかなり話題をさらっていますが、彼が努力をしていないのでしょうか?
スポーツ選手はデビューしたからと言って、トレーニングをサボることはありませんし、あくなき追求をしていきます。
秘密のトレーニングがあるなら隠すかもしれません。
そう、隠す理由が違うのです笑
まとめ

日本のテレビドラマの演技が下手な理由、として記載しました。
多くのテレビ業界を敵に回してしまいそうですが、昭和の歴史がずっと根強く残っているということですよね。
軒並みテレビドラマの視聴率が落ちていることが明確な時代。
視聴者も変わってきた証拠。
つまり、視聴者も世界配信のドラマを知って、観るコンテンツが変化したことが原因かもしれません。
視聴者の意識が変化すれば、作品も作風も変わってくると思いますので、これからどんな時代がテレビドラマに起きるか楽しみにしています。
荒波に揉まれながら、素晴らしい俳優になった方もたくさんいらっしゃいます。
そして、舞台をたくさん踏んで俳優として成長した方もたくさんいらっしゃいます。
演技が下手、上手いでは線引きは本当はできませんが、色々な人が混ざって成り立っていると言えます。
日本にも良いドラマがあったし、素晴らしい俳優がいます。
小劇場で活躍している素晴らしい俳優もたくさんいるのです、「視聴者」は知らないだけなのです。
また日本だけがダメといったことでもありません。
海外ドラマでも「ビバリーヒルズ高校白書」は芝居くさいですし、「ツインピークス」のピート役のお爺さんは鼻につくほど芝くささ全開で、海外ドラマが全て演技すごいわけではないですが、これらはそれでも過去のドラマ。
Netflix、AppleTV、Disney+、Amazonプライムの配信ドラマを観る限り、「24 -TWENTY FOUR-」以降はクオリティが上がる一方なのです。
近年の海外出資、日本のドラマも変化してきました。
予算が圧倒的に違うのもあるかもしれません。
それはセットやエキストラ、また俳優に準備段階からギャラを用意できることなどモチベーションが違うこともあるかもしれません。
映像芸術が、今後も素晴らしいクオリティを量産し続けていけるよう願っています。
そして、民放も何かしら変化が起きることを願ってやみません。
その願いを込めて、今回の畢をおきます。
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例えるなら、タレントは、泳ぎ方を教えてもらわずに、荒波の川に投げ落とされ、橋の上から指示され続けている状況。
そして溺れながら必死でもがいているのです。