こんにちは、演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、久しぶりに俳優業を再開する方などに役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて今回は、前回好評でした「俳優になりたいのに一流の演技を観てない人がみるべき映画6選!」の第二弾をご用意しました。
演技のクオリティを私は野球によく例えています。
あなたが目指すのは草野球なのかメジャーリーグなのか?
草野球に憧れて、草野球のプレイヤーを目指していたら、きっと草野球しか見ないのです。
そして、草野球しか知らないままであれば、それ以上を知らないまま野球をプレイしていくことになります。
しかしながら、俳優を志したら、私はできるだけメジャーリーグを観てほしいと思っているのです。草野球に憧れ、しかももっともっと上があることを知ると、きっと野球が好きで向上心があれば草野球に出場したとしても、きっとその視野は広がるでしょう。
もちろん、メジャーリーグに向かって欲しいですが。
つもり、世界中で称賛される素晴らしい演技を知っているのと知らないとでは演技への取り組みや理解に雲泥の差があると言っても過言ではありません。
日本のテレビドラマを超えて、どうか世界の名演技に触れていくこと願っています。
※日本の素晴らしい演技にもどんどん触れて欲しいところです。
メソッドアクティングを勉強しながら、その俳優たちの演技を知らない人がいる

私の経験上からお伝えしますと、俳優・演技に特化した大手の学校であっても、そもそも名演技や名画を観ていない人が過半数をしめる現実があります。
驚きますよね?
はたまたプロの俳優を目指していても、名演技の映画を観ていないなんてことも事務所や養成所であったりします。
驚きませんか?
素晴らしい講師や演技トレーナー、演技コーチのもとメソッドアクティングや、マイケル・チェーホフテクニック、サンフォード・マイズナーテクニック、ステラ・アドラーテクニック、スタニスラフスキーシステムを学んでいるのに、過去にそれらの演技テクニックを世界に知らしめた俳優の演技や、演技トレーニングを培った素晴らしい名演技を観ていない、なんてことが起きています。
信じられますか?
やはり、草野球を超えて、メジャーリーグを観ることで体験して欲しい。
そう願ってやみません。
なぜなら、そこは観ることで学べることは多数。演技や役について発見すること、脚本分析、キャラクター分析につながることがたくさんあるからです。
100歩譲っても、そも目で観て欲しいと願っています。
一流の演技を見ていない人が観るべき映画6選!パート2

観て欲しい名画や名演技は本当に多数存在します。
ここでまた6本に絞ることも至難の業。
有名な作品ばかりじゃないのか、と思われそうですが、それが何か?
知っている人はスルーしてください。
知らない人は是非、ご鑑賞くださいませ。
私は初めて観る人の気持ちが羨ましいほどです。
もう一度、名画や名演技をすっかり忘れて新鮮に観ることができたらどんなに素晴らしいでしょうか。
しかし、何度も観ることでさらに好きになることもありますし、勉強になることが増えることも確かですので、最初を何度も求めてはいられないのでうが・・・そんな気持ちがあることだけは述べておきます。
アメリカンヒストリーX
リチャード・ギア主演の「真実の行方」でデビューしたエドワード・ノートンの至高の演技が堪能できる素晴らしい作品。
白人至上主義の影響を受けた兄役のエドワード・ノートンとそれに憧れる弟役のエドワード・ファーロング。どの俳優も素晴らしいが、肉体や態度の変化、そして弱さを曝け出すまで、その演技は圧巻。
ぜひ、見届けて欲しい演技です。
インターステラー
現在巨匠の域となったクリストファー・ノーラン監督のSF超大作。
この映画を素晴らしいものにしたのは、主演のマシュー・マコノヒーの活躍によるところも大きい。
家族間の交流や、仲間との交流、すべてにおいて真実の演技があり、感応している。
また、役を分析して目的を考えるのも非常に勉強になる作品です。
第86回アカデミー賞主演男優賞を受賞した作品は「ダラス・バイヤーズクラブ」です。
こちらも圧巻ですので是非。
カッコーの巣の上で
若きジャック・ニコルソンの名演技が光る名画。
精神病院で体制に反対し続けるジャック・ニコルソンの行動や態度から発してでてくる感情は、冷や冷やと観るものを体感させていく。目線ひとつ、相手との関わりひとつ、大胆な役なのにとても精細さが滲み出ています。
その他、「アバウト・シュミット」の老人役、「ディパーテッド」のマフィアのボス役など想像の上を凌駕する演技を導き出してくる圧倒的な存在感を持つ俳優のひとりです。
フォール
地上600mの鉄塔にチャレンジする女性クライマー2人が主役の映画。
この凄いところは、まさに女性2人の演技にあります。
この説得力は実際少し高めの場所で撮影したという経緯もありますが、その恐怖の体感演技は、見るものにそのままダイレクトに伝わってくる点です。つまり、嘘をついているのではく、本当にその高さの恐怖と戦っている状態なのです。
こちらも素晴らしい演技共演でした。
ノーウェア:漂流
これはまさに女性の俳優魂が炸裂した映画でした。
キャッチフレーズは「海を漂流する貨物コンテナ。水が漏れ入るその中には1人の女性。使えそうなものは、せいぜい1本のナイフと缶詰程度。そして頼れるのは…自分自身のみ。」
ここ最近の映画の中では、主演のアンナ・カスティーリョの演技が群を抜いています。
体当たり演技なんて言われますが、これを体現して生きている姿は、いろいろなものをリアルに感じさえてくれるだけの説得力がありました。息を呑む瞬間、そして、やっちゃえる姿、すべてを曝け出した素晴らしい演技の連続でした。
ゴースト/ニューヨークの幻
こちらは1991年の映画「ゴースト・ニューヨークの幻」ですが、ウーピー・ゴールドバーグを世界中に知らしめた名画です。
ファンタジーな物語ですが、詐欺の霊媒師が本当の霊媒師の役割を担っていく役柄を演じたウーピー・ゴールドバーグの演技は嘘なく本気で生きた姿に笑わせられます。
コメディをコメディ演技というジャンルでくくってしまったら起こりえない数々の名演技がここにあります。
本気で生きて、本気で誤魔化して、バレないように頑張って、お金に目がなくて、などなど人前で通常恥ずかしくてなかなかオープンにできない姿を平然とその世界で晒しています。
その面白さったらない!
その後の主演映画「天使にラブソングを」もずば抜けたオープンな演技を見せてくれます。
美男美女ばかりを主役と助演におく日本映画では、到底辿り着けないキャスティングと映画ではないでしょうか?
番外編、名演技と話題性が光るNetflixドラマを1つ
このNetflixドラマ「私のトナカイちゃん」は、実話をもとにしたドラマです。
バーで優しくした太った女性からストーカーとしてつきまとわられ精神的に追い詰められていくコメディアン志望の主役。
なんと、実話ながら、その経験を伝えたことで有名なったコメディアンのドニー・ドン 役を、本人(リチャード・ガッド)が主演をしているところもまた凄い点。決して、同情を誘うものではなく、むしろ内面を掘り下げた演出と脚本、そして経験をそのまま体現していく本人の演技は圧巻。
さらに、ストーカーとなったマーサ役のジェシカ・ガニングも素晴らしい演技。
嫉妬や怒り、本人にとっては正当化された行動や傲慢さ、弱みに漬け込む力、どれをとってもオープンで素晴らしい演技。
果たして、ここまで曝け出せる日本の女性の俳優がいるでしょうか?
私は現在のところ見当たりません。
※このドラマの影響で、実際のストーカーとなった女性が本人を特定され損害賠償を訴えている事態となっています。
まとめ

数え上げたらきりのない名演技の数々。
素晴らしい映画の数々。
90年代、80年代に生まれた名演技・名画を、現在はなかなか観る機会が減ってきているのではないでしょうか。
私個人的には、名演技や名画は何度も何度も見ることで、見るものの血と肉になっていくようなものがあります。
その影響は演技だけでなく脚本家としても生かされています。
劇団を立ち上げた時、映画の話が通じなくてびっくりした記憶もありますし、短編映画を監督した際も、カメラマンが映画を全然知らなかったことも衝撃でした。
忙しい中でも、是非、おすすめの映画や共演者と関わる場合は、その作品に関わる映画は観ておいて欲しいところです。
今や世界配信のサブスクが増えたため新作映画、新作ドラマがどんどん次から次へとうまれてきます。どんどん生まれてはすぐに消えていく現象といっても過言ではありません。
この先、残っていく名画とはどんなものになるのか実は想像ができません。
新しいものにどんどん興味を持つ人間の習性をうまく利用し、一度観た映画を何度も鑑賞するよりも、次の新しい映画に目がいってしまうシステムに心理的になかなか勝てない状態。
アルゴリズムでススメてくる映画にも惹かれますよね。
私たちは、ひとつの映画をじっくりと何度も観る機会が減ってきました。
私が言いたいことは、何度も観ることで糧になる演技や映画はたくさんあります、ということです。
つまり、映画もまた反復から学びが多いということなのです。
ご紹介できる限り、これからもしていきますが、ぜひご自分でも演技の素晴らしい俳優の出演映画から映画を探していくこともおすすめです。
また、どこで演技を学んだかを調べて、そこの出身者の出演映画を追いかけることもありですね。
探し方は色々です。
日本映画もまた紹介したいと思っています。
お楽しみに。































