言葉で伝えにくい演技の本質を、理論的に言語化していきます。
当ブログは、『日本の俳優のレベルを底上げする』
というモットーのもと、
リアリズムの演技方法や演技についての悩みに答え、
演技のツールを人生に役立てる方法を提供します。
こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。
人前で話すとき、あなたはどんな症状に悩まされていますか?
「声が震える」
「手が震える」
「赤面する」
これらは多くの人が抱える「あがり症」の症状ですが、もっと対話することが困難になりかねないような状態を示すサインがあります。
それは、
「声が出ない」
「言葉に詰まる」
「頭が真っ白になりフリーズする」
といった状態です。
この状態は、あなたの心がパニックを起こし、心と体が完全にロック(堰き止められて)されていることを示しています。(感情が堰き止められることを以降、ロックと表現していきます)
しかし、このロックはあなたの「心の弱さ」から来ているわけではありません。
むしろ、幼少期からあなたが自分を守るために築き上げたお城なのです。
言い方を変えると、要塞です。
その要塞は何かというと、「感情のエネルギーが奥深くに閉じ込められた状態」の結果なのです。
このロックを解除しなければ、どんなに素晴らしい話し方や人前での対応テクニックを学んでも、人前で力を発揮することは難しいかもしれません。
この記事では、あなたの感情がロックされているサインと、その根本原因を解説します。
そして、俳優が演技トレーニングで実践する「ロック解除」のヒントを提示し、あなたに最適な解放の道を見つけるためのお手伝いになればと考えています。
「声が出ない」「言葉に詰まる」「頭が真っ白になりフリーズする」という症状がもしもあなたにあるのであれば、ぜひわたしが用意した「呼吸が浅くなる度診断」(無料)をお試しください。
呼吸が浅くなるというのは、結果的に上記で示した状態をあなたの中に生み出している原因のひとつとなるからです。
俳優になりたいといって、演技ワークショップや演技スクールにくる人の中にだって、こういった状態の方は散見されます。
ご自身で、自分の状態を発見し、認識してゆっくりと変化していく過程を見てきました。
もちろん、逆もしかりです。
ぜひ最後まで読んで、ロックやフリーズの原因を理論的に理解し、あなた自身の持つエネルギーを取り戻すきっかけを見つけてください。

あなたの感情がロックされる3つのサイン

わたしは、感情は大きくわけて3層になっていることをイメージして伝えています。(図を参照)
あなたの感情のエネルギーが奥深くの3層目(潜在意識)に閉じ込められ、ロックがかかっているかどうかは、日頃のちょっとした習慣に現れています。
サイン1:対話中に「普通です」「別に」を多用する
たとえば、相手と話しているときに、「楽しかった?」「どう感じた?」という質問に対して、「え、別に普通です」と答える習慣がついていませんか?
「普通です」という言葉は、実は「これ以上、自分の本音に触れないでください」という心のサインです。
本音を言う危険性を無意識に感じ、会話を早く終わらせるために、自分の「快」や「不快」をスルーする習慣がついてしまっている可能性があります。
関わることが面倒ということもあるでしょう。
こういった習慣こそが、あなたの感受性のパイプを閉ざし、いざ演技やスピーチで本物の感情を使おうとしたときに、何も出てこない「フリーズ」状態を引き起こす要因となり得るのです。
サイン2:体の力が抜けない箇所が体にある(無意識です)
感情がロックされると、そのエネルギーは特定の部分に蓄積されます。
特に、肩、顎、喉、背中、腰、拳といった「声を出す」「対話をする」ために重要な場所が、慢性的に硬直していることがあります。
この硬直は、無意識のうちに「声を出すと、何かまずいことが起きる」と体が記憶しているサインです。
力が入ったままの体では、呼吸が通り道を見失い、結果として声が震えたり、詰まったりすることに直結します。
あなたの体が常に「何か良くないことが起きるかも」という構えとして慢性的な「戦闘態勢」にある状態、これこそが感情を堰き止めようとしているといえます。
サイン3:感情の「快」と「不快」を覚えていないし無頓着である
あなたは日常で、自分が「本当にどう感じたか」「どう思ったか」を認識する習慣を持っていますか?
「朝食べたパンは美味しかったか?」「満員電車でイラッとしたか?」
些細なことでも、「これは快」「これは不快」と無意識に蓄積されているわたしたち心体は、いちいち感度を開くことを慣れでやめてしまいます。
そんな些細なことでも俳優は認識していく力を五感を使って養っていくのですが、それは生命を取り戻すことに近い行為だとわたしは感じています。
そういった「快」「不快」を自覚することを些細なものから比較的大きなものまで避けている場合、あなたの感受性は鈍化しているかもしれません。
親切にされたに喜べない、プレゼントをもらったのに嬉しいと感じない(どう反応したらいいか考えてしまう)など。
これは、感情の最深部、3層目のエネルギーに繋がるパイプをあなた自身が閉ざしている状態といえます。
感じたことをいちいち気にしないようにする習慣は、一時的には楽ですが、結果的にあなたを「何も感じない」フリーズ状態へと導いてしまうのです。

感情のロックと「浅い呼吸」の危険な関係

俳優は、感情を声に出すとき、その感情のエネルギーを息(呼吸)に乗せて放出します。感情のバイブレーションが、声という音色に乗って外の世界へと出ていくのです。
しかし、感情にロックがかかると、そのプロセスは根本から崩れます。
【ロックが呼吸を止めるメカニズム】
あなたが「本音を出すと危ない」と無意識に判断すると、体は身を守るために瞬時に硬直します。この硬直は、あなたの呼吸を浅くし、最終的には止めてしまいます。
俳優が本物の感情が動いた時に、出ずらいために結局、形で演技をしてしまう結果になってしまう要因のひとつです。
いくら目的に向かって行動しても、いくら相手と関わっても、長年培った筋肉の硬直は反射的にあたなを縛ってしまいます。
まるで、重りをつけたまま水の中を歩くようなもの。
それは、言葉通り、あなたは「息が詰まっている」状態。
溜まった息は、交換しないままのお風呂の水のように、心と体を腐らせていくのと同様に、溜め込んだ感情はあなたの心体を蝕んでいくようなもの。
感情は放出されたがっているエネルギーです。
呼吸が浅い状態は、感情の放出を妨げる心の防波堤そのものと考えるとスムーズに理解できると思います。
【フリーズの悪循環】
「息が詰まる」状態では、あなたがどれほど頭の中で完璧なスピーチを準備しても、声と体に繋がらないため、言葉として出てきません。
むしろ、その状態でスピーチをしていたとしたら、内情やあなたの主観的な感覚が入って来ないスピーチに、聴く側はAIと話している気持ちになるレベルかもしれません。
あなたから心情が伴った音色が出てこないということは、結果、さらに理性で考えたり、その不安を感じないようにしようとしたり、心体的にどうしていいか分からず行動を止めたり、という悪循環に陥ってしまうのです。
この悪循環を断ち切るには、テクニックではなく、まずあなたの心体のロックを「ゆるめ」、呼吸の通り道を開くことが不可欠なのです。
それはまるで、道なき道を、何度も踏み鳴らして道にしていく作業に似ています。
なぜ「根性論」や「練習量」ではロックが解除されないのか

あなたはきっと、この悩みを解決するために、「もっと頑張らなければ」「もっと練習しなければ」と、自分を追い込んできたはずです。
しかし、その「根性論」「努力論」こそが、実はロックをさらに強固にしている可能性があります。
「心の防波堤」は理性で築かれている。
私たちが感情を抑え込み、心の3層目に蓋をしたのは、親や社会から「愛されないと生きていけない」という強い動機に基づいた、あなた自身の優秀な理性による判断でもあります。
「弱さを見せてはいけない」
「泣くのは大人としてカッコ悪い」
この理性によって築かれた「心の防波堤」を、力や根性でこじ開けようとすればどうなるでしょうか?
理性は、「危険が迫っている」と判断し、さらに強固な蓋をあなたにかぶせてしまいます。
なぜなら身の危険を感じて蓋をしてきたのですから、反射的にそうなってしまうのです。
つまり、あなたが頑張って理性を取り除こう練習すればするほど、ロックは固くなり、「声が出ない」「フリーズする」という症状は悪化してしまうことさえあるのです。
理性は取り除くことはできません。
必要なことでです。
しかし、「大丈夫だよ」と理性に伝えながら、弱めていくことはできます。
俳優メソッドでは、無理やり感情を出すことを教えません。
(泣いてください、笑ってください、といった子役に要求する教室をわたしは危惧しています)
必要なのは、力で蓋をこじ開けることではなく、リラクゼーション(弛緩)によって、心体の緊張を「ゆるめ」、理性にゆっくりと認識してもらうように、そっと蓋を緩めていくことなのです。
感情のロックを外すための最初の「ゆるめる」ステップ

感情のロック解除は、一朝一夕にはいきません。
しかし、日常の中でロックを「ゆるめる」習慣をつけることで、あなたの心体は徐々に感受性を取り戻していきます。
まずは、日常で以下の3つのステップを意識してみてください。
心身のロックを外すための第一歩は、あなたが最も力の入りやすい場所(たとえば肩・顎・喉など)の力を抜くことです。
実践: 毎日決まった時間(朝の歯磨き中や夜の入浴中など)に3分間、「顎の力を意識的に抜き、少し口を開けてみる」「肩をストンと落とす」ことに集中してください。
ポイント: 「力を入れる」のではなく、「力を抜く」ことを意識的に行うことで、体が持つ長年の緊張を徐々に手放していきます。
イラッとしたり、嫌なことがあったりしたとき、その感情を言葉にして誰かに伝える必要はありません。大切なのは、そのエネルギーを体内に留めないことです。
実践: 誰もいない場所で、感情を「言葉」ではなく「音」として外に出します。深いため息と一緒に、「はぁああああ」という言葉にならない音や、短い「うわ!」といった声を、感情を乗せて吐き出してみてください。
ポイント: 感情は呼吸に乗って外に出たがっています。ため息は、文字通り「溜まった息」を出す行為であり、これを習慣化することが、理性のロックを回避する最も簡単な方法です。
あなたの感情を「良い・悪い」で評価することを手放します。これが、玉ねぎの皮のように何重にも覆った理性的な蓋を剥がす作業の入口です。
実践: 感情が湧き上がったら、「私は今、怒っているな」「私は今、寂しいと感じているな」と、まるで他人事のように客観的に認識する習慣をつけてください。
ポイント: 「なぜ怒っているんだろう?」と理由を分析する必要はありません。「感じている」という事実を認めること。これが、あなたの3層目の本音を受け入れるための最初のオープンナップとなります。
【無料診断】あなたの「感情ロック度」をチェックしてみませんか?

ここまで読んでくださったあなたは、自分の「感情のロック」の一因を理解し始めたはずです。
理解と実感はまた別物。
あなたの「呼吸の浅さ」レベルから、現在の「感情ロック度」を数字に置き換えてみる設問に答えてみることをお勧めします。
それは指標に過ぎませんが、それを知ることで、自分の状態を実感することで、より何をすべきかが明確になってきます。
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まとめ

人前で「声が出ない」「頭が真っ白」になるのは、あなたが自分を守るために、感情のエネルギーを奥深くにロックしてしまった結果です。
このロックを解除するには、根性論ではなく、「ゆるめる習慣」が必要です。
- 力を抜く場所を意識的に作る。
- 感情を言葉にせず、ため息や音として放出する。
- 感情を評価せず、客観的に認める。
これらの小さな習慣から、あなたの心と体の楽器は響きを取り戻し始めます。
まずは診断で現状を知ることから始めるのが、最も安全で効果的な方法です。
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本記事が、結婚相談所naco-do様のコラムにて、緊張やあがり症対策の参考記事として紹介されました。























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