こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、今回は「ひとりよがりの演技」について。
漢字を入れて「独りよがり」と書くと、その意味合いが強くなりますよね。
これまで、あなたは演技をして
と言われたことがありますか?
もしも言われたことがあったり、それに近いことを言われたことがあるのでしたら、この記事がその意味の本質からぜひ考えてもらるきかっけになればと思います。
まず、「独りよがりの演技」とは何なのか、簡潔に述べたいと思います。
「独りよがりの演技」とは、相手がいなくてもできてしまう演技のこと、
です。
独りよがりの演技ってどんな演技?相手がいなくてもできてしまう演技とは?


もっと相手を見て!
会話して!
独りでやってんじゃないんだよ!
などなど言われたりして、「そんなつもりないのに」と思ったことはありませんか?
基本的に、演技の中のシーンは独りだけで完結することはありません。
実はモノローグ(独白)ですら、そうだったりします。
今はモノローグ(独白)のことは一旦脇においておきますね。
特に2人以上登場しているシーンにおいては、対話があってのシーンなのです。
お互い無言だとしても!なのですね。
この中で、「相手と関わらない」ということは、相手がいてもいなくても関係のないことを意味してしまいます。
そうなった場合に、「独りよがりの演技」と言えるのです。
独りよがりの演技ってどんな演技?メソッド演技がそう思われてしまった過去

過去にメソッド演技(メソッドアクティング)が独りよがりの演技と言われたことがあったようです。
それは自分の感情に酔っているだとか、感情に溺れているなどと言われたのです。
自分を解放し、感情が自然に放出してくるようになると、その感情が溢れている自分に満足している状態の俳優がいたということだったと思います。
しかし、今もまだ、「演技で泣けるか!」「泣ける演技がすごい」「泣ける演技が上手い」などと、「泣ける」ということに関して賞賛される風潮が残っているのが原因かもしれません。
それが良い俳優の証だと。
そんなことってある?
あるわけがないのです笑
一生懸命に過去の痛みを思い出し、その思い出に浸って涙を頑張って流して、その涙を見せることで俳優自身が心の中で「良し出た」となってしまうことが、独りよがりの演技の原因でもあります。
感情解放だけができたことで「良し」として終わっている状態と言えるのです。
一時期、リー・ストラスバーグが提唱した、過去の体験を思い出して演技することこそが「メソッド演技」であると、誤った認識で広がっていった経緯があるのかと思います。
演技トレーニングの鬼であった彼が、色々な試行錯誤の中のひとつに、過去のトラウマを感情準備に使用することを提案して生かす方法で生きた演技をする方法として世に出したことは事実。
しかし、それを独りよがりの演技としてしまったのは、シーンの中に生きた演技として反映させる方法を知らなかった俳優が目についたことが誤解を発生させた要因ではないでしょうか。
※「すぐ泣けるがいい演技か?間違った演技の求められ方と応え方」
名優マーロン・ブランドの演技が独りよがりでしたか?
「欲望という名の電車」「波止場」など。
ぜひ、出演映画を見てください。
名優ジェームズ・ディーンの演技が独りよがりでしたか?
「エデンの東」「理由なき反抗」「ジャイアンツ」。
ぜひ、出演映画を見てください。
名優アル・パチーノの演技が独りよがりでしたでしょうか?
その演技の結果を見れば、まったくの誤解だということが分かりますよね?
独りよがりの演技ってどんな演技?それは相手に関わっていない演技

2人以上いるシーンにおいて、気をつけなければならないのは、そこにいる人はあなたにとってとても重要であるということなのです。
相手にしない、という選択肢は基本的にありません。
台詞があなたになくても、あなたがそのシーンで「相手にどうして欲しいのか?」という目的によって自然に関わっているのです。
居て欲しくない相手であれば、「出て行かせる」という目的かもしれません。
しかし、相手が他人で触れることができないのであればそれを相手に感じさせるための位置にいるでしょう。
気づかれて逆ギレが怖いと警戒しているのでしたら、それを障害として相手に見えない位置で相手に関わりながら「出て行かせる」をほんのりと気配に込めるでしょう。
あなたの役が、たとえ感情を爆発させる、号泣するといった時でさえ、
その相手を無視するのではなく
相手に影響されてのことであるため
「相手にどうして欲しいか?」という目的で関わり続けるのです。
その場に居て欲しくないなら、出て行かせようとするかもしれません。
或いは自分から相手から距離を取るかもしれません。
そうされた相手は、あなたに感応して違う行動を取るかもしれません。
その連続です。
相手との関わりと行動の連続。
そしてその演技トレーニングが、レペテションであり、インディペンデントアクティビティ(IA)なのです。
独りよがりの演技ってどんな演技?-まとめ-

もし、あなたが、台本を読んで
役の気持ちを考えて
台詞を覚えて
言い方を考えて
どう反応するかを考えて
演技をする。
その演技は、独りよがりの演技なのです。
まとめです。
もし上記の演技思考であれば、それもまた、あなたの独りよがりの演技なのです。
意外と初心者や上記の演技のクオリティを上げた俳優は多いのです。
私がメソッド視点で演出をした際に、
「まさか自分が独りよがりの演技をしていたなんて!」と本人も思ったりします。
自覚がないんです。
養成所でさえ、このような指導がある場所があるこを知ってください。
世界の俳優との差が愕然と生まれる温床になりかねません。
ぜひ、レペテショントレーニングや目的を使って演技トレーニングをする場所へ向かってください。
そう思うばかりです。
相手と感応する、対話する、その状態で演技すること。
あなたが過去の記憶から感情を燃えがらせたとしても、そのまま相手と感応し対話していければ、独りよがりでなくなります。
感情放出だけに終わらず、目的を持って行動しましょう。
ぜひ、実践してみてください。






















お前の演技は独りよがりだ!