こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、今回は【中級編】ということで、「演技とは行動すること」について。
あなたは、これまでの記事を読んで、10日間無料演技講座を受講して、取り組み方の全体像がわかってきた感覚はありますか?
演技の基礎、シーンの目的を考え、ビートに区切って目的に向かうこともわかってきた感覚はありますか?。
さて、考え方がわかってきたら次のステップ。
何人もの生徒や俳優たちをみてきて、ほとんどの方が一度ぶつかります。
どう動いていいかわからない。
という状態。
頭で理解しようとしていて、実際に動けない方や一方的な行動をしてしまう方が非常に多いのが現状。
演技の基礎、理論を理解したうえで、それをしっかりと体験して演技していく方法を身につけていく必要があります。
演技の中で行動ができる人と、ブレーキがかかり行動がきない人といます。
その違いはなんでしょうか?
それを明確にすることで、あなたは行動していける俳優になれる可能性が格段にアップします。
既に、あなたが俳優として目的に向かいながら行動し、障害を受け取り、心をその場の反応に合わせて動いていくような状態であれば不要ですね。
演技で行動できない時に、行動するきっかけをつかむ方法。
こたえは、自分にあります。
①「演技とは行動することである」だが、行動できない理由を自覚する

日常、私たちの多くは受動的に生活しています。
仕事でも積極的に動けば、逆に仕事が増える。
人を誘えば、それだけ自分の時間がなくなる。
あなたにはあなたの日常のルーティーンがあり、できればそのルーティーンを壊したくない。
人と関われば、ルーティーンは崩れ、お金は出ていき、それだけ面倒なことなのです。
親友や友人とはそんなことはないかもしれません。
知り合いや、仕事関係だと、できるだけ受動的になっているのではないでしょうか。
そうでもない、という方もいると思います。
仕事仲間や知り合ったばかりでも積極的に出かけていき、いろいろな方と出会い、話込み、終電を逃しても、話し込み楽しむ力。
そうやって行動できる方もいます。
でも、いざ演技となるとできなかったりします。
それは無意識の行動であり、いざ演技となるとさっと社会性が働いてしまうのです。
当然ながら、自分を守るためですのそれで良いのです。
そんなことない、どんどん人と関わっています、というなら全然良いです。
それをそのまま積極的に演技の行動にも生かしてください。
あなたは、行動できる人なのですから。
さて、演技でいざ行動する際に、動ける人と動けない人との差は、その日常のスタンスにもよっても全然違ってしまいます。
また、演技と自分を離して考えてしまう方は、結局、受動的になってしまう可能性があります。
これは、普段積極的に行動する人に多い症状。
まずはその状態の自分を自覚しましょう。
演技はあなた自身をしっかり使うことで可能なこと。
演技の時にでるブレーキは、相手への遠慮、自分自身への他人と接する際の倫理・道徳・美学・かっこよさ、かっこ悪さの思い込みや刷り込みが関係しています。
もっといえば、潜在意識の中で、他人との関わりに対して強い恐怖心を抱えてしまっている方だっています。
それを知って、「演技では別に気にしなくていいんだ」と自分に許可していくことを習慣にしていきましょう。
急に解放されはしません。
まずは、自分をまず安心させてあげること。
それを繰り返していってください。
演技の中では、人間関係は面倒ですが物語の中だけのこと。
終わってしまえば面倒ではありません。
逆に安心して、行動に起こしていける一歩に繋がります。
②目的や動機や障害を自分ごとにすること

脚本分析、台本読解をして、「こういうことなか」とあなたが役の目的や動機などを解釈していきます。
その中で、あなたが役から見つけたものを、あなた自身のこととして捉えていく必要があるのです。
そうでなければ、他人事。
だから、自分ごとにしていく必要があります。
これが実は難しいところでもあるんです。
受動的な生活スタイルでしたら、それこそ自分ごとにしてもあまり動いたことがないのですから行動が見えません。
ましてや経験したことないものばかり、どうしたら?と迷ってしまうのです。
あなたは自ら人に告白した行動をとったことはありますか?
いじめられれいる人を助けたことはありますか?
逆に、いじめたことはありますか?
同情をかって、思いどおりにことを進めたことがありますか?
人を抑圧して自分の意思を優先させようとしたことはありますか?
できなかったことだとしても、演技ではできるのです。
告白できるのです。
いじめられっ子を助けることができるのです。
自分ごとにしたら。
③まずは「共感」から始める

今回は、あなたがいじめられっ子を助ける役だとします。
いじめられている子があなたの友人Aだとします。
いじめているグループのトップB君が、あなたより遥かに腕力が強い、体格も良いとしてみてください。
かたや、あなたはそんなに体格も良くなく、どちらかというと貧弱な生徒。
クラス全員が黙認またはいじめに加担していて、先生も見て見ぬふりだという前提の状況をつけますね。
シーンは、日常的にグループにいじめられている友人Aが、Bにこつかれて嫌がらせを受けているのをあなたが目撃したとします。
友人Aがあなたをチラッと見た。
そして、あなたは一瞬迷ったあげく、グループに止めに入った。
B「なんだ、お前どけや!」
さて、あなたはどんな行動が取れますか?
この役の勇気は、いかほどのものだったでしょうか。
映画やドラマで逆転する人間ドラマを見たことがあるのではないでしょうか。
弱かった人が弱くても戦う姿、打ちのめされても何度でも立ち向かう姿。
とても心が打たれます。
ついついそれをイメージして行動をとってしまいがち。
だって、かっこいいから。(動機が遠い存在のままそれをしてしまうからです)
まずは、この役が友人Aを助けにいくという行動にどれほどの「共感」を感じ得るかを考えてほしいのです。
ヒーローをイメージして飛び込んだら、それは人間理解をすっとばしイメージで演技してしまうのです。
本当は助けたいという「共感」をあなたが感じたのであれば、次にこの役が行動した勇気は、あなたが何をするくらいの勇気に相当するか考えてください。
これが自分ごとに変えていく方法です。
③役と自分との溝を埋めていく

自分ごとにするためには、役の状況が自分にとってどれほどのことに相当するのかを知ることです。
先の例で、いじめられている友人Aを助けることは簡単にできそうですか?
その勇気は、あなたのどの程度の勇気に匹敵しているでしょうか?
自問自答してみてください。
たとえば私でしたら、高いところが意外と苦手です・・・(観覧車でも意外と怖いっていうレベル)。
そんな私が、バンジージャンプをするくらいの勇気だとしたら?
でも、バンジージャンプはしたことがありませんので、実感として勇気レベルが湧きません。
もっと現実的に考えると、USJのハリウッドドリームザライドに乗る勇気に匹敵・・・とすると実感が湧きます。
しかし、それは遊びの中のことですので、もっともっと探してみます。
私の経験から引っ張り出すと、遡ること20年近く前。
私の作・演出の舞台本番の前日で事故にあった時のこと。
私のせいで公演中止になってしまうと感じた感覚に等しいかもしれません。
公演を潰しかねない状況に自らが追いやってしまうことの恐怖。
役にとっての助ける勇気は、私にとっての公演を中止しないため骨折してもやろうとした行動に匹敵するのではないか、といった視点です。
これが役の視点で世界を見ることにつながるのです。
④障害と動機を自分にとって葛藤を与えるものにすること

すぐに友人Aを助けにいけない役にとっての障害は、自分にとってどんな障害に該当するだろうか?
次にこんな疑問に向き合っていくのです。
今度は障害です。
葛藤を生む大きな要素ですね。
そして、その障害を超えてまで行動する理由が必要なのです。
どうしてもそうしたい動機とは?
友人Aを助けたら、今度は自分がいじめられる可能性があがることも障害。
Bの物理的な暴力の痛みが怖いことも障害。
今後、学校に行けなくなるかもしれないことも障害。
自分にいじめが回ってくると、親に言えない秘密が増えてしまうことも障害。
それらを超えて助けに行くほどの理由・動機がここの役にあったということ。
それでもそうしないといけない理由は、あなたの何に匹敵しそうですか?
それが役目線で世界を見ることになります。
私にとっても公演を中止にしてなるものか、という動機がありました。
興行はチケット収入のみでしたので、公演前日に公演できないとなるとあらゆる費用を回収できないまま、作品は公にならないまま終わる、絶対避けたい状況。
あばらの骨折により、動きたいように動けない状況でしたが、それでも公演を成功させたいと思うほどの動機があったのです。
とすると、この役の視点で見ると、私のそれと同じくらいの動機があったのではないか?
と思えてくるのです。
とすると、助けるというのは自分の未来、あるいは使命のためでもあるのかもしれない。
逃げる勇気、逃げたあとの自分の恥ずかしさよりも、胸を張って生きれることを選ぶとはこういうことかもしれない!
そんな発想が生まれてくるかもしれません。
自分のことのように見えてくると、もう動き出してきそうになりませんか?
⑤理論・机上の空論をこえて、まずはやってみること

恐らく、想像して頭の中で考えただけでは体は動いてくれません。
あなたに役と同じような経験がないのであれば、なおさらです。
強く言ったら、相手はこう返ってくるから、役はこう動くはずだ。
そんなふうに理論的に考えないように注意してください。
「〜〜はなずだ」と思って演技しても、そうなるかなんて分からないのです。
目的がしっかりしてれば、どんな返しがきても、目的達成のための障害として受け取りながら次の行動が生まれるようになります。
そして、自宅でも人形を相手に、実際に動機をしっかりともって行動してみるといろんな発見があると思います。
理論よりも、実際に練習でもやってみるが1番良いです。
ぜひ、試してみてください。
演技で目的に向かって行動できない!?そんな時の解決方法5STEP!ーまとめー

今回は【中級者向け】としました。
それは「演技とは行動すること」という認識を持っていることが前提にあるからです。
また、認識していても実際になかなか・・・思っていても行動できない。
そんな方に向けての内容となりました。
まとめてみます。
①「演技とは行動することである」だが、行動できない理由を自覚する自分ごとにしていく方法
②目的や動機や障害を自分ごとにすること
③役と自分との溝を埋めていく
④障害と動機をを自分にとって葛藤を与えるものにすること
⑤理論・机上の空論をこえて、まずはやってみること
行動できないからといって、不安になることはありません。
ほとんどの方が同じです。
そして、動かざるを得ないほどの自分の動機を見つけること。
それから試していくことです。
脚本上で起きてることを、たいしたことのないことの事象のように当てはめないでください。
脚本の中の世界は凝縮された世界です。
なんともないことのようにあなたが想像したとしても、中身は詰まっているのです。
あなたに心が動く動機を必ず見つけて、役の目線に立ってみましょう。
それが、役と結びついた時、演技は生き生きとしたものに変わります。
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📎演技(Acting)とは、役の目的に向かって行動(Doing)することである!
📎あなたは演技で遠慮なくビンタができますか?演技であなたが行動できない理由