体を開いて広げることは、心を開くことと連動している(マイケル・チェーホフテクニック)

体を開いて広げることは、心を開くことと連動している(マイケル・チェーホメソッド)

こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、久しぶりに俳優業を再開する方などに役立ててもらえたらと考えています。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

さて、今回は、体を開くことについて。
体を開く・広げるトレーニングを演技トレーニングでは基本としてやります。

私が指定するメソッドの演技トレーニングの流れで言いますと、

  1. リラクゼーショントレーニング
  2. ワイドブロードムーブメント
  3. レペテション

と続いていきますが、順番として2番目に体験してもらうトレーニングに当たります。

体を開く・広げる演技トレーニングのことを
上記の②で、ワイド・ブロード・ムーブメントと記載しました。
これは、まさに体を開いて広げるために開発された演技トレーニングなのです。

心と体が繋がっていること(俳優が、呼吸と体と心の繋がりを認識する重要性とは?)や、
柔軟・ストレッチの重要性をお伝えした記事(演技の練習って何をすればいいの?一人でできること、それは柔軟です)もぜひご参照ください。

演技トレーニングのワイド・ブロード・ムーブメントとは?

演技トレーニングのワイド・ブロード・ムーブメントとは、
ロシアの俳優マイケル・チェーホフが発案した演技トレーニングです。
既に100年くらいの歴史があるものになりますね。

体を開くということは、心も開放されることを意味します。
試しに胸を開くようにして腕を広げて首も後ろに逸らして、大きく深呼吸をしてみてください。

どうでしょうか?

それだけで、少しスッキリした気持ち、或いは開けたような感覚がありませんか?
この深呼吸をゆっくりと1日に数回していくだけでも、体は変化するくらいです。

アクビをするときに大きく口を開けて呼吸をすると思います。
それは酸素を多く取り込み、脳を目覚めさせる目的で体が反応しているのです。

逆に、口と顎を開いて大きく呼吸すると、同じように酸素がたくさん入りアクビをしたように脳内を目覚めさせることができます。
つまり、行動を先にしたことで得られるということ。

同じように、体を意図的に大きく開くことで、あなたの体を目覚めさせる目的があるのです。

マイケル・チェーホフ・メソッド(テクニック)

マイケル・チェーホフのメソッド(テクニック)の中で、日本のメソッド・アクティングの第一人者であるゼン・ヒラノ氏がそれを翻訳する形で「演技者へ」という本を出しています。

メソッド・アクティングの演技は「形のない演技」。
しかしながら、このワイド・ブロード・ムーブメントは形があります。

体は、そのポーズによって内面的変化を起こさせるものがあります。
また、その動作(Acting)によって、体と心が繋がり反応するものがたくさん存在しているのです。

心を開いていくには、まずは体を開くと、心と体は繋がるためオープンナップに繋がっていきます。
これは理論上ではなく、私たちの体はそうなっているのです。

下を向いて、気持ちを前向きに歌うことができないように、上を向けば、気持ちを前向きに歌うことができるのです。

体は多くのことを知っています。
それを発見すると共に、窮屈な体の使い方しか日常していない中で、意図的に広げることで身体と心のバランスが取れていくといっても過言ではありません。

これまで何人もみてきましたが、その効果は絶大です。
私個人としても、その体験をし続けています。

アクティング・コーチとしても、ゼン・ヒラノ氏が基本のポーズを5つに集約したものをベースにやっています。

その他、サイコロジカル・ジェスチャーという役の核を見つけるポーズを発見するアプローチにも繋がっていきます。
それはまた後術しますね。

あなたの中の様式美を目覚めさせるかもしれない

メソッド・アクティングの演技は「形のない演技」。
しかしながら、このワイド・ブロード・ムーブメントは形があります。

と述べましたが、この形(形作るという行動から生まれる心の動き)を追求する重要な目的がもうひとつあります。

それは様式美。
すなわち、「美」の感覚です。

姿勢や必要な身体、筋肉を使用する美しさの形を、体から知っていることはとても重要です。
俳優は、アーティスト。

太っていようが、痩せていようが、身長が高かろうが、低かろうが、その身体が「美」の感覚を捉えているかどうかで、自然感覚で美しさを内包したActorとしての行動かどうかが変わってきます。

それはカッコつけるのとは違い、身体が知っている「美」に基づいたものと言っても過言ではありません。

俳優は楽器、閉じた体で響かない

日常の生活圏の中で使われている私たちの体の部位や運動量というものは、かなり限定されています。
特に現代人は運動不足が否めません。
時には30代で肩から上に腕が上がらない人も出てくるくらいなのです。
スマホを見る習慣から、体はさらに前のめりな習慣になっているかもしれません。

あなたは大丈夫でしょうか?

自分でランニングや筋トレや水泳を取り入れたりしている人もいると思いますが、
狩猟時代から生きてきた人間の体の多くは、現在眠っているといっても過言ではありません。

呼吸と心と体が繋がっていることを私たちは既に学びました。

ということは、その体が錆びついていたり、体が動かないといったことは大きな問題です。
感情の川という流れがあるとすれば、ダムをいっぱい作っているに等しいのです。
それって、健康問題ですね。

まとめ

あなたが俳優を志し、或いは現在俳優でいることの中で、筋トレをしている方も多いかもしれません。
シャツを脱いでマッチョな姿を見せたい気持ちもあると思います。

しかし、それは「美」の感覚とは違うのです。
内面からくる美ではなく、鎧としてのもの。
つまり、人目を気にしたり、弱く見られたくない、強いと思われたい、舐められたくない、といった意思表示なのです。

マイケル・チェーホフが言っている「美」とは、動作からのポーズの一連の中で、あなたが見つける最高の形なのです。
あなたのその体だからこそ、たどり着いた形の美しさ。
あなたが、内面から自信を持っていられることであり、外部を気にしたものではありません。

俳優とは、自分を晒す仕事ですので、カッコよく見られたい人が多いのも事実。
そこには外部の目や比較が存在しています。

ライバルを感じるのは悪くはありません。
しかし、外見チェックばかりに追われないようにしたいところ。

結論!
あなたが俳優としてのアーティストだとすれば、誰かと比較することなく自分の楽器を磨いていくだけです。

つまり、あなたがやるべきことは、
筋肉や心の鎧をつけるのではなく、脱ぎ捨てるのが仕事なのです。

そして、俳優トレーニングのワイド・ブロード・ムーブメントの中で、重要な目的が2つ。
・体を目覚めさせる
・「美」の感覚を手にいれる

この2つの目的を持ってトライしてみましょう。

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