演劇教育があなたの役に立つかもしれない、4つの素晴らしいポイント

演劇教育があなたの役に立つかもしれない、4つの素晴らしいポイント

こんにちは、演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、久しぶりに俳優業を再開する方などに役立ててもらえたらと考えています。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

今回は、「演劇教育って知っていますか?海外では「生きる練習」と言われています。」のブログの続きとなります。
もし読んでいない方がいらっしゃいましたら、事前に読んでいただくことをお勧めします。

演劇教育という言い方が、少し警戒をしてしまいそうなのですが、
「教育」なんだって感覚よりも、「アート思考」にならって「演劇感覚」なんて感じになればもっと普及するのではないかなと、勝手に思ったりもしています。

私たちは、教え込まれる、といったニュアンスに警戒心が働きがちだし、そのイメージを持ってしまうと入り口に人が来ないことになってしまうからです。

それはさて置き、今回は演劇感覚(演劇教育)がどのように役に立つのかポイント4つにまとめました。

  1. 演劇はコミュニケーションの練習
  2. 架空の世界だからこそ、安心して居られる
  3. 演劇は一人ではできないプロジェクト
  4. 演劇の本番を経験することができる

分類してもどれも繋がってくるのですが、少し頭の整理ができ、理解し易くなれば幸いです。

ポイント① 演劇はコミュニケーションの練習

私は仕事柄、色々な生徒を見てきていますが、目を見て自分のことを話すことが苦手な方々を散見します。基本的な能力と言っていいかは分からないですが、緊張や心の葛藤が見え隠れした中で、直視を避けているといった印象です。

相手を見て、自分のことを伝え、相手の言葉を聴いていくことや、表情や態度から行間を読んでいくこと、またそれらから推測して解釈していくことで私たちは他者と関わっています。

また自分に理解が及ばなければ、素直に相手に「分からないから教えて」と訊いてみる力は、生きていく上で必須ではないでしょうか。

そんな基礎を育む力が演劇にはあります。
相手に伝わるように、言葉、態度、ジェスチャー、道具などを使っていくからです。

この演劇教育の中の演劇は、通常のプロの演劇と少し違っているかも知れません。
ここでの演劇は、プロの演劇のように一人の演出家のリクエストに従っていくスタンスではありません。
意見を出し合いながら完成させて行くことが、通常の演劇とそもそも違っているので、切磋琢磨が大きくなります。

それはつまり、人間と人間、個と認めた上での個人と個人の対等なコミュニケーションの連続が必須の現場となりますので、練習の段階から演劇感覚が養われるのです。

演劇を一本上演するゴールに向かうに当たり、何がベストなのか、都度話し合っていくことになりますが、人と関わること以外に考えられません。
さらに言うと、その練習や本番を積んだ人のクリエイティブな能力は社会に必要不可欠であることは想像に難くないのではないでしょうか。

ポイント② 架空の世界だからこそ、安心して居られる

演劇の世界、物語の世界は、架空の世界です。

現実社会をモチーフにしたとしても、台本に書かれた内容や言葉は作られたもの。

架空であること、またフィクションの世界に守られているからこそ、本当の気持ちを出せたり、安心して意見を交換し合えるのです。
嫌な言葉も嬉しい言葉も、お互いに許している環境だからこそ、信頼関係の中で言えることにつながります。

それこそ、「生きる練習」に繋がります。

そこに関しては、プロも同じです。
プロはリアリティを求めて、本気で役を生きていますが、それができるのはフィクションの世界という安心感がなければ成り立ちません。

人を攻撃するシーンで殺意の台詞があったとしても、それはお互いの「架空の世界」ということと、また信頼関係のもと本気で言い合えるのです。
この安心と信頼関係があってこそフィクションが成立すると言っても過言ではありません。

演劇感覚としてとても重要な要素ではないでしょうか。

ポイント③ 演劇は一人ではできないプロジェクト

一人芝居というのは存在しますが、それですら、音響や照明、受付や衣装や制作準備を含め全てを一人で創ることはできません。

群像劇ならもっともっと多くの人が関わってきます。

どの役もどのスタッフの役回りも誰一人抜けては成り立たないのが、舞台。

スタッフも含め、年齢も育ちもバラバラ、その中で協力し合うことが必然的に起きていきます。
それこそ、まさに社会の縮図。

不要な役や役回りなど一切ないからこそ、役や役回りに対して責任が生じますので、自ずと替えが効かないことを知っていくことになるのではないでしょうか。
そして、あなたがあなたの役や役回りを全うすればするほど作品のクオリティは上がっていくのです。そのような相乗効果を体験していくことは、その人の人生において大きな自信となり得ます。

ポイント④ 演劇の本番を経験することができる

やり直しの効かない、本番の経験。
これほど貴重な経験もないかも知れません。

時間をかけて積み上げてきた演劇を上演することで、ストップやリセットのないライブを経験してゴールをどのようにしても達成していきます。

本番で何かハプニングが起きても、それをフォローし合うことで、終演という幕が降りるまで生き続ける経験。

Show Must Go On
幕が降りるまでショーは続くのですから、生きるというライブをそのまま体現する機会になります。しかも、その失敗も成功の経験も、その後の糧になることは間違いありません。

演劇は、「生きる練習」を超えたとても貴重な本番を経験できる機会なのです。

演劇教育の課題

プロの演劇の舞台では演出家に委ねられるところが大きいのです。

しかし、この演劇教育においては、どのような解釈でどのような作品にしてくのかをそれぞれが意見をぶつけ合いながら進めていくことに意義があると感じています。

演劇教育での演出家はあくまで仲介者であり、意見を取りまとめたりする役なのです。

プロの演劇を創ることとは、その辺が少し違いますが、演出家がプロで且つ演劇教育のことを理解しているのであれば、よりクリエイティブな投げかけができるのではないかと思っています。

役について、役回りの効果について、知識量の高い演出家からリクエストやサジェスチョンは、多くの有機的な議論を起こすからです。
役を理解したり、相手と意見が相違したり、多くの発見をしていくことにも繋がると考えています。
それが結果、自分への理解と他者(役や共演者)の理解へと繋がり、人間理解へ繋がっていくと私は考えています。

演技教育の課題は、ファシリテーター的演出の少なさです。
教員や生徒が演出を担うにはその知識量や経験値がどうしても足りないからです。それを勉強する時間もきっとなかなかないでしょう。通常の演劇ワークショップのファシリテーターとは少し度を超えた知識が必要だからです。

その辺の育成もまた必要でありながら、追いついていないのが現状だと感じています。
あちらこちらにドラマティーチャーや演技トレーナーと一般向けを併用した方が存在していますので、活用していければと素晴らしいことだと思っています。

もちろん、私もお声がけいただければ協力させていただきます。

まとめ

ポイント①でも説明しましたが、私は仕事柄、多くの生徒と接していますが、最初の自己紹介時に人の目を見れない、顔を見れない、そんな方は非常に多いのが印象です。それでも演技を勉強したいのですから、その気持ちと出てきているものはチグハグなんです。

だから尚更、まずは向き合うことから始めますが、それが演技トレーニングの一歩となります。
小学校から演技教育を受けていたら、きっと違った自己紹介になっただろうとは想像に難くありません。
私のもとで演技を勉強していった人たちが、その後、自分のことを少しでも上手に伝え、相手を受け入れる力が育まれれば幸いです。

この世界には、子どもや大人に関わらず、自分の意見を言うこと自体、面倒であり、嫌われたくない、カッコつけてると思われたくない、バカにされたくない、といって引っ込めている人がたくさんいます。

よくよく聞いてみると、「それ素敵なアイデア」「いい意見だね」「嫌な気持ちになったことは伝えないと伝わらないよ」といった重要なことがいっぱい眠っていたりするのです。

世界をあなたの周りから元気にするためにも、演劇感覚は心と体から身につけることはとても有効なのだと思っています。

最後に

ここまで読み進めてくださり、ありがとうございます。

もし、記事を読み終えて「頭ではわかったけれど、自分の場合はどうなんだろう?」と少しでも感じていらしたら、一度私と話をしてみませんか。

演技の技術、表現の壁、あるいは日常のコミュニケーション。 一人で考え込むよりも、対話(セッション)を通じて今の感覚を言葉にしてみることで、驚くほど道が開けることがあります。

月に10名様という限られた枠ではありますが、あなたとお話しできるのを心から楽しみにしています。