こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、久しぶりに俳優業を再開する方などに役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、今回は演技の世間一般的なイメージと誤解について考えてみたいと思います。
私は、クラスの最初や演劇WS(ワークショップ)の際に、演技に対するイメージを聞いたりします。
演技経験や俳優を志す人の回答は…
一般の方や学生、また演技未経験の方の回答は…

演技してるって言われると、嘘ついてるみたいに思われる
といった返答をもらいます。
俳優を志した時点で、演技に関しては素敵な色眼鏡がつきますのでポジティブに見ているのですが、意外と世間一般的にはそうでない様子。
もちろん、プロの俳優の演技と一般の人が日常で使用する「演技」に対しても違ったイメージを持っていると思います。
一般の人が日常で「演技」について使用する場合、「演技する」はマイナスイメージなのです。
驚きますね。
それが何を意味するかと言いますと、演技に対する認識がそもそも育まれていないという現状です。
この日本においては…といったところ。
「東洋経済online」の記事でこんなタイトルのものがありました。
真面目な人ほど「就活」で損する演技社会の「茶番」
これについて考察するために、
演技について紐解きながら、
最後に演技を理解していただいた上で上記の記事を読んでもらえたらと思います。
演技してるだろ?と言われる演技のイメージとは

あなたはこれまでこう言われたことがありますか?

それ演技だろ〜

演技してない?
このような発言のインナーモノローグ、意図を読み解くと

それ演技だろ〜(嘘ついてるだろ〜)

演技してない?(猫かぶってない?ちょっといい人ぶってる、カッコつける?)
などの意味になってくると思います。
つまり、嘘をつくといったマイナスイメージを「演技」「演技する」という言葉にはあるということなんです。
また、誤魔化す力のようなニュアンスを持っています。
嫌ですね。
言われたくない言葉になってきますね。
演技が人を欺いてるようなイメージが植え付けられている現実があります。
しかし、演技とは全くもってその逆のことだとしたら?
「演技する」の意味の認識が違う現実

Acting Life net を読んでいらっしゃる方は、
すでにこの「演技をする」ことの真の意味を理解していると思います。
そうなんですね。
実際は、世間一般的なイメージとは真逆なんです。
日常社会で素直に自分ことを発言したり、
表現できたりできる環境こそ少ない中、
あなたの日常の行動は・・・本心と照らし合わせて自然ではないことが分かると思います。
例えば、こんなニュースをご存知でしょうか。
「通勤ラッシュ時の満員電車に乗った際のストレスは、臨戦態勢に入った戦闘機のパイロットや機動隊の隊員よりも高く、ジェットコースターが落下する寸前の2倍以上と試算される」
満員電車の中での心体的ストレスは、相当なものですが我々は基本的には無言で耐えています。
しかしながら、それが普通となっていて感じないようにして精神的に傷つかないようにしているのです。
さて、ではこの満員電車の中の人たちは、本音を押し殺して演技をしているのでしょうか?
考えてみてください。
本音とは違う、嘘のついた状態を演技しているというのでしたら、
満員電車での方々は、演技をしている状態と言えるでしょう。
実際には、社会で生きていく上で、
我慢しなければならないと受け入れ、
改善ができていないシステムで頑張っている姿です。
演技は本当はより素直になるツール

演技とは、感じないフリをすることではありません。
むしろ、感じるところから始めるのです。
本当はどれほどのストレスなのかを知ることから始まります。
今はもう感じないようにして、本当のストレスを忘れてしまって無意識にただストレスを溜め込んでいるだけの状態を、演技は意識化してしっかりと受け入れるのです。
だからこそ、本当は嫌だ、気持ち悪い、といった本音が起こるのです。
そして、それを受け入れるが故に、
本音が滲み出てくるのであり、
我慢すれば自然に「本音」が外へ外へ、つまり表へ出てくるのです。
本音(感じたこと)は基本的に出口を探しています。
その出口を塞ぐと精神的に病気になっていったりするリスクが高まるのです。
感じたことが外に出ていく循環を失った人、或いは無意識に溜め込んだ人と
感じたことを感じたままに我慢しても、外に出てきちゃった感情がある人、或いは、感情を表に出した人と
どっちが嘘をついていますか?
そして、どちらが精神的に健康でしょうか?
演技とは、素直になることがベースなのです。
上記内容の言い方だと、一般の方が良くないみたいな言い方で心傷された方もいるかもしれません。
どっちが正しいわけではありませんが、どちらが精神的に健康ですか?
と考えたら、健康な方を選びたくないでしょうか?
世界保健機構(WHO)でさえ、健康とは、文化的に精神的に健康であること、と定めているのですから。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。
見えてきましたでしょうか?
演技とは、より素直になること。
そして、真実を見つけていく人間理解の旅なのです。
名演技は素直な行動から

名演技は、嘘をついていても、その目から本心が宿る。
その目から本心が滲み出る。
日常以上に素直な自分があり、そこから役に近づいていくのです。
自分を知ることから始まる、と私は何度もお伝えしていますが、その素直な自分の状態を知ったうえで人間を理解する手掛かりを得るのです。
アル・パチーノがアカデミー主演男優賞を受賞した、「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」において、盲目者の人物を演じていますが、目を全開に開けて役を生きました。
さて、不思議なことに、目が見えない役でしたが、その目から宿った感情が滲み出るのです。
いやはや感服!
ぜひ、ご覧ください。
まとめ

最初にご紹介しましたが、
影響力のある「東洋経済online」の記事でさえも、こんな内容のものがありました。
真面目な人ほど「就活」で損する演技社会の「茶番」
会社が求める演技をできる人が評価される現実
世間という狭い社会の中で生かざるを得ない中で、
そこで生きるツールが世間という仮面だったのに、
そうせざるを得ない中で、
就職活動でいきなり仮面を剥げと言われても困りますよね笑
本当はそれこそ茶番な気がしてなりません。
問題は、それ以前にある。
原因は、もっと前にある。
演技は、脚本からその役がそうなった原因や行動の原因を深く探していきます。
ぜひ、そうしてほしいですよね。
そして、仮面を被ることを「演技」と呼ばないでほしいのです。
それは、ある意味、生き抜くために頑張っている姿なのですから。
SNSで本音を吐かないとやってられない環境を作ってきた制度に問題もあるでしょう。
SNSで匿名なら本音が出せるのであれば、
それこそが言い換えれば虚構の世界を借りて演技(素直)をしているのです。
演技社会の「茶番」をやめませんか?
ではなく、
茶番社会をやめませんか?
もしくは、
茶番社会をやめて、演劇教育から学びませんか?
という記事になれば幸いです。
演技ツール、演劇のアプローチは、社会に生かせるものなのです。
いかがでしょうか?
演技のイメージが少し変わりましたでしょうか。
私はSNSの本音発信が傷つけるものであるもを良いと言っているわけでは決してありません。
そうなるに至った社会環境こそ問題があるのではないか、と言っているのです
虚構の世界は、安心して素直でいられる世界だということなのです。
それは「生きる練習」につながること。
そして、演劇教育とは、意見の違うもの同士が折り合いをつける力を育むのです。
ある意味、演技しましょう〜!
演技やってるの?
いいなぁ〜って素直になれて、って言える環境になれば良いですね。





























人の心を動かすもの