脚本読解ワークショップはどんな内容?事前準備から始める7ステップ!

脚本読解ワークショップはどんな内容?事前準備から始める7ステップ!

こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。

演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

さて、今回は、脚本読解のワークショップについて。

脚本読解、脚本分析をしていく方法を体験していくワークショップです。

生徒さん

演技レッスンでダメ出しの理由がわからないのでモヤモヤしています。

ありとさん

あなたの事務所や養成所、スクールでは台本を渡されて、いきなり演技して講師にダメ出しされるスタンスのレッスンではありませんか?

それでは、泳ぎ方も知らず、準備体操もせずにプールに飛び込んだ人に、あーでもないこーでもないと言っているだけのもの。

その泳ぎ方と準備体操の中に、脚本読解や演技トレーニングがあるのです。

私の脚本読解ワークショップは、某所では授業で対応していますが、脚本読解だけに特化した演技ワークショップはこれまでしていませんでした。

しかしながら、演技トレーニングとリンクする脚本読解のスキルは、非常に重要なこと。

演技トレーニング先行で進めてきたこともありますが、読解能力を高め、実践と結びつけてもらうためオンラインでのワークショップで開催をした次第です。

結果的にかなり好評なワークショップとなりました。

参加者がお互いに何を考え、どんな視点で見ているのかを受け入れながら、そして最終的なベクトルを発見するに至るようポイントをつきながら進行。

自分ひとりでは見つけることができなかった視点や可能性、有機的な時間になりました。
事前に準備いただく7つの内容をお伝えしながら、今回の参加者の感想を掲載させていただきますので、ご参考ください。

脚本読解のポイント、7ステップ!

準備のための7ステップ1

①映画を見る
②主題を見つける
③事実を発見する
④シーンの役の目的を考える
⑤シーンの役の動機を考える
⑥シーンの役の障害を考える
⑦ビート解析

上記内容を事前の準備としてご案内しています。

その中で、各自が準備してトライしました。

簡単に説明しておきます。

①映画を見る

まずは映画がありますので、その映画をチェックする。

数回見ることが望ましいです。

初見の映画の場合はまず楽しむ。

続いて、2回目で演技を見てみる。

3回目あたりで該当シーンを何回かチェックしていく。

②主題を見つける

このシーンの主題を見つける。

何が言いたいシーンなのか、何を伝えようとしているシーンなのか。

「誰が何をしようとしてる話」かを簡潔にまとめてみましょう。

これをすることでシーンがシンプルになると同時に、次のシーンに行った場合に、直前のシーンに何が起きていたのかを把握することが可能になります。

※該当シーンだけでなく映画そのものの主題を見つけることも大事です。

③事実を発見する

さて、これは本当に重要です。

脚本(台本)があれば、しっかりと洗い出す必要があります。

今回は、脚本はなく、映画の前後や設定、また一部の台詞から荒出しをおこないました。

いつ、誰が、どこで・・・というのは事実から見つける必要があります。

事実とは、不変のもの。

あるいは、直前の出来事でもあります。

④シーンの役の目的を考える

それぞれの役のシーンの目的を考えます。

相手に〇〇させる

今すぐ相手に〇〇してほしい

この構文に当てはめてみましょう。

役が相手に関わるために、どうしてほしいかを見ていくのです。

⑤シーンの役の動機を考える

それぞれの役が、どうして上記の目的を達成したいのか、その理由、つまり動機を読み取ります。

教師役のように、1シーンしか出演しない俳優は、ついつい役割で考えてしまいますが、人間味がなくなってしまう原因です。

事実から想像しえる動機を見つけていきましょう!

⑥シーンの役の障害を考える

目的を達成するにあたり、その邪魔となる障害はなんなのか?

それを事実や人間関係から見つけてきます。

その障害とは、人間関係、物理的な障害、また役がやらなければならないタスクなどです。

⑦ビート解析

シーン全体の目的から、今度は、台詞ひとつひとつを分解して、その台詞で相手にどうしてほしいのかを考えます。

相手に〇〇させる

今すぐ相手に〇〇してほしい

に当てはめながら、シーンの目的を達成するために、何をしようとしているのかを言語化する作業となります。

映画『インターステラー』の序盤を使用した理由

今回の脚本読解ワークショップのために使用した映画は、名作『インターステラー』。
別の記事でも紹介したことのある映画ですね。

使
  • 使用映画:『インターステラー』
  • 読解に使用したシーン:11分44秒から1分半程度。
  • シーンの概要:このシーンは、主演のマシュー・マコノヒー扮するクーパーが、娘のマーフの担任教師ハンリーと面談をするシーン。

このシーンを選んだ理由

このシーンを選んだのは、まずシンプルに2人芝居であること。
そして、その前後関係からの内容が詰まっていること。
これは読解に非常に重要な要素です。
さらにいえば、その解釈からでているマシュー・マコノヒーの演技が非の打ち所がないほど素晴らしいこと。
演技も柔らかいのです。

あと大事な要素としては、教師の余白が大きいことです。
この余白の大きな教師の役を読解することは、シーンの幅を広げる可能性があること。

いきなり主演をはることはなかなかないかもしれません。
しかし、教師役の可能性は、力のない事務所でも、抜擢される可能性はなくはありません。
バジェットがそれほど大きくない映画やドラマであれば、チャンスは大いにある役といえるます。

限られた情報の中での、教師役の解釈と、非の打ち所がないほど素晴らしい解釈が生んだ演技と合わせて、ものすごい勉強になるシーンなのです。

参加者の感想を一部ご紹介します。

メルマガ会員の方には会員サイトでもっと感想をご紹介します。
こちらは、参考までに。

※原文まま使用

今回のレッスンで気がついたポイントはなんですか?

参加者:oliverjo

脚本に書かれているセリフやト書きというのは、作品全体の中で「氷山の一角」に過ぎないことがわかりました。脚本読解とは、書かれていることを頼りに氷山の水面下の部分を、自らの想像力を頼りにさぐっていく試行錯誤的作業だと思います。やっているうちに、あら不思議、役の目的や動機、そしてその目的を阻む障害が見えてきます。これらを理解した上で演技することが本当の「体験する演技」になるのだと思いました。

参加者:MT

1.事実の洗い出し・その中でも時間軸の重要性
2.目的・動機・障害の相互関係の成立が大事→三位一体がリアリティ生む
3.実際将来の現場でどう生きるか?ビートの重要性=映像作品カット割・監督との擦り合わせに有用な引き出し準備
4.本音と建前の本音がリラクゼーションにより現れる
5.語彙力の重要性(他参加者の語彙に自己理解を深める過程での語彙の重要性を感じた)あと洋画が題材としてわかりやすい!(少なくとも私は)

今回のレッスンで楽しかったことはなんですか?

参加者:こゆき

自分では出てこなかった、感情や表現?言葉の表し方が他の人から出てきた時はとても面白かったです。確かに!と納得したり、こういう考え方もあるのかと交流が凄く楽しかったです。
セリフやト書には書かれていない裏設定?背景を考えた時は凄く魂が震えました。これが役を肉付けする材料になるんだなと。

参加者:さくら

受講者の皆さんのいい刺激を受けながら受講できたことです。

参加者:MT

自分の夢に直結する学びを数多く得られたこと。学びの誘導が自然でわかりやすくより学ぶ喜びを感じられた。他参加者のインプットから気づく学びもありグループワークである意義を感じた。題材を通し良い作品・良い俳優を知れた。

今回のレッスンの全体の感想をお聞かせください

参加者:こゆき

・深く深く脚本を分析した際に得られる、シーンの目的や動機等の結びつきが出来た時には凄く魂が震えました
・脚本読解の最初から最後までをみっちり出来たのが凄く良かった。
・意見や考えの交流が出来たのが良かった
・脚本読解の深さと面白さを知れたのがとても良かった

参加者:さくら

先生のご指導はとてもわかりやすく本当に何年か分の効果がありました。ありがとうございます。

まとめ

2日間、夜間の19〜22時という時間でのワークショップでした。

2日間で合計4時間。
ひとりひとりの視点を確認しながら進行すると、本当にあっという間の時間。

4つのブレインが集まるということは、そういうことなんですね。

多面的に人間を知る機会でもあります。

英語圏で仕事をしてきた方がいたので、日本語訳ではなく原文(映画のセリフそのまま)から、解釈して伝えてくれた内容もありました。

そこから見える、役の気持ちもありました。

目的は同じですが、その動機や障害がよりクリアに見えてきたのです。
面白いですよね。

今回のハンリーという教師役のシーンの目的は、3つに割れました。
だから・・・面白いのです。

解釈の幅が広い中、時代背景などを鑑みながら、最終的に見えてくる解釈。
シーンの目的に外れないようにしながら、目的を見ていくと。ビートがよくわかってきます。

実際に脚本を分析したあと、それを身体に体験させながら「役を生きる」レッスン時間があると良いですよね。

もう1日あれば、その時間を楽しむことができたかもしれません。

3夜連続は、なかなか大変ですので、今後また違う機会を検討したいとも思っています。

また次回の開催希望の声をいただいていますので、引き続き開催していきますので、ご参加くださいませ。

個人レッスンでは、オーディション台本の解釈をしたり、撮影前の台本を分析したりと対応しています。

ひとりで考えても解決しません。

ご相談ください。

最後に

ここまで読み進めてくださり、ありがとうございます。

もし、記事を読み終えて「頭ではわかったけれど、自分の場合はどうなんだろう?」と少しでも感じていらしたら、一度私と話をしてみませんか。

演技の技術、表現の壁、あるいは日常のコミュニケーション。 一人で考え込むよりも、対話(セッション)を通じて今の感覚を言葉にしてみることで、驚くほど道が開けることがあります。

月に10名様という限られた枠ではありますが、あなたとお話しできるのを心から楽しみにしています。