プロの演技講師が養成所で知った現実とは?その演技レッスンがあなたに合うか判断する方法

プロの演技講師が養成所で知った現実とは?その演技レッスンがあなたに合うか判断する方法

こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。

演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

さて、今回は私の話を少ししたいと思います。

私は幼少の頃から洋画にはまり、さまざまな映画を見て育った経緯もあります。
ロバート・デ・ニーロやアル・パチーノ、ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ、ジャッキー・チェンからチャップリン、シルベスター・スタローンから名も知らぬ俳優たちや名画たちを何度も何度も繰り返して。

もちろん、日本のメロドラマも見ていました、
「101回目のプロポーズ」「東京ラブストーリー」「ひとつ屋根の下」など。

その中で、演技についても、実はいろいろ感じておりました。
「すごい」と感じた演技については、衝撃という衝撃を受けて、もうドキドキして映画が終わったあとも、この俳優の演技がもっと見たいと感じて、映画を梯子していく状態でした。

ロバート・デ・ニーロの最初の衝撃はレナードの朝でした。
続いてダスティン・ホフマンとトム・クルーズ共演のレインマンの衝撃。
こんな人がいるのかと、本当に病気の人だと思っていたくらいの衝撃でした。
VHSビデオを何度も何度も字幕で見る、そんなスタンスでした。

そして、私が俳優を志した19歳の時。
私はどんな演技がすごいかを知っていたのです。
言い換えれば、どんな演技を目指したいかがある程度明確だったのです。

そう、だからこそ養成所の現状に「?」を感じることができたと思っています。

養成所のレッスンに失望しながらも、でも自分流で当時走っていきました。
その嗅覚があったからこそ、どこかでこう思っていたのです。

若き日の
アリトさん

やりたい演技と違う

うう・・・

ということ。
今のようにネット検索でこのブログを見つけることができたら
どんなにラッキーだったでしょうか(2000年代前半にはありまあせん💦)。
当時は情報は雑誌の募集に限定され、紹介でもないかぎり芸能界の入り口は圧倒的に狭き門でした。

私は、これまで見てきた養成所や事務所はたくさんありますし、いろいろな事務所に所属した人たちをたくさん見てきました中での発言と考えてください。

結論、情報が手に入る現在のあなたはラッキーなのです!

自分のいる場所が芸能界の入り口、あるいは事務所であっても、なりたい俳優の姿につながるのか。もし違うようなら、もっと演技レッスンが必要と自分が感じるのであればどんどん手を伸ばしてスキルアップしてください!ということ。

※私は養成所や演技スクールの一部を否定しているわけではありません。どんな演技を目指しているかでいるべき場所が違うことをお伝えしたいのです。

私が大学生の時に選んだ養成所

私の経験からのお話。19歳で俳優になろうと方法を探した時が当時の「月刊デビュー」という雑誌に掲載されていた俳優・タレント募集の記事。

お申込みをしたところ、書類選考に受かりオーディションをしたいと連絡がありました。
そう、初オーディションにドキドキ。

オーディションを受けるということが、そもそも凄いことのようで、芸能界っぽさを感じたのも覚えています。

何をやったかは忘れましたが、後日また連絡が手紙できてこんなことが書いてありました。

「所属はできないが可能性があるので、レッスンを週1回やることで1年後の再オーディションを受けるチャンスがあります。それに受かれば弊社所属タレントとなります。」

そして、入所金10万円、その他月謝15,000円程度。
お金がかかるのか・・・と。
しかし、チャンスだ!と飛びつき、兄に10万円を借りて私はこの世界に飛び込んでみました。

知っておきたい点

俳優の養成所は、入所金が高額で、月謝があるところが基本です。
演技スクールは、入学金が高額で授業費用が込みだったり、オプションで追加費用を払ってレッスンを受けたりもあるようです。
良い講師がいることを知っていれば良いのですが生徒も先生もお互いを選ぶことができないのが厳しいところ。

失望だらけの養成所のレッスンの実態

関西で活躍されている俳優、脚本家、演出家の方が講師。
発声のレッスン、腹式呼吸のレッスン、早口言葉のレッスン、と続いていくことになります。

中でも腹式呼吸のための腹筋の筋トレがレッスンにもあり、舞台に立つためには必要なんだと思い込みました。
また、早口言葉と外郎売は覚えるように言われ覚えました。

実際にその方の舞台を拝見しましたが、現代劇でシェイクスピアのようなどっしりとした声で非常に違和感を感じたのを覚えています。

自然な感情伴う発声ではないのです。

最初にお伝えしましたが、声楽に近い発声でもありながら、気持ちの届かない発声なのです。
これって日本独自なんでしょうか。
喉を痛めないことを優先した結果なのかもしれませんが、自分の体から響く声を手に入れてられる指導をして欲しいと思いました。

事実、この演技レッスンの同期で、その謎の腹式呼吸を会得した人はいません。
型にハマった声の出し方により、なんだかみんな同じような声になってしまう感じもしますね。

問題点

現在のメソッドアクティングの視点からいえば、ほぼ不要な要素といえます。
まず、発声の中で重要なのは、喉の余分な力や、体の余分な力を解きながら自分の体という楽器を響かせていく必要があるからです。

腹式呼吸でやたらと腹筋を意識させたり、お腹を膨らませたりすることは、そのためにぎゅっと一回体を締め付けている状態です(そんな方法を関西の有名俳優さんが指導されています)。

それこそ、身体を苦しめている状態で、自然な感情のヴァイブレーションが乗るような状態にはなりません。

📎その発声練習大丈夫?知られざる俳優の発声練習の問題!?
📎あなたの養成所や演技・演劇学校は大丈夫?演技が上達しなかった理由を探る

早口言葉と外郎売は本当に基本?台本のレッスンは?

さて外郎売はご存知でしょうか?
早口言葉がたくさん入った、モノローグのような一大叙事詩。
覚えるように言われ、私は覚えることに必死でした。
台本を渡された時も、覚え解釈することに必死でした。

さて、そんなレッスンも私以外で覚えている人はいなかったいう状態があったのです。
そして、講師の方はその覚えていない人を中心になぜかレッスンをする進行に失望した次第。

台詞も同様でした。
覚えていない人に無理やりやらせながら、ダメ出しをするという意味不明の状況でした。
覚えているのは10人中私だけ。
やってみせると、1回だけやって、「うん、君はOK」で終わったり・・・。
覚えていない人に時間を使っていました。

余談ですが、熱量が高すぎた私は。。。
レッスン後、他の生徒を全員河原に呼び出し、「意味あるのか?やる気あるのか?」と言ったような話をしました。そして、次回までに覚えて、レッスン前にこの河原で練習してからレッスンに行くことにしようと誘い、そのような状態でレッスンを重ねていきました。

それでも、結果的に役の準備がおろそかな方を中心にレッスンは進行していくという様子でした。
今思い出しても、下手が目につく人にダメ出しをして上に立っているような演技指導だったと言わざるを得ません。

別に私ができるわけではありませんでした。
私は「レナードの朝」のロバート・デ・ニーロであり、「レインマン」のダスティン・ホフマンと共演したいのに、頼むからそこに向かう指導をくれ〜〜!という気持ちでした。

問題点

演技のやり方も教えることなく、いきなり台本でトライさせ、ダメ出しをする方法がまかり通っていること。
泳ぎ方も知らない人に、海に落として、「こうしろあーしろ」と言っているようなもの。
溺れているので何を言っているのか演者には本当は分からない状況です。
しかも指導している人が俳優の場合、その人の主観で感覚で教えている場合があり、その指導に再現性はありません。「それはあなたの場合(講師が演技した場合)そうなりますよね」の指導なのです。
これは当時から分かっていました。

◾️◾️◾️参考記事◾️◾️◾️
📎俳優になりたいのに、一流の演技を見ていない人が観るべき映画6選!
📎俳優になりたいのに一流の演技を観てない人がみるべき映画6選!パート2

舞台出演で開けてきた演技の捉え方

そうこうしていると舞台オーディションの話がきました。
関西でも有名な俳優の方が、劇団を作って若手に出演チャンスを与えているとのこと。

この養成所に完全にアウト感を感じていた私は、飛びつきました。
結果的に役を手に入れ、稽古の毎日が続くのです。

この時に、やっと演技ができる場所に出会えた喜びがありました。
素晴らしい俳優もいました。
五感を鋭敏にしたような演技が主演の方にはあり、わくわくしたのを覚えています。

しかし演技のやり方も教わっていない私は(養成所の発声・早口言葉・台本やってダメ出しでは演技のやり方は身につきません)自己流で準備していくわけです。
10日間無料演技講座でもあれば良かったのですが(笑)あるわけでもなくなかなか大変です。

そして、ある時特別レッスンを演出家の奥様(俳優です)より受ける時がありました。

演出家同様に、やってみせるのです。
「こんなふうにやって、できるはずだから」と。
関西でも有名な俳優の方が演出をされているのですが、これも同じように段取りと、この役の歩き方はこうって感じでやってみせるのです。

これって、あれ?って、変な屈辱感がありますよね。
振付を教えているようなもの。
演技ってふりつけかい?っていう気持ちが芽生えました。
そして、誰もが同じようになんてできないのです、その人でないのですから。
といえ、この稽古を成立させるために私は飲み込みながらトライした次第です、それもまた良い経験だと思いますが、二度目は不要ですね。

そう、昭和から続く演劇界の中は、こういったことがベースで人に伝わってきたのだということじゃないでしょうか。

問題点

演技をやってみせて、それをやらせる演出方法は、俳優からアイデアを奪い、形を要求することなりかねません。お手本を見せた俳優の主観やキャラや人間性が反映されており、そこと同じことになることはあり得ないからです。

個性という隠し味を入れたカレーを食べさせて、これと同じカレーを作ってくださいと言っているようなもの。
しかも、レシピも教えずにお願いされているような状況なのです。
作れるかい!ってことですね。

◾️◾️◾️参考記事◾️◾️◾️
📎俳優は事務所が大事?事務所のステータスの変化と個人の信頼が強い理由
📎リザルト演出がリザルト演技を生み出す悪しき習慣!?俳優脳で考え直す力を身につけよう!

演技をもっと極めたいと志し上京

しょうがないので自己流で、ハリウッドの凄い演技をする人たちを目指すしかありませんでした。
2回目の舞台で、私の演技に対して共演者の方から「あのシーン(私の出演シーン)は、何回見てもぐっとくる」と言ってきてくれたことがありました。
お世辞たとしても嬉しいですよね。
当時の役は夢をあきらめる役だったので、現状の失望がうまく役に重なったのではないかと今では思います。
とはいえ、何をどうして結果良かったのかもわからない状況。

そう、ちゃんと演技を勉強できる場所へいって、なおかつ俳優の仕事を得て、素晴らしい俳優になれなければならない!そんな勝手な使命を感じて、大学卒業後にすぐに上京。

そして、同じ轍は踏みたくないと、事務所所属オーディション、養成所的な場所、養成所などさまざまなところに応募し、あちこちにオーディションを受けていきました。
さらには、「演技レッスンの体験をさせてください」とまでオーディション時に申し入れながら、探しました。
この目で見ないと、そのレッスン現場がわからないからです。

オーディションは全部合格、そして養成所や傘下のスクールに月謝を払って学ぶスタンスばかり。やはりシステムとしてこれが現状です。

ご存知ですか?
事務所や養成所のオーディションに落ちることは基本的にほとんどありません。
体験レッスンも、よく分かっていない方がなんとなくそれっぽいことをしている感じ。
台本を渡して、やらせてとりあえずダメ出しして解決策も分からず、がっかりさせて終わる。

唯一、演技レッスンが、理論的でかつハートを揺さぶるものがあった場所が、私が最初に選んだところでした。
東京都渋谷に事務所を構え、テレ朝のドラマ監督が関わっている事務所でもありました。
そこの演技講師の視点はメソッド的でもあり、違う目線もあり、ただ当時として私が求めている演技に1番近い場所にありましたので、もう全力でトライした場所。
結果として、そこからキャリアがスタートしたのです。

つまり、演技レッスンを体験してから決めることができたのです。
これは非常に大きかったといえます。

問題点

講師をするようになって分かったのは、演技トレーニング、メソッドを学んだ人が教えているのではなく、劇団で独自の演技感で育った人が教えていたり、演技のことを知らない演出家や監督がダメ出しのために演技レッスンをしている現場が非常に多いということなのです。
そのアクティングコーチが何を学び何を指導してるかが重要。
何に出演して何役をしているかは重要ではありません。
監督が何を演出して、何を撮っているのかが重要ではありません。

重要ポイント:監督や演出家が俳優を育てるためにどんな演技を学んだかが重要なんです。
※出演する際には監督がどんな映画を撮っているかは重要です。演技指導は別ということですのでお間違いなく。

◾️◾️◾️参考記事◾️◾️◾️
📎監督や演出家の指示に俳優が対処するための考え方
📎リザルト演出がリザルト演技を生み出す悪しき習慣!?俳優脳で考え直す力を身につけよう!

10件程度まわった芸能プロや養成所の実態

養成所は事務所を支える大事な場所なのです。
演技スクールも学校を支える大事な場所。
いち事業として捉えるとすっきりしますね。

ビジネスですので、騙すとまではいきませんが、世界に通用する俳優を育てるビジョンよりは経営をしていくことが前提にあります。
あなたが、外で活躍して事務所にお金を入れてくれれば大万歳ですが、そうなるにはなかなかコネと時間がかかってしまうのです。
その1人を所属させて、面倒をみるために養成所に入所金や月謝を数十人からいただく必要があるという現実があります。
あるいはスタッフ1人支えるためにも同様。

もちろん現在残っている養成所は淘汰されて頑張っていらしゃるところが基本だと思っています。
育てたいけど、俳優を育てるべきツールが何なのかを主催者やスタッフまで意識が行き届いていないところもあるのを感じます。

キャスティングするために私は、事務所や養成所などでいい俳優がいないか、紹介してもらったりしながら回ったこともあります。
そこでやっていた演技レッスンは、演技の基礎を教えてもらっていないまま台本稽古を頑張っている人たちの姿でした。

正直、これではダメだと感じました。
当然、私が演出する舞台には採用しませんでした。

問題点

ビジネスの中において、出演に繋がるつながりとして監督やプロデューサーたちからの話をそのまま俳優に持ってきているような知見で指導されているところが多いと思われます。
俳優を起用する側の視点や意見は重要には違いありませんが、それは演技力を磨くこととは別次元だったりします。

俳優を起用する側の都合というのは、プロセスを無視した結果からの視点が多いのです。
その対応方法を俳優を学ばなければならないのですが、それが何なのかを認識されていないように見受けられます。

リクエストしたことを、さっとやって欲しいことを形でやってくれる俳優が育つような指導。監督やプロデューサーの指摘に悩みながら応えダメ出しを受けて何とか「自分なりに」対応する指導がまかり通っています。

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プロの演技講師が養成所で知った現実とは?-まとめ-

私は、養成所というところがビジネスであることが優先されていることに気が付くのに時間がかかりました。
もちろん、スタッフの方は親切でもあり、応援していろいろと頑張っているのは間違いありません。(ひどい人はいませんでした。人が問題なのではありません。)

しかし、例えるなら、国語の得意な方が数学を教えているような状況なのです。
でも算数を知らない生徒(俳優)を集めて、いきなり講師が数学のテストをしている世界を想像できますか?

大事なのは、まず算数なんですね。
もし、あなたが俳優として日本以外でのアカデミー賞レベルの演技を目指すのでしたら、そのレッスンがどこに向かっているのかを見極める力が必要です。

まとめ
  • 私の養成所時代の失敗
  • 養成所がいち企業として生き残るために生徒が必要
  • どんな演技をあなたが目指すかで見極める力が必要
  • 演技レッスンがあなたが目指すものに見合っているか

あなたが俳優をやる目的が「有名になりたい」「にかく売れたい」という方はきっと違う道があります。
「人の心を動かす演技がしたい」「世界で通用するレベルの演技を追求して俳優になりたい」のでしたらこのブログの内容がアタハマります。

私は後者でした。

もし、そうでしたら今あなたが演技スクールや養成所でのレッスン内容が違和感を感じているのでしたら、うん十万円を支払うくらいなら、10日間無料演技講座で認識から変化し演技の幅を広げる方が遥かに価値があります。

私も19歳でこんな講座に出会っていれば良かったレベルのお話です。
もっといえばネット検索で、きっといろいろなメソッドの演技に出会えていたと思います。
紆余曲折し、私は作品を生み出し演出していくことに大きな喜びを得ました。
そして、演技に迷う人に演技の素晴らしさを届けたいという気持ちが起きましたので、結果として今、アクティングコーチのお仕事をしています。

演技によって開けていく人を観るのは幸せなこと。
またあらゆる分野の世界でそれが役立っていくのも嬉しいこと。
そして、演技が好きでたまらないので追求が好きだからこそ、今も関わっていられます。

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最後に

ここまで読み進めてくださり、ありがとうございます。

もし、記事を読み終えて「頭ではわかったけれど、自分の場合はどうなんだろう?」と少しでも感じていらしたら、一度私と話をしてみませんか。

演技の技術、表現の壁、あるいは日常のコミュニケーション。 一人で考え込むよりも、対話(セッション)を通じて今の感覚を言葉にしてみることで、驚くほど道が開けることがあります。

月に10名様という限られた枠ではありますが、あなたとお話しできるのを心から楽しみにしています。