相手の芝居を受ける、聞く演技ができない!?そんな人のための原因と対処法

相手の芝居を受ける、聞く演技ができない!?そんな人のための原因と対処法

こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

さて、今回は受ける演技、聞く演技についてです。
あなたはこれまで演出家や監督に
「相手が言ってる台詞を聞け」
「台詞を聞けば自然に反応する」

なんて言われたことはありましたか?

相手の台詞を聴いていても、何も感じない。
感じようとすればするほど、何も起きない。
感じるまで待っても、何も起こらない。
どうしたらいいか分からなくなる。
自分の台詞は言えるのに、相手の台詞を聞くのが苦手。

なんてこともあるようです。
その唯一の解決方法は・・・

相手と関わることです。

まずは、あなたが陥っている「相手の芝居を受けれない」原因から詳しくお伝えします。

「受ける、聞く演技ができない」原因その①

まずは、解決策より先に原因について考えてみたいと思います。
「受ける、聞く演技ができない」方の中には、相手の台詞を先読みして反応しようと待ち構えている状態があります。

相手の目を見たところで、あなたが考えていることは自分の台詞のことだけ。
リアリズムの演技をしている人にとっては先読みしているあなたが丸見えだったりします。
うまく対話できていない状態ですね。

つまり、自分に注意が向いているため、本当の意味で相手に注意が行っていない状態なのです。

結論、自意識が原因です。

「受ける、聞く演技ができない」原因その②

原因その①にもつながってきますが、自分の台詞を言うタイミングを考えている状態が原因の場合があります。
相手の台詞を頭で反芻しながら、自分の台詞のタイミングのことを考えているからに他なりません。
タイミングを考えているということは、「きっかけを待っている」のこと。
そのきっかけを聞き取ろうとしているが故に、相手の反応を受け取れていのです。

つまり、原因①と同じく自分に注意が向いているため、本当の意味で相手に注意が行っていない状態なのです。

結論、自意識が原因です。

「受ける、聞く演技ができない」原因その③

台詞を聞く時に、どう反応しようか考えている場合、同じく相手の台詞を受けることはおろか聴くこともできていません。

どう反応しようか、と考えるということは相手を見ていない状態ですね。
きっとそんな時は呼吸が浅くなっているか、止まっている状態です。

つまり、原因①と②と同じく自分に注意が向いているため、本当の意味で相手に注意が行っていない状態なのです。

結論、自意識が原因です。

呼吸については、こちらの記事「俳優が、呼吸と体と心の繋がりを認識する重要性とは?」をぜひご参考ください。

「受ける、聞く演技ができない」原因その④

原因その③としてあげさえてもらう原因は、「ただ聴いているだけ」のケースです。
必死に、ただ聴こうとしている場合。
演出家や監督に「台詞をよく聴いて」と言われ、素直に本当にただ「聴いている」だけの状態では、何も心が反応しないでしょう。

それは聴くために、聴いているから、です。
それはあなたがいなくても成立する状態。

結論、相手と関わっていないからです。

そして、原因①、②、③も実は自意識に向かっているため、相手と関わっていない状態ですので、④と同じですね。

「受ける、聞く演技ができない」演技の解決策

聴くだけでも関わっていなし、自分のことに注意が向いて相手と関わっていない、原因①〜④で確認しました・
では、どうしたら相手と関わっていけるのか。

それは、「目的があって聴く」ことで解決します。
相手に対して、「〇〇して欲しい」「〇〇させる」といった目的があるから相手と関わりながら話を聞けるのです。
目的に向かって行動すると、目の前の障害である相手に対して注意を払わざるをえないでしょう。

例えば、相手に「キスして欲しい」なんてつもりで対話していたら、相手の一挙手一投足が気になって気になってしかたがないのではないでしょうか?
その目的によって自然に相手の反応が気になるようになるのです。
その時、初めてあなたは相手と関わっている、受け取っている(受ける)、聴いている(聞く)と言えるのです。

それはつまり、役を生きること、なのです。

目的から、相手に何かを期待して聴いているかもしれません。
相手に対して嫌悪感を抱いて聴いてるかもしれません。
相手を同情させようとして聴いているかもしれません。

状況によって色々な関わり方が生まれると思いませんか?
役を生きれば、どのように関わっているのか体験した時に自然な反応が生まれます。

そのためには、オープンナップができている状態でなければ自然な反応も起こり得ません。
また、余分な力を抜いた状態で役に必要な緊張状態のみを纏えれば良いですね。
そのために余分な緊張とは何かを知って、リラクゼーショントレーニングを取り入れて欲しいところです。

まとめ

相手の芝居を受ける演技、聞く演技ができない、ということは、そもそもあなたそのものが役を生きれていないのではないかといった原因に実はぶつかってきます。

演技上では、相手の話を聞く時に、突っ立ったまま呼吸がほぼ止まったような状態で聴いている人が散見されます。
或いは、ぴょこぴょこ頷いて反応しているふりをしている人。
前者は「あぁ、金縛り状態だなぁ」
後者は「あぁ、聴いている芝居しているな」
といったことが見えてきます。

逆に「相手の芝居を受ける演技」ができないということは、相手に向かって台詞を言う時は、台詞に捕らわれて考えて言ってるのかもしれません。

発信ができるけど受信ができない。
どちらか一方だけができる、なんて状態は実はちょっと奇妙なのですから。

目的に向かって行動していれば、台詞を話す、聞くにおいても、どちらとも自然に反応が起こり得ることなのです。

さて、自然に反応が起こり得る、と言った私の伝え方も少し真意が伝わりづらいのです。
これらは、相手と関わりながら、目的に向かって演技する練習をすることできっと育まれる感覚でもあるからです。

ぜひ、役を生きる、ということに立ち返ってご自身で挑戦してもらえたらと思います。
そうすれば、きっと相手と自然に感応することが分かってくるに違いありません。

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