俳優の個性の身につけ方ってある!?演技で個性を求められた時の考え方!

俳優の個性の身につけ方ってある!?演技で個性を求められた時の考え方!

こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。

演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

さて、今回は俳優の「個性」について。

多くの芸能プロダクション、監督主催のワークショップなどで、監督や演出家、プロデューサー、マネージャーがごぞっていうこと、それは・・・

監督

俳優は個性が大事

そして、あなたはこんなふうに言われたことがありますか?

  • あなたは、個性が足りない
  • 個性を磨きなさい
  • 自分の個性を見つけなさい
  • あなたの個性はなんですか?

その言葉を聞くたび、
「個性って何だ?」
「自分には個性があるのか?」
と心配になったことがありませんか?

私も20代の時、映像のテレビの監督のワークショップでよく言われました。

監督

俳優に必要なのは、個性だね。

確かに個性は俳優にとっても重要な要素には違いありません。
しかし、その個性とやらを出そうとして出てくるものではありません。

あなたが俳優ならきっとそのことに本当は気がついてますよね?

それを強要することもまた、俳優たちの個性を失わせる原因でもあることを監督たちはほとんど知りません。
俳優も個性を探すために労力を費やすことにさほど意味はありません。

結論、個性を身につけようとしないでください。
安心してください。
あなたは既に「個性」を持っています。
そして、そのまま好きなことを追求していくのです、自分を知る探究をしながら。

「俳優が個性を持て」と言われる呪縛を解こう

もし、あなたが、個性がないから個性を身につけろ!と言われてきているのであれば、下記のように思ってください。
今の自分の状態を肯定的に受け入れてあげてる。
そして、個性を持たないとダメ、個性がないとダメ、といった呪縛を解くこと。

個性を持たないとダメ、といった価値観であなたは「自分に個性がない」と思い込んでいる可能性があります。
個性を持つことを熱く伝える人は、監督か演出家かプロデューサー。
アクティングコーチで個性を熱く伝える人はほとんどいないと思います。

演技のプロ(アクティングコーチ)の視点からいうと、個性が出ている俳優というのはオープンナップができたアクティング(演技)でその人の素直さが感じられること。

つまり持つのではなく、持っているものが出るということ。
足し算ではなく引き算の結果なのです。

個性がない人なんて、正直なかなかいません。

個性というのは出ちゃうものであり、決して出すものではないということ。
無理やり出された個性に心動かされる人は基本的にはいません。

オープンナップとはどういう意味なのか?その疑問はこちらの記事でお答えしています。
📎:オープンナップ(心を開くこと)が俳優に必要な理由
📎:リラックスってどうするの?実践、演技WS(俳優の演技レッスン)を開催。

俳優の個性は、足し算ではなく引き算の結果

個性を持つために特技を持たせるよう、きっと事務所や養成所の方が言ったりすると思います。
特技を持つことはもちろん、何かしらあると役に立つのは間違いありません。

さて、特技ってどんな意味があるのか。
たとえ、あなたが特技を持っていたとしても、あなたが説明しない限り「え?知らなかったよ」なことなんです。

演技に関係がありますか?

元スポーツ選手が俳優に転向したら、スポーツ選手って視聴者が知っていて、その時のインタビューを観ていたとしたら、きっとその時の情報が刷り込まれて色眼鏡で見てしまいますよね。
それは色眼鏡で見られた、レッテルを貼られたその人なのです。

そのスポーツはその元選手にとってのアイデンティティかもしれませんが、個性ではありません。

いざ、余計なものを取り除いて、本当のその人の素となる核、素直な姿が見えた時こそが、実は本当の個性の始まりなのです。

いくら特技や優秀な成績を見せつけられたとしても、知りたいのはあなたの性格。
そして、隠しようのないその顔、体格、スタイル、骨格、手の長さ(短さ)、足の長さ(短さ)など、既に持っているもの。
そこから滲み出ちゃうもの、なのです。

俳優が個性のために何かを足すことは鎧を着るのと同じ

自己アピールで何かしら印象を残すべく、練習したものがあったとします。
それを特技として何とかアピールしようと、それらしくいろいろと挑戦して比較的珍しいものや、優秀な成績をおさめたもの、褒められたものを用意していると思います。

それらは見せかけの個性でしかありません。

小心者が毎日筋トレをして筋肉ムキムキになったとしましょう。
モテたい、自分に自信を持ちたい。
そんな理由でも構いません。
それで、筋肉ムキムキになり、心の底から自分に自信が持てたら、その心のありようは素晴らしい個性です。
しかし、内心は変わらず小心者であったのであれば、筋肉という鎧をつけて頑張っている小心者のあなたが個性です。

そして、後者の場合はこうも言えます。
別のその鎧がなくても、あなたがどんな格好でいても、小心者が滲み出る時、それがあなたの個性なのです。

では、キャラクターに合わせて鎧は選べば良いもの。
今、筋肉ムキムキが必須なものではありません。

また自分の特技をアピールしたり特技を披露する自己アピール。
素晴らしいものを見せてくれます。
家で練習した通りものを披露してくれます。
しかし個性が出るのは、自己アピールで披露しようとして、失敗した時のあなたの自然な対処方法の仕方です。

俳優の個性は自然に出ちゃうものである

演技で以下のように挑戦している人いますか?

あなたの演技の行動理由
  • 笑いを取ろうとしている人
  • あっと驚かせようとしている人
  • 個性的と思わせようと思っっている人
  • あるいは、そう思われたいと思っている人
  • 頑張って癖を持たせてみたり、面白おかしく設定してみたりする人

監督や演出を直接的に楽しませたり満足させることが仕事ではありません。
あなたが注意を向ける相手は、シーンの中の相手、想像の中の相手、なのです。

その相手に向かって働きかけていることによって、出ちゃうもので結果的に監督や演出のリクエストに応えることが仕事なのです。

この根本を間違えたまま、演技をしていると、不要な要素をまぶした演技が生まれます。
それは個性ではありません。
それは大袈裟な演技、不要なキャラ化した演技、嘘っぽい演技となっていきます。

舞台出身の俳優がその劇団スタイルの中に生きて、外に出た時に世渡りするために何かを足していったような方もいます。
監督や演出家に喜んでもらおうと必死で何か足して個性を出そうとした結果の人もいます。

私が言いたいのは、
個性(自分)を隠すために別の何かを付け足す、そんなことをしてもあなたの心が死んでいきますよ。
ということ。

ありとさん

余談ですが・・・
昔、関わった大きな舞台で、ある俳優が台本に書かれている役を演じるに当たり、次のように取り組んでいました。
自分の役をロボットにしたのです。
台本は人間でした。
しかし、「うぃーんがしゃん」「うぃーんがしゃん」と歩き出し、「ちゅど〜ん」とミサイルを打ち出しました。
演出家は面白がり、それを採用しました。

役の本質からいうとただの蛇足でした。
そして、共演者の私からしても、面白くもなく、お客様の視点からも「ぽかーん」でした。

そして、なぜかやってやった感の俳優と面白がった演出家の2人だけが満足したシーンだと私は感じていたのは言うまでもありません。

個性が滲み出るよう自然体でいられるために演技トレーニングを

自分というそのものは人生経験や積み重ねたもの、避けてきたもの、できるだけ受け取ってきたもの、美の意識、良しとしてきたもの、好きなもの、などさまざまな要因でできあがっています。

そして、それらが自然に滲み出たときこそが、あなたの個性なのです。

個性派としてムロツヨシさんや大泉洋さんなど日本ではトップにあがってくると思います。
彼らが素晴らしいのは、そこに自分の素となる部分が滲み出ている点です。
オープンなのです。

強いていうなら、カッコつけていない点なのです。

そこをベースにオープンに演技しているからこそ、いろいろな役をやりながらも強烈な個性を発揮し、柔らかい感応できる演技が生まれているのです。

そうやって自然に自分を滲み出していくには、心体を柔らかくしていくことが必要です。
世の中にはそういったことが自然にできてしまう人も稀にいます。
しかし、多くがそうではありません。

だからこそ、余分な力を抜いて、オープンナップした状態を生み出すトレーニングがあるのです。
その上に役があり、その役を生きることで滲み出たものが「個性」と呼ばれるもの。

オープンナップとはどういう意味なのか?その疑問はこちらの記事でお答えしています。
📎:オープンナップ(心を開くこと)が俳優に必要な理由
📎:リラックスってどうするの?実践、演技WS(俳優の演技レッスン)を開催。

俳優の個性の身につけ方ってある!?演技で個性を求められた時の考え方!-まとめ-

個性のついて、洞察してみた内容ですが、ご理解いただけましたでしょうか。
俳優を惑わす、そしてプレッシャーを与える「個性」という言葉。

それを出すためになぜか怒って指導している人もいるくらいです。
怒った人の個性は際立っていますが、怒られる人は疲弊して自分をますます出すことができません。

きっとプレッシャーをかけてくる人はいうでしょう。
「これくらいのプレッシャーに負けないで、自分を出せ!」

笑ってしまうくらいに理不尽がまかり通っている場所もあるのです。
もし、あなたがそのような現場にいるのであれば、できるだけ早めに出ることをお勧めします。

まとめ

・個性という圧力の呪縛を解こう
・個性とは引き算である
・個性は何かを足すことではない
・個性は自然に身につき、出ちゃうもの
・個性はオープンナップである

誰かが言わないまでも結論ははっきりしています。
あなたの顔は、他にはありません。

(一卵性双生児の場合以外は)
あなたの肉体は、他にはありません。
唯一無二。

そんな自分を見つめることで、もっともっと発見があると思います。
だから、自分を肯定的にみて、受け入れてみてください。
嫌な自分も、好きな自分も、恥ずかしい自分も。

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