こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、今回は【センソリー】について。
俳優の演技トレーニングの中に、【センソリー】があります。
五感の記憶を使って、場所や空間や相手を体験する俳優にとってとても大切な感覚を養うトレーニングです。
この【センソリー】は、たとえば目の前に相手がいなくても相手を感じることや、空が見えないスタジオの中だとしても、空を想像し五感から体験していくためのツール。
近年、「スターウォーズ」シリーズを始め、「マーベル」シリーズにおいても、他の作品においても、ブルーバックで撮影する機会が多い時代です。
それはたとえミニチュアを背景に入れるにしても、撮影時の俳優にとって、セットとしてちゃんと存在しているもの以外は、ブルーバックだったり、何もなかったりします。
そんな中、想像から五感を刺激し、必要な感覚を補ってシーンに挑むのです。
すべては「そこに居る」ために。
ブルーバックだと俳優にとって、その世界を信じて生きるのは非常に困難といっても過言ではありません。
きっと皆さんも、その場に立って、ダースベーダーがいる宇宙船の中を歩いている想像をすることは難しいのではないでしょうか?
そんな撮影や舞台でも必須な感覚、それが【センソリー】。
そんな中、「THE MANZAI 2024」で、お笑いコンビの「ノンスタイル」が見せてくれた「エアーマジック」は、まさに【センソリー】が発動したシーンの連続。
その身体感覚に驚くととも大笑いをしました。
どのようなことが起きていたのか、ちょっと紐解いて楽しんでみましょう!
ノン・スタイルって何?誰のことですか?

NON STYLE(ノン・スタイル)は、吉本興業に所属する日本のお笑いコンビ。2000年5月結成。『爆笑オンエアバトル』第9代チャンピオン、『M-1グランプリ2008』王者、『日清食品 THE MANZAI 2013』第3位。
参考元:https://ja.wikipedia.org/wiki/NON_STYLE
補足しますと、白いスーツの方が、石田明氏。
ボケ・ネタ作成担当。
黒いスーツの方が、井上裕介氏。
ツッコミ担当。
とにかくボケ数が多く、ツッコミへのいじりもまたボケとなって、どんどん加速していく漫才が特徴だと思っています。
ネタはyoutubeにもいっぱい出ていますので、見てみてください。
ノン・スタイルの石田さん「エアーマジック」から出る【センソリー】

この「エアーマジック」は、トランプ、つまりカードを使ったマジックを「エアー」で行うのです。
いや、ほんと、全くもって無意味!(笑)
マジシャン側の井上氏もさることながら、反応する側・ボケでツッコミもしますが石田氏の【センソリー】がリアリティをあげるのです。
そのすごいのは、おそらくカードがあるということを感じられるように研究されたのだと思いますが、カードの扱いが大切な存在感として認識した手の感覚を持っているのです。
そう、確かに持って、いる、のです。
そして、意外なところからカードが出てきた場合には、本人も一瞬「え!」と驚いて見せる。
この一瞬「見せる」とは、一瞬「マジ?」と体がしっかりと感じてるんです。
そうなんです、この受け手の瞬間もまた【センソリー】で、自分すらも騙されるくらい余分な力無くさっと反応して見せてくれるから、視聴者の私たちも「え!」って一瞬反応してしまう感覚があるのです。
何もないのに(笑)
当然ながら「エアー」なので、隠したカードが当たる、当たらないなんてのは、想像の勝手で言ったもん勝ちなのですが、反応のリアリティによって、わざとらしさを遠くに置いてきているので、0.0数秒、一瞬本物のマジックを見たような錯覚を私たちの身体に起こし得るのです。
さらに、石田さんは、その瞬間瞬間の【センソリー】を巧みに使いながら、お笑い芸としても「見せる」ことに注力する必要があるため(お客様に「分からせる・見せる」必要)、体験した後はすぐさま驚きを楽しみながら司会者側的な位置で演出して、お客様と共有していく。
巧みな流れですが、練習や実践から磨かれた感覚なのではないでしょうか。
忙しい流れですが、染みついた感覚なのかもしれませんが、素晴らしい流れでした。
「THE MANZAI 2024」とは違いますが、舞台版が公式チャンネルで出ていますので、ぜひご覧ください。
そもそもエアーマジックってなんですか?

「エアー〇〇」の定義は特にないですが、あえて定義してみます。
何も持っていないという中で、その行為を持っているかのように自然に行うこと。
「エアーギター」、「エアーマジック」など。
っていうか、「エアーマジック」は初めて聞きました(笑)
ちなみに、「エアーギター」は選手権があるほど加熱しています。
私も、小学校の頃からずっと「エアーギター」してきています笑
パントマイムとセンソリーの違い パントマイムとは?

パントマイムは、その構造上、表現スタイルという認識です。
つまり、パントマイムとは、完全に「見せる」「分からせる」ために「形」を的確に無対象で表現した方法なのです。
ですので、形としてシンプルであり、洗練された表現なのです。
路上パフォーマンスで、両手を目の前にペタペタと出して、壁があるように「見せている」状態。
ドアノブがないけど、ドアノブがあるように持ってまわして開けるように「見せている」状態。
舞台コントや路上パフォーマンスで表現されるタイプです。
これらの目的は、お客様に「見せる」「分からせる」ために「形」なのです。
洗練された「形」はある種の美しさを持つ場合もあります。
場合によってはあざとく感じるものもあるかもしれません。
舞台や映像界隈で活躍される小林賢太郎氏のコントで、氏が行動する多くのドアノブは、基本的にパントマイムです。音と動きを合わせて的確でシンプルな表現をされております。
ぜひ、ご確認ください。
パントマイムとセンソリーの違い センソリーとは?

【センソリー】はパントマイムとどう違うのか?
というと、それは見せるために行なっていないということです。
目的は、お客様に分からせることではない。
ということです。
いや、結果的に演出家がお客様のために微調整をします。
分からせるのは演出家の役割であり、俳優の役割ではありません。
しかしながら、俳優にかぎっていえば、無対象としても自分の肌感覚で体験してものを感じて自然に動かすことなのです。
そこにドアノブがある設定であれば、見せようとすることよりも、そこのドアノブの重量や素材、手触り、大きさなど肌感覚で体験し、必要な体重を使って回して開けるのです。
一見自己満足的に感じられるかもしれませんが、俳優自身が「あ、確かにある」と感じて真実のうちに行動した場合にお客様には自然に俳優が体験しているものが見えてくるという構造なのです。
そこは的確でも明確でもなく、日常の中で人が行うに十分な自然な動作でしかないのです。
誇張もなく。
なんとなく違いが見えてきましたでしょうか。
言ってしまえば、
・パントマイム:わざとらしい、うそくさい
・センソリー:自然、行動と合わせてリアリティが感じられる
お笑いコンビ【ノンスタイル】のエアーマジックが凄い!-まとめ-

私は、30歳の頃に、舞台の中に漫才を入れ込み、私もネタを書いたものです。
非常の多くの漫才師たちの漫才を見て、分解して、分析して、再考し、東京FMホールという場所で披露しました(笑)。
漫才師のそれぞれのネタは、本当にさまざまで、構造もさまざま。
シンプルにこれ、といった感じのものありますが、生み出され変化し、使い方を工夫し、さらに進化し、スタイルが多様化しています。
面白いですよね。
漫才には、実は演技ツールとしての対話していく大きなトレーニングにもなるんです。
もちろん、使い方次第。
客観的に話す人のお話が面白くないように、漫才師たちの漫才は当事者として今動いている人たちの漫才が1番面白いのです。
とても良い勉強になります。
ぜひ、ノンスタイルのネタ以外でも、面白いものがたくさん!
【センソリー】を見つけながら、見てみてくださいね。
【センソリー】の関連記事はこちらの記事をご参考ください。
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📎:五感の記憶(センソリー)を演技に使うってどういうこと?
📎:五感の記憶(センソリー)でお気に入りのマグカップでコーヒーを飲もう!






















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