こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、久しぶりに俳優業を再開する方などに役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、今回も五感の記憶(センソリー)のトレーニングについてです。
この他2回ほど五感の記憶(センソリー)について記述した記事に非常に多くの方が訪れていらっしゃいますので、五感の記憶(センソリー)の基礎トレーニングをここに記録しておきたいと思います。
想像することで体が自然に反応する状態に持っていきたいのです。
ぜひ、一度、ご自分の部屋、職場、或いはカフェなどでやってみてください。
私も暇さえあれば五感の記憶(センソリー)を色々とやっていまいた。
無意識だった感覚を、行動する(触れる、嗅ぐ)などによって意識的な行動から有機的に感情を出現させていくことに繋がります。
そう、想像の刺激によって反応し出てきた感情は本物なのです。
ぜひ、課題だと思ってチャレンジしてみてください。
五感の記憶(センソリー)の約束事

この五感の記憶(センソリー)のトレーニングは、自分の感覚を研ぎ澄ますためだと考えてください。
つまり、誰かに分からせようとする必要がないということ。
決して、「そう」「そのように」見せる必要がないということです。
まずは、第三者の視点から、人のジャッジから離れて挑戦してください。
あなたが真実の瞬間瞬間を味わえたらそれで良いということ。
基本的に我々アクティングコーチは、それが真実として起きているかどうかを見極める力を経験から持っています。
そこのことに関しては耳を傾けていただき、自分への発見へと繋げてもらえたらと思います。
五感の記憶(センソリー)に入る前に

まず最初に、背もたれのある椅子に座ってください。
そして、楽な気分で余分な力を抜いていられるよう楽な気分にしてみましょう。
メソッドアクティングのトレーニングでは、リラクゼーションをした後に五感の記憶(センソリー)に入ります。
感じやすい状態のままトライするということですね。
また、注意の集中を対象に100%向けながら挑戦をしてください。
そうすることで、さらに心体はリラックスを生みます。
失敗しそうでも、他のことを考えてしまいそうでも、注意を再びマグカップに戻すことに挑戦してください。
並行してこのトレーニングは注意の集中のトレーニングでもあるのです。
集中とリラックスは相関関係にあります。
考えるのではなく、想像の刺激を受け取っていく。
考えたら、呼吸が浅くなったり、止まってしまっていますので、思考が働いた、理性が動いた証拠。それもまた否定せずに、思考・理性が働いた場合のご自身の身体の変化も知っていきましょう。
例えるなら、頭で考えるのではなく、肌で考えるのです。
Step1:五感の記憶(センソリー)でお気に入りのマグカップを持つ

さぁそれでは挑戦してみましょう。
自分の手の中に、毎日使う自分のマグカップを想像でこしらえてみましょう。
毎日使うものが湯呑みなら、もちろんそれでも構いません。
両手で持ちながら、指先でその質感を体験していきましょう。
陶器の質感、ひんやりとした感覚、塗装のざらつき、取っ手のカーブ具合や、細くなっている厚み、陶器の厚み、傷はあるのか、欠けがあるのか、中身に茶渋がついているのか、底はどんなカーブなのか、縁と底の大きさは違うのか、マグカップの重さはどれくらいか、取っ手を片手で持った時の腕への負荷はどのくらいくるのか、指の負荷はどの程度か、それらを触りながら瞬間瞬間つかんでいきます。
感じたことをすぐ声に出す習慣ができていれば、「ああ〜」「うう〜」と感じたままに声に音に出していくことをオススメします。
Step2:五感の記憶(センソリー)で熱いコーヒーを注ぐ

さて、マグカップが自分の両手の中に生まれてきたと確信したら、普段、自分が持つようにして、想像上の空のマグカップを持ってみましょう。
そこに、熱々のコーヒーが注がれていくのを想像しましょう。
トクトクトクトク・・・。
腕にかかる重量感を想像で体験してみましょう。
どこに力が入っていくのか、その負荷を感じてみましょう。
持ち方によっては手首より指に負荷が大きくかかるかもしれません。
または、手首全体に負荷がかかるかもしれません。
重すぎて、両手で支えるかもしれません。
小指は外を向いているかもしれません。
さて、重い場合は、両手で支えたくなるかもしれません。
そ場合は、どの部分に手を添えるか体験していきましょう。
マグカップは一気に熱を持っていきます。
その熱さは指にどのような刺激をもたらせてくれますか?
熱くて、取っ手の持つ位置を変えるかもしれません。
或いは、コーヒーが熱量が1番少ないマグカップの上部を両手で持つかもしれません。
感じたことをすぐ声に出す習慣ができていれば、その感じた熱さも「ああ〜」「うう〜」と感じたままに声に音に出していくことをオススメします。
Step3:五感の記憶(センソリー)で熱いコーヒーを飲む

さぁ、いよいよ、ここまで来たら、一口飲んでみましょう。
慌てずにゆっくりと・・・。
唇に当たる陶器の感触、次第に伝わってくる熱さ、「ふぅ〜、ふぅ〜」と息を吹きかけて熱を冷ますようにするかもしれません。
小さく意を決して、一口飲むと、口の中にコーヒーの香りが広がり、鼻から抜けていく感覚があるかもしれません。
熱すぎて、舌を火傷したような感覚がおそってくるかもしれません。
その熱いコーヒーが喉を通っていく感覚を味わい、胃の中に落ちるのを熱で受け止め、最後に吐息と一緒に「あぁ〜」と息をもらすかもしれません。
二口目、三口目でもしかしたら、飲み方が変わってくるかもしれません。
実際に本物で再度体験してみる

Step1〜3を終えたら、自分が体験したこと、想像の刺激から受け取ったことをメモしてみましょう。
そして、今度は改めて、本物のマグカップを持って、本当に熱々のコーヒーを注ぎ、一口飲んでみてください。
正解を求めて答え合わせをしているわけではありません。
正解は、想像の刺激であなたが感じたこと、それで良いのです。
ただ、本物を使いながら、腕の筋肉の動き、負荷、熱から受ける自分の肌の変化などなど、発見し直すつもりでやってみてください。
無意識を意識化する感覚です、新発見がいっぱいあるかもしれません。
まとめ

どうでしたでしょうか?
頭で考えてしまいましたか?
色々と実感(リアリティ)を持ちながらいられましたでしょうか?
このお気に入りのマグカップで熱々のコーヒーを飲むという、五感の記憶(センソリー)のトレーニングは五感のすべてが詰まっています。
大事なのは、できてもできていなくても良い、ただやってみること。
まずはそこに尽きます。
最初は30分くらいたっぷり使ってもいいです。
私たちは、どうしても正解を求めて答え合わせをしたくなってしまいますが、あなたが感じたことが正解なのだと主観を大事にしてください。
そのうち、だんだん短い時間で感じるポイントが見つかっていくでしょう。
すると、自分の心と体が有機的(自然発生的)に、「本物かも」とリアリティを感じるポイントがいくつか見つかると思います。
その指が、そこに当たったり、そう置いた瞬間に、ふわっと体が「今、確かにここにある」という瞬間をつかまえてくれるようになったりするのです。
不思議ですよね。
熱々のコーヒーを飲む、という行動が五感を刺激し実感を生むことに繋がっていくのです。
ぜひ、基本のトレーニングとしてご自身で何度も体験してみてください。
例えば、舞台の上、カメラの前、熱々のコーヒーの体(設定という意味)で、冷たいコーヒーが入っているかもしれません。
こぼしては困るので、中身は入っていないかもしれません。
撮影や舞台では、よくあることですよね。
そんな中で、熱々のコーヒーを飲むシーンに、あなたが熱さを感じていなければ、お客様には違和感を自然に伝えてしったり、心を離すきっかけを作ってしまうのです。
五感の記憶(センソリー)とは、こうやって五感の刺激をしていくことで、無意識の領域を意識的に呼び覚ますトレーニング。
想像の世界を瞬間瞬間、実感に変えていくことに繋がっていきます。
潜在意識にタッチし、いろいろな感情を引き出していくことに繋がっていきます。
今回は五感の記憶(センソリー)のトレーニングを順番に文字で起こしていきましたが、なかなか狂気の沙汰(笑)と感じた人もいるかもしれません。
しかし、世界中のアクターたちが、五感を鋭敏にしながら、行動から有機的な反応を導き出すトレーニングをしているのです。
できるわけないと自分をジャッジせずに、まずはやってみてくださいね。





























