
それはね、簡単に言うと自分を知ることだよ
野球なら素振りや走り込み、バッティング、サッカーならドリブル、シュート練習などスポーツにはほぼ明確にやるべきメニューがはっきりと見えてきます。
しかし、演技となるとどうでしょうか?
演技は形のないもの、いったいどのように努力していけばいいのか実際のところ分からない方も多いのではないでしょうか。今日はその疑問のひとつにお答えします。

一人でできる演技の練習ってなんですか?
想像力が乏しいと、とりあえず筋トレになりがちです。(これって「とりあえず生(ビール)」っていくらいやっちゃう人います)
体のキレを維持するにはとても大切ですが、鎧の筋肉は日常不要です。見栄え意識かも知れませんが、重要なのは柔軟性の方でしょう。柔軟性の伴った筋力をつけるのであれば正解といえます。

結論からお伝えしますと、演技の上達のための日常からできるレッスンは、まず自分を知ることです。
私は、リラクゼーションが重要と何度も説いていますが、リラクゼーションが必然なのは、緊張があるからです。
日常から自分の緊張を感じることもまた俳優トレーニングのひとつとしても日々重要なことです。今回は私の最近の個人的な体験からもお話してみたいと思います。
俳優がひとりでできる演技の練習って何?

今回お伝えしたい内容は、まずこの一択です。
日常から自分の緊張や余分な構えに気が付くことが重要です。

例えば、「ああ、緊張しているな」「あ、今、自分が構えた」「うわぁ、力が入っている」と気が付くことが重要なのです。
よくある緊張と言えば、目の前から怖いお兄さんが歩いて来る、ただそれだけで余分な力が入ったりしませんか?
負けまい!と抵抗してこちらも肩を怒らせてしまったら体の緊張はかなり高くなります。あるいは目を合わせないようにしようとしたらまた別の緊張が起こります。
しかし、「ああ、そんな人いるんだぁ」くらいに受け止めたら余分な力が入らなかったり、と様々。
また或いは、コンビニのレジの店員さんがイケメンや可愛い人だった場合、思わずカッコつけたり、華麗に見せたり、或いは気になったと思われないように知らないフリをしたり、と色々な緊張が起こりえます。
そうなんです。私たちは、こんなちょっとしたことで、緊張が体を駆け巡り、体の一部が硬直して、声がこわばったりしてしまうのです。
それを発見し、気がつけばほぐしていく(力を抜いていく)ことが日常からできるトレーニングのひとつなのです。
演技のための習慣としての発見

今回は私の歯医者での経験をもとにお話しますね、
恥ずかしながら、半年ほど前から虫歯で歯医者にかかっているのですが、その体験のお話。
私は、多くの方がそうであるように、昔から歯医者は好きではありません。子どもの頃、歯医者で痛い思いをした経験がしっかりと積み重なり、それらが私を作っている一部となっています。大袈裟ですが、そうなんです。
40代後半にもなってまた歯医者にお世話になるとは、本当にいい気分ではありません。通院最初の頃のこと。久しぶりに歯医者さんの治療の椅子に座った瞬間に「あ!」となりました。実は、太ももや腰や胸や肩に力が入るのがわかったからです。
ぐぐぐぐっと身動きが取れなくなるような感覚でした。まだ治療も始まっていないのに、です。
笑っちゃいますよね。

お恥ずかしい・・・
緊張を発見し認めていくことが、第一歩の演技トレーニング

まずは自覚する力が必要です。
「ああ、力が入ってしまっている」という自分を受け入れること。
「いいや、こんなことで緊張するわけない、緊張するもんか!」と心で戦っても、それは心と体で嘘をつくことになり、さらに自分を緊張の王国(緊張王国みたいな)へと追いやることになります。俳優であればパフォーマンスを大いに落とすことにあたる行為なのです。
怖がりな人が、イキがってさらに相手を挑発するようなもの。挑発して相手が抵抗しないよう強い言葉を吐くのです。相手がさらに攻撃的になっては困るのでさらにもっと挑発していかなければならないようなエンドレスゲームになりかねません。
また、緊張がバレないようにさらに力を入れて隠すことで緊張が増大していくこともあったりしますよね。

例えるなら、緊張を認めてあげなければ、緊張はほどけず、ずっと一人で緊張の積み木をしているようなもの。
それに気が付くと、積み木を崩していけるのです。
演技のための習慣として、リラックスする方法

さて話を戻しますが、歯医者でのこと。
本来俳優であれば本音や感じたままの声を歯医者でも吐き出したいもの。
しかし、声を出すことは迷惑になりかねないため、声が出せない状況下ではどうしたらいいのか?

それは、リラックスのための深呼吸をすることです。
緊張下では呼吸はかなり浅くなってしまいます。これもぜひ自覚してください。満員電車でも、カッコつける時でも、呼吸が浅いどころか、呼吸を止めてしまっていることもあるくらいです。
私たちは日常が不自然なのです。それに慣れて生きることで、心の病気になったり、お酒で吐き出したり、いろんな対応をしているに過ぎません。
嘘をつかないようにしていくことが自然な演技の始まり

つまり、自分に素直になってください!
そうしないと、自分を知ることができません。
だから、演技って健康にいいんですよ。
私は、演技ワークショップでよく自己紹介をしてもらいます。
色々な方の自己紹介を見ながら、「どうだった?緊張した?」と聞いたりします。中には緊張して手も震え、足も震え、目線は合わず、何かを思い出そうとして右上を見つめながら話す、なんて人に会うことがあります。
そんな人でも「緊張しなかった」なんて答える人がいるのです。「緊張=怖い」「怖いを認める=負け」そんな構図が心の底にあり戦っているのかもしれません。
私は、「あなたは、ずっと素直に言えなかったんだね」と受け止めます。
今お伝えした緊張のシグナルに関しては、ひと目見れば気が付くかもしれませんが、ぱっと見分からない緊張も見えてきます。
本人が緊張していることに気がついていないことですらままあります。私はそれを見つけ、発見してもらうことを演技トレーナーとしても導いていたりします。

まとめ
まとめますと、日常からできる演技トレーニングのひとつに、日々自分の緊張を発見し、それをほどくこと、というのがあります。
無意識だったり、気が付かないフリをしてきた部分に気がついていくことが大事なのです。
演技は、本当の自分のハートを使います。そのハートが揺れないよう日々生活していたら、いざ演技の現場になったときに揺れるわけがないのです。なぜなら、長らく本当のハートを揺らすことをしていないからです。
だからこそ、発見してほどいていく作業の積み重ねが自分を発見するためにも必要なのです。
それが分かってくると、自己解放といって感情を素直に解放していく動線が生まれます。
もちろん、この「発見」だけでは感情解放ができるわけではありません。感情を解放するためのトレーニングを重ねてこそですが、その下地を作る意味で重要だと思ってもらえたらと思います。その発見と解放を含めたトレーニングにリラクゼーショントレーニングがあります。こちらについてはブログ記事をご確認ください。
この「Acting Life net」は演技の専門家である演技トレーナーの見解やイベント、また悩みなど相談できる環境を用意してきたいの始めました。
このblogを定期的に更新はしておりますが、更新された際はTwitter・Facebookでお知らせしておりますので、ご登録してもらえたら嬉しいことです。
よろしくお願いいたします。






























演技の練習は普段何をすればいいの?