こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
いつも「Acting Life net」のブログをご覧いただきありがとうございます。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、今回は大根役者について。
大根役者という言葉は聞いたことがありますか?
良い意味で使用されているわけではないことはなんとなく分かる方も多いのではないでしょうか。
同じく演技のつたない俳優に対して、三文役者なんて言い方もします。
どちらも演技が下手くそ、という意味ですね。
できれば言われたくない言葉かもしれません。
解釈は下記の引用をご確認ください。
大根役者の解説
引用元:goo辞書
演技力のない役者、芸のまずい役者をあざけっていう語。大根。
[補説]語源については、大根の根の白いことを素人 (しろうと) に寄せていったもの、へたな役者を意味する「馬の脚」の脚から連想していったもの、大根はどのように食べても腹を壊さないので、へたなことと掛けて「当たらない」の意でいったもの、など諸説がある。
演技が下手だと不安になったりしますか?
大根役者じゃないかと悩んだりしませんか?
誰でも最初はあるので気持ちは分かります。
演技が下手だと思われたくないですよね。
なので息巻いたり、一生懸命考えたり、いろいろなWSを受講したりして頑張ってたりしますよね。
でも、なかなか上手くならない。
上手くいかない、その思考がずっと心に染みついていて不安でい続ける方がいます。
頭では分かるんですけど、と言って行動に移せない方。
そんな方は少し発想を変えて欲しいのです。
例えば、この大根という特性を考えたら、良い意味にも捉えられます。
味が沁みやすい。
いろんな色に染まりやすい。
といったことでは素晴らしい俳優のニュアンスになりそうですね。
結論から言いますと、大根役者と言われないためには、その意味とは逆に大根のように相手から影響を受けていろんな色に染まって感応する俳優になれば良いということですね。
演技が下手と言われる人の5つの要素から、今回は紐解いてみたいと思います。
ちょっと強い表現ですが、「大根役者の要素」という言い方にしてみますね。
演技が下手な俳優は言い方の問題?問題の要素5つは?

シンプルに5つ並べてみると上記のようになります。
あなたに思いたるフシはありますか?
一つでも当てはまればぜひ読み進めていってください。
それでは、順番に紐解いていきたいと思います。
演技が下手な俳優は言い方の問題?大根役者の要素①

我々アクティングコーチが何度も何度も、「台詞は言い方が問題なのではない」ことを説明しても、先入観や自分の積み重ねてきたもので、「言い方が大事」だと錯覚を起こしている方が非常に多いです。
自分にある知識に置き換えて解釈してしまいがち。
自分にないものとして受け入れる力が必要なのかもしれません。
スタニスラフスキー・システムをはじめメソッドアクティングなどを学んだ方でさえ、結局のところこの振り出しに戻ることもあるのです。
自分に刷り込んだ認識が変わらないから、ですね。
或いは、言い方の研究をしてしまうのが演技だと思っていたりするからなのです。
声色を意図的に調整する技術こそが演技だと、思っているから。
このブログを長くご覧になっている方はきっともうお分かりですよね。
自然な演技は、無意識な反応を自然に出していくことなのです。
つまり下手と言われる人と真逆のアプローチで対応しているということ。
演技が下手な俳優は言い方の問題?大根役者の要素②

演技のベースを忘れる。
演技トレーニングを積んできたとしても、いざ本番や大事な時に緊張など特別意識が働いてしまい、演技トレーニングしてきたことを置いてきてしまうような状態ですね。
また生徒にもよくありますが、オーディションとなると途端に積み重ねたことを忘れてしまう。
オーディションと演技トレーニングを別物と考えてしまう習性があります。
これも「良く見せたい」という思いが、自分がイメージする日本の二枚目、三名目演技を模倣することでトライしようとするからです。
なぜなら、往々にして日本の民放ドラマの演技の認識が刷り込まれている方が多いからです。
またオーディション番組の影響もあるかもしれません。
演技はイメージ通りにすることが演技ではありません。
演技の流れをイメージした瞬間に、そのイメージを順番に追っていく形の演技にハマってしまうのです。
また、役や脚本の解釈から離れて、自分がイメージする日本の二枚目、三名目演技を模倣する演技に向かってしまう習慣があるのです。
準備したつもりでも、頭で考えたこと、それを体験した準備ではなくイメージという朧げな任せ方でいるからに他なりません。
体験の演技をするためには、あなたがシーンの直前で何を体験しているのかを捉えて体験してから、目的に向かって行動することが大事なのです。
特にオーディションでは、相手がどんな反応をするか分からないという最高のシチュエーションが多いのですから、目的に向かって行動しながら起きたままに反応しやすいというメリットすらあります。
そんな大事な鮮度を自分から奪って形にハメてしまわないようにしたいところですね。
参考:「演技が上手・下手」の違いとは?アクティングコーチが教える「良い演技」の考え方
演技が下手な俳優は言い方の問題?大根役者の要素③

あなたに師匠のような人がいてその人の言い分が刷り込まれている。
あなたに師匠のような人がいて、その人の視点が刷り込まれ基準になっていること。
これはアクティングコーチに対して俳優がオープンナップがしっかりできていない状況です。
人は変化を嫌うもの。
それまでのビジョンと違うことは、その場では「ああ、そうか」と思えても、すぐに元の状態に戻ってしまうのです。
お互いに開きあっていきたいところですが、自分の師匠に操を立ててしまって演技が改善していかないパターン。
師匠に操を立てるどころか、刷り込まれていると無意識なのです。
実践となると無意識に心体が反応して師匠にインプットされた演技になってしまうということです。
過去に指導してきた俳優においても、「〇〇座の〇〇師匠にこう言われたので」といったことを律儀に守り続け、その場ではアクティングコーチの演技トレーニングを受け入れて頑張っているのですが、実践するとボタンを押したかのように師匠の亡霊が現れ、その師匠に教わった方法で対応していくのです。
そう、すべてが師匠基準の方がいるのです。
あなたはどうでしょうか?
こう考えて欲しいのです。

あなたの演技がうまくいっていれば問題ありません。
うまくいっていないから私(他講師)と出会ったのです。
言ってしまえば、その洗脳を解くことからやっていくこと。
それが必要なのです。
そのためには、講師との信頼関係をしっかりと築いていってみましょう。
誤った思い込みが演技を悪くしているケースは非常に多いと感じています。
ぜひ、師匠以外のアクティングコーチと相談することをオススメします。
このことは、要素③と同じく自分に刷り込んでしまった「演技」というイメージが邪魔をしているといっても過言ではありません
演技が下手な俳優は言い方の問題?大根役者の要素④

混乱している。
大根のように色々な演技講師のちぐはぐな言葉を受け入れて、虹色の大根となっている場合もあるでしょう。
その都度、講師の言うことを聞いてやって怒られて、他のところでもその講師の言うことを聞いてやっては怒られて、などを繰り返した場合、もはや混乱している状態です。
いろいろなWSに行きすぎている可能性もあります。
また良い講師に出会っていないだけかもしれません。
演技のベースがないから、グラグラの状態なのです。
それこそ、良いところ取りして考えようとして、結果的にすっからかんな演技となってしまうこともあるでしょう。
体験の演技、リアリズムの演技のベースをしっかりと学び、自分の心体を使うことを体験していければ、きっとそのベースから役を組み上げていけるでしょう。
そうなんです、演技のベースがないと、行き当たりばったりの対応になってしまうのです。
参考:「考えるな感じろ」と言われる。俳優が演技を考えることの何が悪いの?
演技が下手な俳優は言い方の問題?大根役者の要素⑤

人間理解が追いついていない
役の人生が、あなたが心体的に体験した理解へとなっていないということが要因があります。
体験する演技を目指す中で、あなたが心体の体験という負荷がない状況で演技した場合、上辺だけの演技になってしまうでしょう。
それもまた、こう言われます。
演技が下手。
中身が伴っていないのですから。
人をひとり演じるということは、その人の人生をあなたが体験した状態で存在するということなのです。
ちょうどあなたが今、そこに居るように。
役を蔑ろにしてはいけません。
役を理解すること、つまり人間理解を深めていくことが前提です。
日常から、ぜひ人間の深層心理をみつめてください。
あなたが体験してきたことだけでは足りません!
薄っぺらい演技、役、とならないために、人に積極的に関わって知っていくことが役に繋がります。
役をあなたの大事な人かのように捉えて、準備しましょう。
頭で考えただけ、イメージしただけでは、大切な人の痛みや心持ちは体験できません。
心理身体的に体を使って刺激しながら体験していけると良いですね。
演技が下手な俳優は言い方の問題?-まとめ-

結局のところ、あなたの演技に対する思い込みが演技を下手にしているケースが多いということ。
思い込みを置いて、しっかりと役という人間を知っていくこと。
そして、役を体験して生きること。
シーンの前に体験しているであろうこと(前提の条件)を体験してシーンに入ること。
役の目的を持って行動すること。
これに尽きます。
目的を持って相手と関わっていけば、自然と見える世界が、景色が変わってきます。
決して、
「こうやったら面白い」
「こうやったらウケるかも」
「こうやったら可愛いかも」
「こうやったらかっこいいかも」
「こうやったらすごいと思われるかも」
といった不要な要素に捉われないようにして生きてくださいね。
あなたや、あなた以外の表現者たちも、根底にサービス精神が存在しています。
「監督に満足して欲しい」
「演出家に褒められたい」
という気持ちもあって、不要な要素を役ではないものを持ち込みがち。
またそれを考えてるとどうしても自分に注意が向きます。
一歩のその視点から外へ出ていければ、一歩役に近づきます。
ぜひ、問題点を振り返って挑戦してください。






















「台詞は言い方が大事」だと、根底で思い込んでいる。