舞台の作り方、クリエイティブな俳優や演出家のための10ステップ!後編

舞台の作り方、クリエイティブな俳優や演出家のための10ステップ!後編

こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。

私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」

さて、半ば勢いであなたが舞台を企画・制作した場合のステップ10!の後編です。
前編を読んでいない方はぜひ前編を確認してから後編をお読みください。

「鉄は熱いうちに打て」と格言がありますが、まさにそうです。

きっと、もっとしっかりと生計を立ててから、準備してから、うまくいかないよ、難しいよ、とあなたの勢いとは逆に引っ張ってくる勢力が現れます。
そう、その人が心配する理由はいろいろです。
個人的なことや、その人の経験値や、或いはあなたの理解者として言ってくれているかもしれません。

きっと未知なことに反応しているかもですし、リスクに寛容できないかもしれません。
この10ステップを見ても、金銭というリスク、時間というリスクは計り知れません。
なので逆風はある意味、正当なのです。
それでも、やりたい、やってみたい、やってみないと分からない。

そう思えるほどの熱量があるなら、どうか逆風を説得するか、説得しなくても走ってみてください。
私は上京して、まっすぐに目的に向かっていましたので、逆風は最初まったくなかったに等しいです。
同じ事務所で仲間もすぐ集まりました。
脚本も演出も自らやるつもりで、アクセルを全開にしました。
その仲間や環境に感謝ですね。

あなたは、あなたの環境下、衝動があるのであれば、一歩踏み出す参考にしてください。

ステップ⑥ 舞台稽古のための稽古場をおさえる

稽古場はいつだって課題です。
予算から考えてもできるだけコストを抑えたい。
演劇・演技などに解放しているスペースって意外と少なかったりします。

私が劇団をした2002〜2007年くらいまでは、各自治体の地区センターなどの会議室を使用したりしていました。
下北沢などよく利用していたのです。

ところが演劇OKだったにも関わらず、近所のクレームから「大声禁止」「演劇禁止」となっていた場所も多数。
こっそり稽古したり、さらに苦情がきて、「演劇なんてしてない!」と言い張る余計な戦いをしたこともあります笑。

地区センターを利用したのは、3時間くらいで数百円という稽古場代になるからです。
スタジオを借りると、1時間単位で数千円がザラ。
この違いは大きい。

近年は廃校となった小学校を演劇やパフォーマンス、芸能活動の練習で利用できる場所も増えています。
新宿の芸能花伝舎や豊島区のみらい館大明という場所も利用していました。

ダンスはOKだけど、演劇はNGなんてこともありますので、探してみましょう。

ステップ⑦ 舞台出演のためのキャストを決める

キャストは、あなたが脚本家なら、ある人をイメージしているかもしれません。
そうでなく、企画者・制作者としてプロデュースするなら脚本からイメージをして、演出家と相談して決めましょう。

とは言え、高額なギャラを要求される有名人にお願いするのも大変です。
知っている俳優から相談していくことになります。

或いはオーディションを開催して興味ある人を集めます。
私はワークショップをしながらキャスティングオーディションをしたりしますね。

またチケット収入という現実の世界で、最低でも30枚は売ってくれないと困る、なんて状況だったりしますので最低でも30枚は売ってくれる人からピックアップしたり。

お客様が呼べる俳優というのは、本当に貴重なのです。
出演はするけど無名な人の舞台にさらっと入ってくる現実は、この小劇場の世界にはほとんどありません。

経験として、たまにあるのはありますが。
著名な人が出演していても、ふらっと劇場に行く環境にないのが、日本の文化芸術の現実です。

たとえばこんな方法で俳優にギャラが支払われたりします。
チケット一枚3,000円として、1枚売ったら500円があなたの収入になります。
それをチケットバックなんて言い方をしますが、そうやって僅かなギャラで俳優は出演を承諾してもらいながら挑戦している世界なのです。

稽古に費やされた時間に対する俳優のギャラは基本的にはありません。
スポンサーでもつけば違いますが、補助金が出たとしても、そこまで報われることは稀です。
これで日本の文化芸術が育ちますか?と言われると、コロナ禍のことも踏まえると、分かってきますよね?
そこを改革することは、我々が政治に関わる一票にかかっています。

俳優が社会問題に無関心ではいられないともお伝えしてきましたが、その辺も踏まえ、俳優や芸術に携わるのであれば、しっかりと認識してください。
私はそう思っています。

ステップ⑧ 舞台の音響・照明・舞台監督を探す

スタッフを決める、依頼する。
ここで大事なのは、基本的には演出家が知っている人や見知っている方にお願いするのがスムーズです。
照明も音響も、舞台演出に影響してきます。
また、ジャッジするのも演出家です。

演出家がスタッフに繋がりがないようであれば、舞台監督や同じ業界の方に相談したり紹介してもらいましょう。
価格も交渉次第です。

計算の仕方は、稽古と本番の拘束日数を決めて、1日いくら、という風に決めたり。
例えば、本番が5日間で、舞台の仕込み日に1日、場当たりのゲネプロ(本番と同じように一度芝居全部を通すこと)に1日、あと稽古日に2回来てもらうとしたら、合計9日。
機材を借りたりする場合の追加費用などの計算と合わせてです。

舞台監督は、順番が本来は先だったり。
劇場との本番までのやり取りを基本的に窓口になってもらい、無事に本番が終わって、全てをバラすまでの段取り、コントロールする係といえます。

舞台監督は音響や照明の知り合いがたくさんいますので、ぜひ相談してみてください。
また舞台セットを制作したり、外注したり、簡易的な舞台セットを稽古で使用する場合にも用意してもらったり、場合によってはセットが置ける稽古スタジオの手配まで非常に幅広いです。

また、舞台袖のデハケ、舞台装置の操作なども対応します。
人手が足りない時も手配したりしてくれます。

価格をおさえたい場合は、友人に頼んでみたり、相談しましょう。

ステップ⑨ 舞台仕込みと場当たりとゲネ

舞台創作も大詰め。
劇場入りのことを、小屋入り(こやいり)と言いますが、この辺は舞台監督が仕切って、順序をかためてくれます。
基本的に照明をセットを上に吊る作業が優先的に行われます。
その他、舞台のセットを並行して作成したりと、音響が音を確認したりと、効率を考えて舞台が組み立てられていきます。

舞台セットが完成し、照明も吊り終えたら、照明はシュートといって、照明位置をどこにフォーカスするか決めて、大まかな照明セットを完了させます。
音響・照明・舞台セットが概ね完了したら、場当たりへと移ります。

場当たり(ばあたり)

この場当たりから演出家がセットで、俳優が実際の暗転中のデハケや、照明の当たる立ち位置や照明の色合いなどを調整してきます。

また合わせて、音響のタイミングや音量、舞台装置(スモークや舞台セットチェンジや小道具の変化など)のタイミングや効果を確認していきます。
これらを全てジャッジするのが演出です。

ゲネプロ

場当たりが完了したら、実際の本番と同様に、場当たりで決定した、暗転や音響、照明、小道具、衣装など着て、全てを通して確認していきます。
基本的にシーンを止めることはありません。

そのうで、最終的に演出家が調整します。
ここまできたら、あとは本番を待つのみ、ですね。

まとめ

さて、ここまで舞台公演の準備をステップ10まで走ってきました。
旗揚げ公演をする人も、或いは自分を試すために一度だけ挑戦する人も、基本的に準備は同じです。

そして、継続して公演を重ねていく人も、この繰り返しになります。

目的に向かって行動することのトレーニングそのものだと思いませんか?
そして、舞台や映像作品もそうですが、多くの人が関わって生まれていくということを体験することも大事です。

その流れや、それまでの準備を知らない俳優たちの態度で傷つくスタッフも存在します。
そんなことが舞台の出来不出来にも影響するのですから、人間とは本当に繊細な生き物なの。

当日、お客様を誘導したり受付を手伝ってくれる人を探したり、それらは制作の仕事ですが、思い切って外注してストレスを減らす方法もあります。

ここまで見てわかるのは、俳優の拘束時間が多いのに、俳優にはギャラがほとんど回ってこない。
そこなんです。
スタッフはギャラをしっかりと手にしますが、1番長く拘束されお客様を集めなければならないとされる俳優が1番金銭的にも割りに合わない世界が作り上げられてしまっているのです。

そうすると資金がしっかりとある劇団や、制作会社のプロデュース公演や、大きな劇団、俳優が各自テレビや映像で活躍して、それを元締めのような事務所とすることで資金を確保することで生き残っているモノも多いということ。

お客様が呼べるアイドルを起用する、グッズ販売で何とか黒字に転換することなど、いろいろな裏事情が見えてきます。

あなたが勢いで1回、その燃やした情熱はどこへ繋がるか。
それは誰にも分かりません。
商業的には何も得ない可能性もあります。
しかし、挑戦や俳優としての成長に大きな価値があることは間違いありません。

また、ブロードウェイのように批評家が都度チェックに来るこもとなければ、ロングランが起こるシステムでもありません。
そう、それが現状なのです。

どう変えていけばいいのか、それは自分が劇場を持てばロングランは可能と、劇団単体で生き残ってやっているところもあります。
しかし、それは演劇や俳優のための改善ではありません。
解決は未来に持ち越しになりますが、何とかしたいところですよね。

確実に言えることは、あなたを応援する人が増えれば、環境は変化していく可能性も高いのです。
限られた予算の中で、あなたが何かを生み出すことは可能!
どうかクリエイティブであり続けてください。

最後に

ここまで読み進めてくださり、ありがとうございます。

もし、記事を読み終えて「頭ではわかったけれど、自分の場合はどうなんだろう?」と少しでも感じていらしたら、一度私と話をしてみませんか。

演技の技術、表現の壁、あるいは日常のコミュニケーション。 一人で考え込むよりも、対話(セッション)を通じて今の感覚を言葉にしてみることで、驚くほど道が開けることがあります。

月に10名様という限られた枠ではありますが、あなたとお話しできるのを心から楽しみにしています。