こんにちは、アクティングコーチ・演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、養成所や俳優学校を卒業してもなかなか実践に生かせない方を対象に、私の記事を役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、今回は日本ドラマについて観て欲しい作品を4点ピックアップ!
正直、近年の民放ドラマの演技や作品性について、個人的に興味も持てずに置いてきています。
演技においても、トレンディドラマの日本俳優のそれに興味を持てずにいました。
海外ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」が2000年代に台頭してきた時に、日本製ドラマへの興味が薄れてしまったのも事実。
ところが2024年、世界配信の時代劇「SHOGUN 将軍」がエミー賞最多18部門受賞!
日本俳優が主演男優賞、主演女優賞を受賞することも初めての快挙でした。
民放ではない世界配信、海外出資の日本ドラマのクオリティが上がっていることや、しっかりと準備された俳優の演技のクオリティにも心を動かされました。
日本が、日本が、とあまり大きな区別で言いたくないのですが、演技に対する捉え方、トレーニング、準備においてアメリカやイギリス、フランス、ドイツなどと比べ差があり過ぎて、「う〜ん、日本のドラマは」と言ってきましたが、世界配信ドラマは変化してきています。
※日本の民放ドラマを否定しているものではありません。
今回は、配信ドラマの中でも演技と作品性を含め厳選しました。
私は、Netflix、Amazonプライム、AppleTV、Disney+、と4つのサブスクに加入してドラマから映画まで広く拝聴しています。
とはいえ、観れる作品数に限界があり、観た中でしか言えませんが、その中からチョイスしています。
このブログでずっと伝えていること、それは
「今を生きる演技」「役を生きる演技」=「体験する演技」
それを基準に私は演技を語っています。
ドラマも変わりません、その点は厳しく書いたりしますが、私の個人的な感想ですのでご承知ください。
Disney+ドラマ「SHOGUN 将軍」の生きた演技
トップでもお伝えしましたし、かなりニュースになりましたので今更ご紹介する必要もないかもしれません。
馬術、弓、殺陣の準備期間もしっかりあり、そういったトレーニングの中でも俳優が役と向き合う時間もしっかりと準備されているので、急足の日本ドラマの準備とは全然違いますよね。
日本の大河ドラマ、長期において撮影されますが、準備においても個人に委ねられたものでは厳しい現実があります。
日本の大河ドラマでは、所作や殺陣、方言はメインキャストには指導がつきますが、タレント業務やアイドル業で多忙を極める人たちの場合ですと、どうしても時間がゆるされない現実があるでしょう。
「SHOGUN 将軍」は、壮大なセットや演技の対話のクオリティにおいても素晴らしいものがありました。
真田広之さんはプロデューサーも兼ね、時代劇の所作や時代検証からくることも含め、出演時間以外はプロデューサーとして現場に関わり続け、俳優やスタッフからも「信頼」を得ています。
それがそのまま役を体験している状態。
支えてきた、交渉してきた、その力がそのまま役を生きてるため、体験の演技が生きています。それだけが理由ではないですが、まさに役とシーンの外の役回りが繋がった状態と言っても過言ではありません。
主演2人の内面的動きもさることながら、他のキャストも素晴らしいものがありました。
カナダで演技トレーニングを積んだエキストラも多かったのでは?
日本から来たキャストやエキストラも、しっかりと生きていたように思います。
浅野忠信さんは、日本の映画を牽引してきた方。
しかしながら、これまで雰囲気や曖昧な演技で生きてこられた気がしましていましたが、ここにきて人間臭さが滲み出て、この世界にとても入っていた印象を受けます。
Netflix「極悪女王」の体験する演技
ここ最近見た、日本ドラマの中で1番面白かったと言っても過言ではありません。
女子プロのキャストたちの心理身体的な挑戦が実際の演技にそのまま反映されていて、素晴らしい取り組みでした。
撮影まで2年間の準備期間があったそうです。
ダンプ松本役を演じたゆりやんレトリィバァさんも、自分の内面とかなり向き合ったであろうことが伺えます。
唐戸えりかさん、剛力彩芽さんも同様に自分と繋がる部分も多く、役を生きた感が強い。
シーンの中でのその内的・外的変化が体験の演技からなるものであることがよく分かります。
時々、ヒール役となった時の入場直後の乱闘シーンで内面がともなっていない部分(声と心が繋がっていない)が少しありましたが、撮影直前の準備の問題かもしれません。
にしても、凄かった。
斎藤工さんも、人間味のある役となっていて良かったです。
何というか、これまで人間味のある役を拝見していなかったので、泥臭い部分にしっかりと引き込まれました。
Netflix「地面師たち」の静かな駆け引き
こちも役同士の駆け引きが非常面白い作品でした。
既に評判ではありますが、何が良かったかというと、民放ではやらない役をメイン級の俳優が挑戦していたこと。
テレビドラマでイメージと違う役にキャスティングされることはあまりなかった、山本耕史さん。最終的になかなか見れない姿が見れます。
※ネタバレ:とは言え、そこはパンツ履いてるのか…というのがありました。
※ネタバレ注意
ドラマや映画では殺させることがないリリー・フランキーさんが殺されるのです。
そういう意味でも非常に面白いと思います。
これまで見せることを許してきた顔以外にあの俳優のどんな顔が見れるのか!?
そこがご期待!
豊川悦司さんのハンソン役が怖いと言われていますが、辛口に言わせてもらうと、もともとどんな役をやっても何を考えているか分からない(※個人的な意見です)のです。
今回はまさに豊川悦司さんのそれがしっかりとハマったと思いますので、意外なキャストでもなく輪をかけて良かったのです。
また声が独特なので、個性が強いというのもありますね。
Netflix「サンクチュアリ-聖域-」の俳優のオープンマインド
なんと言っても、主演の一ノ瀬ワタルさん。
彼のオープンな演技に正直やられました。
素晴らしいトライ、しかもオーディションで選ばれた初主演で、遠慮なく相手と関わった演技ができることが凄い。
力士役たちは、1年の厳しいトレーニング期間があっただけに、「極悪女王」と同じく、その厳しい時間を過ごした体験こそが力士俳優たちの深い関わりが生まれ、猿将部屋の俳優たちが生き生きしていて素晴らしかった。
ただし、染谷将太さんのチック(目をぱちぱちさせる癖)は非常にわざとらしく、回数も多く、独りよがり感が生まれており形の演技だったと感じました。
また、「地面師たち」と同じくピエール瀧さんが出演されていますが、やはり全身ちょっと硬いんです。
厳しい言い方をすると、私には余分な力に思えました。
そしてもっと硬いのが、岸谷五朗さんで、あそこまでいくと意味不明です、まったく独りよがりでした。
民放のドラマでも余分な力もなくとても魅力的な俳優であり、コワモテ・ヤクザの役でもしっかりと内に秘めた怖さや傷を感じさせてくれる演技だっただけに、今回のアプローチは何だったんだろうかと思いました。
このドラマでは、柔らかい俳優と見比べても演技の差がよく見えてくるかと思います。
そういう意味でもリアリズムの演技、体験の演技とそうでないものと合わさっていますので、いろいろと勉強になるところもあるかと思います。
民放がなかなかできないクオリティのドラマ
旧ジャニーズ、吉本系列など大手事務所と電通との蜜月な関係。
支配体系というか、構図でしょうか。
日本は主演たちが最初に決まり、それからそれに見合う脚本や題材を探し、当てはめていく視聴率先行のモノづくり。
クリエイティブな作家性が生まれにくいと言っても過言ではないと思います。
美男美女と中間の美男美女がたくさんいて、少しスパイスに芸人さんやタレントが出演。
もちろん、現場の人たちは頑張っているし、もどかしさも時に感じながらトライし続けると思います。
多様性ある世界のキャスティングの中で、キャスティングだけでも日本は遅れをとっているといっても過言ではありません。
そして、準備期間も俳優にはほとんどありませんし、ジェットコースター式にどんどん短い期間で撮影されていきますので、俳優が演技と向き合えたり、話し合える時間はだいぶ限られています。
そもそも演技の方法を教えてもらっていない、演技の勉強をじっくりとしたことのない可能性の高い俳優たちが、「自分で考える」にも限界があり、その結果が作品のクオリティの低下にも影響していると言わざるを得ないのです。
※問題はいろいろありますが、演技のクオリティという面において。
また視聴率をどうしても基準としてしまう世界では、制約が多くクリエイティブな人でさえ、抑えられてしまうことがあるのかもしれません。
オリジナル脚本で唸らせる脚本家、意外なキャスティング、多様性、もっともっと見たいところです。
まとめ

厳しい言葉も載せながら、ご紹介してきました世界配信の日本のドラマ。
「SHOGUN 将軍」「極悪女王」は演技と作品とも本当に必見です。
「地面師たち」「サンクチュアリ-聖域-」においては、素晴らしいアクターと形の演技のアクターとかなり混在していて、それを発見することも大きな勉強になると思います。
このブログでずっと伝えていること、それは
「今を生きる演技」「役を生きる演技」=「体験する演技」
です。
それを基準に私は演技を語っています。
意外性のあるキャスティングのない中で、やはり「こういう役といえばこの人」的に抜擢されたであろう有名俳優さんはある種、そのジレンマと戦い続けているのだと思います。
また、イメージを脱することができないことも辛く思っているかもしれません。
しかし、ハマっている点において素晴らしく、しっかりと役を生きていて素晴らしいところもいっぱいあります。
また、演技に関して厳しくなってしまいますが、私は否定しているわけではなく演技のポイントを指摘しているものです。
そしてご紹介した作品自体も非常に面白かったことは伝えておきたいところ。
民放を超えて発信されるドラマの中に、秀逸な瞬間や演技を見ることに非常に喜びを感じていて、ワクワクさせてもらえることに感謝しているほどです。
これからどんどんグローバルに活躍される俳優が生まれ、演技のクオリティもどんどん変化していくのではないかと思っています。
非常に楽しみ中、私はその演技の一躍を少しばかり担えていけると思うだけでワクワクします。
引き続き、俳優を応援しながら、記事を書いていこうと思います。
最後も読んでいただき、今回もありがとうございました。
合わせてこちら「日本のテレビドラマが、演技が下手と言われる5つの理由」の記事もご参考ください。
































[…] 『地面師たち』『極悪女王』が外資系の出資の力を借りて、制作の時間や俳優の準備段階におけることまで多くが世界レベルに近づいているを感じて、これからももっと楽しみなのです。 […]
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