こんにちは、演技トレーナーの山縣です。
演技のことは言葉だけで伝えることの難しさは重々理解しているところですが、少しでも演技初心者の方や、久しぶりに俳優業を再開する方などに役立ててもらえたらと考えています。
私のモットーとしては、ブレることはありません。
「日本の俳優のレベルを底上げする」
「演技ツールを一般の方に解放し人生に生かしてもらう」
さて、今回は台詞と感情についてです。

棒読みになってしまいます、どうしたらいいでしょうか?

一人で台詞の練習をすると嘘くさくなってしまいます。
どうしたら改善できますか?

台詞と感情について多くの疑問を感じているようですね。
まず認識を変えなければなりません。
台詞に感情を乗せるのではなく、たまたま乗っかちゃうのです。
フォーカスするのは台詞ではなく、役の目的と行動によって変化する音色という風に捉えて欲しいところなんです。
あなたは、台詞の言い方を練習していませんか?

よく稽古場やオーディション現場で「言い方」「イントネーション」「抑揚」をつけて一生懸命に台詞を練習している人がいます。正直、その時点で私が審査員なら採用できません。その認識では、アウトですという気持ちになります。
どうしてそれが良くないのでしょうか?
それは、抑揚やある一定のイントネーションや、言い方を決めて覚えてしまったら、相手がどんなニュアンスや態度や目的で台詞を言ってきたとしても、自分が決めた言い方で返してしまうからです。
また、監督や演出家のリクエストに応えることができなくなるからです。
目の前で今起きたこと、として反応が起きなくなってしまいますので、台詞の言い方を決めるのはぜひやめましょう。
台詞の覚え方、についてはこちらの記事「学校じゃ教えてくれない、台詞の覚え方5ステップ!」「俳優が台詞の覚える時に、すべきことやってはいけないこと3点!」をご参考ください。
台詞は氷山の一角

台詞というのは、氷山の一角と捉えてください。
氷山というのは、タイタニックを沈めたアレです。冷たい海の上で、氷の山が突き出ているやつです。氷山は、海上に出ている部分はほんの一部分で、海水下に海上の何倍もの塊が沈んでいるため、「分かっていることや、見えているものはほんの少し」といった例えで使用される言葉です。
海面上に出ているのが2割程度、海面下が8割程度と考えてください。
それを台詞に当てはめると、台詞という言葉になっているものが2割、あとの大切な8割部分は台詞に書いていないことという意味です。
その海面下の8割とは、何だと思いますか?
そこが重要なのです。
サンフォード・マイズナーの名言
サンフォード・マイズナーは台詞のことをこう例えたようです。

台詞は、川の上を流れる船のようなもの。
川は感情、船をその上に浮かんでいるもの。
とても分かりやすい例えですね。
台詞だけの「言い方」で何かをしようとしても、それはその瞬間に起きた感情を反映していければ、ただの陸の上の船です。
感情ってどうやって出てくるのか、海面下の8割とは?

海面下の8割とは
- 状況
- 相手への感情
- 役の目的
- 役の性格
- タイミング
などなど・・・数え上げると無数に存在します。
感情は何から付随してくるのか?

感情を作る、という人がいますが、もしそう思っているのであればこちらも認識を変える必要があるかもしれません。
はっきり言いますと、感情は作れません。
感情が作れたら、ちょっと怖いですよね。もしかしたら、感情を作るというのは何かの例えで使用しているのかもしれませんが・・・。
過去の記憶を蘇らせて湧いてくる感情を、感情準備となりますがこれを実際にシーンの中でやってしまうと独りよがりになりやすいところ。なぜなら自分の思い出に浸っている状態だからです。
よーいスタートで撮影開始の1ショットの撮影であれば、感情準備としてシーンの体験がうまくいかない場合に有効な部分があります。もと言えば、役と自分が重なった部分であれば素晴らしい効力を発揮するに違いありません。
大事なのは、役が目的に向かって行動した時に、出会った物事でたまたま出てくるものが感情なのです。
つまり、行動が先ということになります。
感情は意図的に作ることはできませんが、行動は意図的にすることができる、この大きな違いです。
目的に向かって行動した時に出てくる感情が台詞とたまたま重なる、ということ

例えば、街中でトイレに行きたくてたまらない状況下、目的がトイレを見つけるであれば、街中でトイレがどこかにないか必死で探すと思います。ここで次のような障害があったとします。漏れるギリギリの状況下で、例えば誰かに道を聞かれたり、警察から職質を受けたりしたら、きっと色々な葛藤が生まれて感情をともなった声と言葉が出てくるはずです。
役にとって大切な目的に向かって行動しなければ、何も起きないということです。
あなたがオーディションに行って合格すれば嬉しいし、落ちれば悔しかったりするのは、ひとえに俳優として人前に立ちたいから、だったり有名になりたいから、の目的に向かった行動の結果だからです。
極論、その状況下で行動して初めて、どんな感情が出るのか、態度になるのか、結果どんな音色になるのか分からないということです。また相手との対話によってもその音色は変化します。
そのために、台詞は抑揚などつけずに覚えてるのです。
どんな抑揚(音色)が起きても良いように。
自然な感情が出てきて台詞に重なるようにトレーニングします

役が目的に向かって行動すれば感情が自然と出てくると考えている人もいます。
しかしながら、日常から自分を出していない人が急に演技の中で自分をオープンに曝け出せるでしょうか?
そんな自分のバリアを小さくしていくために、リラクゼーショントレーニングが必要であり、感じやすい状態から感情解放が生まれていくのです。
日常、我々は路上で不意につまづいて転けそうになっても「ああ!びっくりした!」という感覚を押し殺して、何もなかったフリをしてしまうのではないでしょうか?
嫌だと感じても顔に出さないようにしたりしています。
普段のあなたがそのままいては、気持ちを比較的隠した人物のままのため、隠したら本当に隠されてしまったまま画面には何も宿りません、舞台上では何も伝わりません。
だからこそ、起きた感情が滲み出ていくようにしたいのです。
そんな社会性や日常から離れて、自分の心と体をオープンにしてくトレーニングをしてきましょう。
まとめ

感情を台詞に乗せる、とか感情を込めて、なんて言葉は俳優からすると気をつけなければならない言葉だと気がついたでしょうか。
感情は込めるのではなく、「自然に出ちゃうもの」なのです。
演技を英語で、Acting と言いますが、つまり「Act=行動」することが演技なのです。
俳優は「Actor」、つまり「行動する人」なのです。
感情は決めることはできませんが、行動は決めることができるのです。
行動から逆算して出てくる可能性の感情を自分の中で知っていれば、シーンに合わせやすいですよね。また、行動した自分を日常から色々と認識していくと人間観察として自分を知ることができます。
自分にとって大事なことであればあるほど感情は豊かに動き出します。
役を生きるために自分と繋がっていく過程で「自分ごと」にしていく際に、自分の経験は知っておくと大きく役立ちます。
考えると感情は止まってしまいますので、ふと「あ、そう言えばそうだったな」くらいの感覚で日常から自分の行動を振り返っていくだけできっと役立つでしょう。
情報ばかり頭に入れて、計算や打算で失敗しないようにした行動はあまり感情が動きづらいもの。豊かに生きるためには、行動しながら起きた結果を楽しむくらいが良いのかもしれません。
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感情を上手く台詞(セリフ)に乗せるにはどうしたらいいでしょうか?